恵まれた自然の中、高野龍神国定公園の稜線を走る高野龍神スカイラインは、霊峰高野山と龍神村を結ぶ全長42.7kmの道路です。 このルートからは雲海のかなたに連なる紀州の山々を一挙に展望することができます。またスカイラインの中ほどにある護摩壇山は源平の合戦に敗れこの地に落ち延びた、平家の平維盛が護摩木を焚いてその命運を占ったといわれる伝説の山です。
その山頂近くには、ごまさんスカイタワーという護摩供養の護摩木を積み上げた形のユニークな塔があります。ここからは360度の大パノラマで素晴らしい山々の風景が楽しめます.
龍神村の観光情報より
その360度の大パノラマどころか、1寸先も闇じゃなくて乳白色の霧の中に、とにかく降り立ちました。車のライトは点けていますが、それは対向車にこちらの存在を知らせるのみの役目で、みんなのろのろ安全運転で、この頂上に辿り着きました。
護摩木を積んだようなタワーも、さっと霧が遠のいた時に写したもので、すぐに霧に包まれてしまいます。
こんな経験は初めてで、人が沢山いるらしいので、恐ろしくはなかったのですが、とにかく恐怖の濃霧でした。
色彩のあるのはこの観光案内図だけでしたので、とりあえず写しておきました。
護摩壇山では長居しないで、早々に山を下ることにしました。
随分下ったころから景色が霧のなっかから現れてきました。と言ってもカメラを構えているとすぐに下から湧いてきた霧に隠れてしまうので、早業です。こうして早業の画像を見てみますと、何か趣があるように思えて、霧もいい記念だと今になって、思うことにしました。
もうかなり霧の晴れた地点へ来た時、駐車スペースがあってかなりのカメラマンが、橋の上から谷を隔てた紅葉を写しているのが目に入りました。来る時の尾根道と違って、カーブの多い下りでしたので、ここがきっと1番の撮影ポイントだったのでしょう。
たくさん撮りましたので、こんなコラージュで纏めてしまいましたが、これが太陽の光を浴びてかがやいていたらどんなにか綺麗だろうかと、以前何回かドライづした時の紅葉の美しさを、真っ白な霧の幕に描いていました。
道の駅龍神まで来たころには、いくらが霧は谷を隔てたところに湧いてくるような感じになっていました。
ここに来てホッと一息ついたような気がしました。前が見えない不安、白い霧の向こうから来る車のライトだけが宙に浮いたような不気味さも、初めての体験でしたが、無事に山を下れた安堵の気持ちが、空腹に気付いたのか可笑しくなってしまいました。