迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

意欲の夏。

2021-07-20 19:40:00 | 浮世見聞記
驛で出發時間を待つ間、切符賣場に備へ付けられた時刻表をひらく。言ひ古された言葉だが、「時刻表を開ひた時から、旅は始まってゐる」──さう、かつては。夏の訪れになると、「暑いのイヤだから、今年の夏こそじっとしてゐるぞ……!」その時、さう思ふだけ。  けっきょく毎夏、夏扇片手に汗を拭き拭き、ここへ行って、あそこも行って、それからあっちへも──さう、かつては。時刻表の路線図を眺めてゐるうちに . . . 本文を読む
コメント

規制奇制。

2021-07-19 22:03:00 | 浮世見聞記
本日より茶番大運動會の強行期間中、トウキョウ圏の一部幹線道路では、その関係車両の通行ために車線を譲らされる。現實との乖離が著しい茶番大運動會を、國難下にある浮世へ嵌め込まうとすると、かうした齟齬が生じる。……いや、この國難にはいまや茶番大運動會も含まれてゐる。選手ムラでは競技屋の疫病感染が相次ひでゐるやうだが、現實には既に集團感染が始まってゐると、私は見る。一方で合宿地から尾州へ逃亡したと見られる . . . 本文を読む
コメント

山また山へ逃げにけり。

2021-07-18 09:25:00 | 浮世見聞記
てつがく【哲學】(名) 有言實行の出来ない、又はそのつもりのない詐欺的人種が、もっともらしく聞こえる屁理屈で相手を煙に巻く際に弄する、詭弁の一種。今朝のラジオ放送で聴ひた觀世流による「山姥」も、シテはさうしたわかったやうなわからないやうな屁理屈を弄し、相手に最後まで首を傾げさせて、山々を逃走する。私はこの曲を金剛流宗家の仕舞で、一度だけ觀たことがある。前髪を額にハラリと垂らしての熱演であったこと、 . . . 本文を読む
コメント

忘暑調査。

2021-07-17 21:00:00 | 浮世見聞記
調べ物のため「街」へ出る。ちゃんと“紙の”資料に當ったことで、長い間の疑問はたちまちにして氷解し、暑さをも忘れる。やはり、“紙の”資料に勝るものはなし。外へ出たつひでに「街」を眺める。自分の目で“現状(いま)”を眺めて歩く氣持ちのある間は、年齢(とし)は喰ってもジジイにはならぬのじゃ。茶番大運動會の胴元は、「いざ始まれば、ニッポンジンは歓迎し、支持するだらう」と予言云々。『街の人出が増加傾向にあり . . . 本文を読む
コメント

夏休み、県境越えは控えて尾身氏が危機感「今がヤマ場」

2021-07-16 23:18:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/world/kyodo_nor-2021071601000951?fm=dまた出ましたか、例の決めゼリフ。茶番大運動會胴元の藝州への越境は見て見ぬフリ、私たちには“ヤマ場”?山を越え、川を渡り、野を抜け、今年の夏も忙しいのじゃ。黙っとけ。 . . . 本文を読む
コメント

開けたは梅雨ばかり。

2021-07-16 20:28:00 | 浮世見聞記
東京圏が平年より三日はやく「梅雨明けしたとみられる」云々。さぁ夏、夏である。樂しい知らせで盛り上がりさうな、令和三年夏のはじまり……。その元凶たる茶番大運動會の胴元が藝州廣島に侵入、平和記念公園におゐて、しおらしげな茶番劇を演じる。被爆地と被爆者、そして亡くなった多くの人々への侮辱のほかなく、この國はしょせん外威に無力な敗戰國に過ぎないことを、ここに思ひ知らされる。かうした權力の著 . . . 本文を読む
コメント

ニッポン徘徊──東山藤稲荷神社

2021-07-15 19:33:00 | 浮世見聞記
東京都新宿區下落合2-10-7付近、“おとめ山通り”沿ひに、「東山藤稲荷神社」と彫られた石標と逢ふ。しかしそこには石標ばかりで當の社は見当當たらず、跡地を示す碑なのかと思へどさうでもなく、ハテ……? と首を傾げるうち、すぐ隣の歯科醫院の脇を入った先に、鳥居と石段が見えることに気が付く。石標はかつて参道があった時代の名残りだらうか。右へ折れる石段を登った先、都心にゐるとは . . . 本文を読む
コメント

俳優の亀石征一郎さん死去82歳「影の軍団」千葉真一の宿敵数々の時代劇で悪役実写版力石徹も

2021-07-14 17:47:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20210714-0162?fm=d昭和の時代劇が好きな人ならば、誰もが顔と名前を知ってゐる惡役の常連。當時は川合伸旺さんなど名惡役が目白押しで、亀石征一郎さんはそのなかで“若手”といった印象でした。目に凄みが利きながらど . . . 本文を読む
コメント

二言居士。

2021-07-13 23:53:00 | 浮世見聞記
驛で生まれ育った燕は、いまでは驛構内を遊び場のやうにスイスイはしる。燕は幸せをもたらすと云ふ説を、私は本氣で信じてゐる。都内では昼前に豪雨に遭ふ。これが令和の夏。地元の古道ではオニユリに逢ふ。ほかにも様々な草花に逢へる、天然百花苑の古道。 . . . 本文を読む
コメント

天皇陛下は側近に「拝察」させたのか?皇室記者が衝撃を受けた「らしからぬ行動」

2021-07-13 15:34:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/47news_reporters/nation/47news_reporters-20210708183612?fm=d『一方で、天皇の言動に過剰とも言える反応を示す国民の側にも課題がある。内閣は国会で多数を占める与党で組織され、与党の議員は選挙で選ばれているのだから、内閣は民意を反映している。天皇 . . . 本文を読む
コメント

倦怠蔓延措置。

2021-07-12 09:35:00 | 浮世見聞記
本日より八月二十二日まで、四度目の“お手上げ宣言”……、ならぬ“禁酒宣言”が發令さるる。度重なる飲食店イジメに、業界はそろそろ一揆を起こしてもおかしくない時だらう。私は昨日に報道を見るまで、今日から宣言期間となることを完全に忘れてゐた。慣れでもなく、倦怠でもなく。まさか、これが“狎れ”なのか?昨年の今ごろに盛んに叫ばれてゐた「新しい生活様式」とは、この無意味な宣言に完全に飼ひ慣らされ . . . 本文を読む
コメント

當世流“夏のご挨拶”。

2021-07-11 21:38:00 | 浮世見聞記
16時頃、地元の上空に氣味の惡い模様が俄かに浮かび、出先から帰城した途端にザッと雨が降り出す。幸ひ我が町内は程なく止んだが、首都圏では激しい雷雨となった場所もあった云々。地上が高気温のところに上空へ寒気が流れ込むと發生すると云ふこの突發性豪雨は、いまや日本の夏の特徴的な天候として、すっかり根付ひてしまった。この異常な降雨によって夏の訪れを實感するやうになったのだから、明らかに私の季節感は狂ひはじめ . . . 本文を読む
コメント

思ひ出めぐる藤戸かな。

2021-07-11 09:56:00 | 浮世見聞記
私が本来の私になれる時間──朝のラジオ放送で謠曲に耳を傾ける。今日は寶生流の「藤戸」が謠はれる。漁師だった我が子を理不尽に殺された女が、新たな領主となって現れた加害者に、我が子を返せと強く迫る──前後のシテを通じて、哀しみの内から率直な怒りを權力者に見せるところがこの曲の特徴なれど、しかしそれをつとめて静かに謠ふことで、思ひの深さを強く訴へる。そんな泣き寝入りをしない姿からか、近年では反戰思想の曲 . . . 本文を読む
コメント

今のうちに見ておく樂しみ。

2021-07-10 18:31:00 | 浮世見聞記
東京二十三區内に用事があって出かけたつひでに、もはや息の根が止まった茶番大運動會の會場を一見せばやと、下らぬ野次馬根性を起こして候。なるほど、會場周辺は至る所に関所が設けられ、私のやうなマヌケを寄せ付けないやう頑張っておりゃる。これらを見てさへも、なるほど權力とはすなはち魔力なり。暑さとマスクで茹で上がった顔をしながらスマホを構へてゐる“お仲間”の傍を抜け、余計な防護柵のために余計狭苦しくなった坂 . . . 本文を読む
コメント

小池百合子知事と尾身茂会長のタッグに五輪無観客で完敗した菅首相の末路

2021-07-09 23:15:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/dot/politics/dot-2021070900009?fm=dいやぁ面白い、とても面白い讀み物だ。私はかういふテの政治噺、大好きだ。御用學者は御用學者の域を出なかったと見せかけて、裏でしっかりミカドを味方に付けて學者としての意地を見せ、女都知事は實に巧く、面白いまでに巧く時流を讀んで泳ぎまわ . . . 本文を読む
コメント