東塔の 花びら浮かべ 心字池
さくら行脚も、多分この日でお終いになるだろうと、名残の桜を、うんと楽しんでくるつもりで、
4月2日に當麻寺へ行ってきました。
山門の桜も赤い葉が、花弁よりも多く見えるようになっている日でした。
この日の目当ては、 大和三名園の一として名高い庭園「香藕園」(史跡・名勝)です。
借景の三重の塔の枝垂れ桜を、もう少し早く来てみたいと思いながら、他へうろうろしていたものですから、
花弁は殆ど心字池の面を染めるように、花筏となって浮かんでいました。
ただ1本綺麗に花を咲かせていたのは、茶室を飾るピンクの濃い花が見事でした。
方1間の大丸窓から、名残の桜は、なお趣きがあります。
昨年来た時には、塔からの枝垂れ桜にすっかり魅了されて、心字池に映る姿の優しさのばかり惹かれて、
この茶室をゆっくり見させてもらわなかったような気がします。
枝垂れに遅れての庭園の茶室は、今回何よりの見所でした。
庭園を鑑賞しながら心字池を一回りする順路になっていたのですが、飛び石伝いの散策路が
私の膝にはかなり負担になり、バランスをとりながら歩くのに苦労をしましたので、茶室から
玄関へと引き返しました。