四十余年前の北海道の旅のアルバムには、写真と共にその日の行程を書いた紙も貼ってあります。
そのメモを見ていて、私の記憶が曖昧だなぁと思うことがありました。
スキーです。
北海道で、確かにスキーはしました。
私は、それが旭川辺りではなく、旅の最後の最後、札幌近郊でスキーをしたように思っていたのです。
スキーウエアを持っていなかったのですが、ほんの少しの時間だけ滑るつもりでしたから、「ズボンはジーパンのままでいいや!」とスキーだけをレンタルして、滑りました。
しかし、北海道の雪は信州の雪のようにフワフワではなく、カチカチに凍っていて、慣れないアイスバーンにジーパンがしっとりと濡れちゃいました。
こけて痛かったことは覚えていますが、濡れたジーパンをどうやって乾かしたのか、乾かさずに冷たさに耐えたのか、記憶がありません。
その後も機嫌よく旅を続けたようですから、ノープロブレムだったのでしょう。
このネクタイピンはこの旅で買ったものだと思います。
記憶というのは消えていくものです。
それは救われることでもあり、寂しいことでもあり・・・。