Dr.Horiiのひとりごと

徒然なるままにクルマや日々の出来事を書きとめた雑記帳です。
個別連絡は075-934-0282までお願いします。

イグニッション・コイル

2021-09-06 23:22:13 | 目指せ3級整備士?

イグニッション・コイルについて勉強しました。

イグニッション(ignition)は点火とか発火という意味

イグニッション・コイルは、バッテリーの電圧を高電圧に変えて点火プラグに火花を飛ばす役目をする。

 

なぜ高電圧が必要なのか?

空気は電気に対して絶縁体であるが、高電圧をかけると絶縁が破壊されて火花放電がおこる。

シリンダー内の混合気は大気中の空気の約6~10倍くらいに圧縮されるので、火花を飛ばすにはますます条件が悪い。

そのため約1万ボルト以上の高い電圧が必要になる。

 

イグニッション・コイル ”公益財団法人 国際文化カレッジ 自動車講座”テキストより

 

高電圧はどうやって作られるのか?

1次コイルは直径0.4~1.0ミリの電線が200~500回巻いてある。

2次コイルは直径0.05~0.08ミリの細い電線が、絶縁紙を入れながら20,000回くらい巻いてある。

2種類のコイルの同じ軸に鉄心がある。

1次コイルの電流が停止すると、1次コイルは電磁誘導作用(自己誘導作用)で起電力が発生する。

さらにその起電力は2次コイルに同調(相互誘導作用)して高い電圧(1万V以上)を発生する。

 

電磁誘導作用とは

 

この電磁誘導作用を発見したのはファラデーという人

現在でも暮らしに欠かせない電気のもととなる発電機は、この人のおかげなのですね~

 

偉人エピソード

独学で新法則を次々発見
今でも多くの人が慕う偉大な科学者に

「電気が磁気を発生させられるのなら、その逆、磁気から電気も生み出せるはずだ!」と着目したそうです・・

それにしても、またしても恐るべし「小学校中退」ですね~

 

イグニッション・コイルに戻りますが、引用したイラストは古典的なもので、

前回ブログで掲載したものはペン型だったので、この辺も調べてみました。技術の変遷ですね・・

~1つのイグニッションコイルから得られた電気をディストリビューターによって各気筒に分配する方法が

かつての一般的な構成であった。

一次コイルへ電圧を与えるスイッチはコンタクトブレーカーで行う機械制御式から、

トランジスタでスイッチングを行うイグナイターを利用して接点の焼損を起こりにくくした

セミ・トランジスタ式、さらに機械的な接点機構を廃したフル・トランジスタ式へと発展した。

やがて、各気筒に1つ、あるいは2気筒を同時に1つのイグニッションコイルで点火する

ディストリビューター・レス・イグニッション(DLI)が登場した。

この方式ではディストリビュータを省略することでその内部で起こる電気接点の消耗や電力ロスを排除した。

小型化されたイグニッションコイルの普及に伴い、プラグコードも廃して電力ロスをさらに低減した

ダイレクトイグニッションを採用する車種が一般的になった。~

「イグニッションコイル」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より

 

 
 

 

 

 

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走行性能線図を読み解く?

2021-08-13 11:51:48 | 目指せ3級整備士?

車速線図、駆動力曲線、走行抵抗曲線がひとつにまとまったものが走行性能線図

走行性能曲線図とも言うみたいですね。

 

走行性能線図の読み方を少し勉強しました。

~第3速で水平路を60km で走行しているとすると、図中ACが第3速における駆動力、ABが走行抵抗を示している。

駆動力はC点より1700N、走行抵抗はB点より300Nと読み取れるので、1700N-300N=400Nが余裕駆動力となる。

余裕駆動力は、加速や登坂の力となり、この値が大きいほど加速がよく粘り強いことになる。~

 

随分昔の話ですけどシトロエンZXに乗っていた頃、たしか山科に抜ける長い上り坂だったと記憶していますが

全然走らなくて後ろのBMWにかなり煽られて焦った記憶があります。

それまでは非力なんて感じた事はなかったのですが・・その状況におけるZXの余裕駆動力が乏しかったということですね。

 

テキストに戻って・・

~余裕駆動力は高速になるにつれて減少していき、加速され方が鈍くなっていく。そしてついに余裕駆動力が

0になったとき、つまり駆動力と走行抵抗の値が等しくなったとき、クルマはそれ以上加速することができなくなる。

図では駆動力曲線と水平路0%の走行抵抗曲線が交わった点Mがそれを表し、点Mより最高速度は150km/hと読み取れることになる。~

最高速度って読んで字の如しとしか思っていませんでしたけど、自動車工学的に捉える?とこういう説明になるということでしょうか・・

 

通信教育の提出課題では一問間違えました。解説にあるように、まず10%勾配の走行抵抗より

も3速ギヤの駆動力が上回っている範囲の車速が最も速いところで、図のB点を起点に考えないと

いけなかったですね。(どうやって解いたのかすでによく覚えていませんが・・汗;)

 

”最高速度とは”でネット検索すると、そういう工学的な定義ではなく法的最高速度に関する記事がたくさん出てきます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/最高速度 ←閲覧注意 ボリュームあります

記事の内容が正しければ、速度無制限で有名なアウトバーンも段々その走行区間が短くなっているようです。

 

最後は3年ほど前の速度リミッターに関する記事ですが、法的制限速度とも関連するので、中々デリケートな内容だと感じました。

(GPSで特定の場所だけリミッターが外れるようになっている車種もあるそうです。)

記事の最後には、スピードを出すことを助長する記事では決してなく安全運転を!と締めくくられていますが、

速度無制限のアウトバーンで起きる事故は、大変大きな事故になる(当たり前といえば当たり前?)と昔なにかで読んだことがあります。

まぁ、日本ではサーキット以外ほとんど関係ないと思いますが、実際にスピードが出てなくてもスピード感と運転が楽しめればイイのではないかと思うのですが・・でも本当にスピードが好きな人はそうはいかないのかもしれませんね。

 

【新事実発覚!!!】なぜ日本では180km/hの速度リミッターが生き残っているのか?

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ターボ・チャージャー・エンジン&MAD MAX

2021-05-06 16:03:51 | 目指せ3級整備士?

久しぶりの自動車講座テキストよりいきなりの問題

(詳しい方も多いと思うので、遠慮なくスルーしてください。)

ターボ・チャージャーの作動について次の文中の( )に適正な用語を入れなさない。

エンジンの(     )から排出された排気ガスは、(      )に入り、(     )に作用して、それを回転させ、大気中に放出される。

(    )が回転すると、その同軸上にある(     )が回転し、(      )を通った吸入空気が圧縮されて、(     )から吐き出され、圧縮空気となって、(     )内に送り出される。

 

答えは下記の通りとなります。

エンジンの(シリンダー)から排出された排気ガスは、(タービン・ハウジング)に入り、(タービン・ホイール)に作用して、それを回転させ、大気中に放出される。

(タービン・ホイール)が回転すると、その同軸上にある(コンプレッサー・ホイール)が回転し、(エア・クリーナー)を通った吸入空気が圧縮されて、(コンプレッサー・ハウジング)から吐き出され、圧縮空気となって、(シリンダー)内に送り出される。

 

詳しい構造とかは知らなかった?けれど、排気ガスを利用しているというのはどこかで読んだ記憶がありました。

(たぶん機械工学の中で出ていたはずだけど、不良学生だったので”覚えていない”が正しいかも・・)

それよりもターボ・チャージャー・エンジンと聞いて、真っ先に思い浮かんだのが、『MAD MAX』という映画でした。

Wikipediaによると、もう40年以上前の映画だけど、クルマを乗り始めてスピードに対するあこがれもあったのでしょう。

とにかくターボ・チャージャーの映像が深く脳裏に刻まれていました。

 

 

この映画由来で「マックスターン」と呼ぶというのも初めて知りましたけど、当時はバイクでこんなことができるのかと、次の映像も強く印象に残っています。

 

 

下記は多分映画のイントロの部分ではないかと思うですが、しばらく見入ってしまいました。

 

 

次はクライマックスのシーンですけど、この映画を見てない人で見てみようと思う人は、見ないほうがいいです。

MAD MAX - Climax Digest / Interceptor

 

なんか機械の勉強そっちのけの内容になってしまいました。

なので最後にリンクを張っておきます。

ターボ・チャージャーの仕組み

 

ちなみに映画に出てくるターボ・チャージャーのオンオフスイッチは映画上の演出のようですね。

 

 

 

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冷却装置

2021-03-07 23:16:41 | 目指せ3級整備士?

自動車講座通信教育シリーズ?の今回は冷却装置です。

 

いきなりの問題

ラジエーター・コアとはどんなはたらきをしているか?

 

答えは・・

ラジエーター・コアは、アッパー・タンクからロアー・タンクに流れる冷却水の熱を空気中に放散するはたらきをしている。

 

図1.ラジエーター主要部

 

図2.ラジエーター・コア

 

ラジエーター・コアは、放熱面積をできるだけ大きくするために、ふつう、図2に示すような

プレート・フィン型とコルゲート・フィン型が多く用いられている。

現在もっとも多く使用されているのは、コルゲート・フィン型で。フィンを波形にして放熱量を

大きくしたもので、プレート・フィン型より冷却効果が高い。

 

いままでラジエーターのフィンのあたりを見て、どこに水が通っているのかよくわからずに

いましたがやっとわかりました。波型の部分はあくまでフィンであり、水が流れているのは

タテの水管部分ということですね。

 

次の問題

冷却水を強制的に循環させるものをなんというか?

 

答えは・・

ウォーター・ポンプ

 

図3.ウォーター・ポンプの構造

 

ウォーター・ポンプは図3.のようにポンプ・ボディ、インペラー(impeller、羽根車)、

ベアリング・シャフト、カーボン・パッキンなどで構成されている。

作動はクランク・プーリーからファン・ベルトによって、ファン、ベアリング・シャフト、

インペラーがまわされ、ポンプ・ボディとインペラーの間で吸引作用が行なわれて、

冷却水がウォーター・ジャケット部に送られる。

 

次の問題

正しいものに○印をつけなさい。

a. ウォーター・ジャケットとは、シリンダー・ブロックおよびシリンダー・ヘッドに設けられた冷却水を通すための中空の部分をいう。

b. プレッシャー型ラジエーター・キャップとは、より小型のラジエーターで高い冷却効率を得るために加圧装置がしくまれたものをいう。

c. クーリング・ファンは、カムシャフト・プーリーからファン・ベルトによって駆動される。

d. 冷却水はラジエーター・コアなどに水アカがたまりやすいので、かならず硬水を使用する。

e. 冷却水に不凍液を使用するときは、水のときよりその量を少なめにする。

 

答えは・・

正解は、a. b. e. でした。

 

あとがき

ラジエーターについては、こんな思い出があります。

もう40年も前のことですけど、たしかホンダ・アコードに乗っていたころ、冷却水漏れを

直そうとした(漏れどめを入れた?)けれど直らなくて、交換するしかないということに

なったのですが、Drにココへ行ってこいと言われたラジエーター屋?での話・・

てっきり修理するのかと思っていたら、別の中古ラジエーターをポンと積み替え、はいこれで

オシマイという感じで、待たされることもなく、費用も安く(こちらのラジエーターを提供する

ことが条件で、確か5千円ほど)済んで、なんて良いシステムなんだとちょっと感動したものでした。

今でいう”リビルト品”というのですかね・・(昔からそういう呼び方されていたかどうかはわかりませんが)

中古部品をリユースと修復を繰り返し、社会全体で循環させるこの仕組みは、とてもイイですね。

 

今回の冷却装置ですが、そもそもなぜ冷やす必要があるのかということですが、

ガソリン・エンジンは、ガソリンを内部で燃焼させるため、燃焼室内の温度が1500~2000℃にも達し、

エンジンが過熱すると、潤滑能力が低下してエンジンの寿命を縮めたり、ピストンやバルブ、

ベアリングなどを焼き付かせることになるということで、エンジンの過熱を防ぎ、エンジンの

温度を常に適正に保つために冷却装置は必要とのこと。

 

しかし、これは熱エネルギーを有効に利用するという点から考えれば、冷却によって熱を取り去ることは

たいへん不合理なことで、取り去られた熱はまったくの冷却損失となると、書かれています。

 

それならばと考えました。要は熱を再利用すればいいんでしょ!?(←わかってない?)

将来、自動運転にもなることだし、移動しながら温泉気分を味わえるクルマ・・

そんなアホなことを考えた人がほかにもいました。

とってもおバカなので、適当にカットしてくださーい (動画あり)

ちょっとわけがわからない…… お風呂に入りながら走れてBBQもできる車「ザ・スパカー」が発明される

 

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潤滑装置

2021-03-01 23:52:13 | 目指せ3級整備士?

自動車講座通信教育テキストの今回は”潤滑装置”です。

いきなりの問題

エンジン・オイルは、各機構部の摩耗を防ぐ作用の他に、どんな作用をしているか。5つあげなさい。

 

摩耗を防ぐ以外の作用があったなんて、今まで考えてもいなかったですが、答えは・・

1)冷却作用、2)密封作用、3)清掃作用、4)緩衝作用、5)防錆作用

でした。

 

1)冷却作用

摩擦熱や、燃焼ガスによって加熱され高音になるピストンやシリンダーの熱を吸収し、運び去って冷却する。

2)密封作用

ピストン・リング内に潤滑油が入り込むことによって、シリンダーの気密をより完全にし、燃焼ガスの吹き抜けを防止する。

3)清浄作用

エンジン各部の金属粉末、酸化物、炭化物などを運び去ってきれいにし、各機能を円滑に行う。

4)緩衝作用

各部品が相互に接触することによっておこる衝撃を吸収し、騒音を少なくする。

5)防錆作用

金属の表面に油膜を作ることにより、さびの原因となる空気、水、腐食性ガスなどとの接触を防ぎ、さびにくくする。

 

4)以外はいわれてみればなんとなくわかる感じですネ

 

次の問題

エンジン・オイルの性質になぜ適正な粘度が必要か?

 

答えは・・

粘度が高いと油膜が厚くなり、オイル自体の内部摩擦によって発熱や動力的な損失を生じる。

また、粘度が低いと、油膜がきれて減摩作用が行われずに、焼きつきの原因となったりするため。

 

エンジンオイルについての基本知識←わかりやすく簡潔にまとまっているサイト?

 

次の問題

潤滑装置のうち、次の役目をする機構部の名称は?

a.オイル・パン内で、オイルのゴミを除去するもの

b.圧送されるオイルの油圧をつねに一定以内に保つ装置。

c.エンジン・オイルを使用している間に生じる金属粉や燃焼生成物、水分などをろ過する装置。

 

答えは・・

a.オイル・ストレーナー

b.オイル・プレッシャー・レギュレーター

c.オイル・フィルター

 

因みに、オイル・プレッシャー・レギュレーターが必要な理由は・・

オイル・ポンプで圧送されるオイルの量は、ポンプの回転速度、すなわちエンジンの

回転速度によって大きく変動し、高速回転のときはオイルの圧力が高くなる。また、

寒冷時にはオイルの粘度が上がるため、油圧は必要以上に上昇する。そこで、油圧を常に

一定に保つ装置、オイル・プレッシャー・レギュレーター(oil pressure regulator,油圧調整器)が必要になる。

 

図1.プレッシャ・レギュレーター・バルブ

 

オイル・プレッシャー・レギュレーターは一種のリリーフ・バルブ(relief valve,逃し弁)で、

油圧が既定値を超えた場合にオイルを逃してやる装置

 

図2.オイル・フィルター エレメント交換式とカートリッジ式

 

エレメントの材料には、ふつう、ろ紙や金網、フェルトなどが用いられるが、中でもろ紙が

もっとも多く使用されている。

エレメント交換式では、除去された異物がたまった場合、エレメントだけを交換して、

ケースは継続使用することができるが、カートリッジ式の場合はケースごと交換することになる。

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電子制御式燃料噴射装置4

2021-02-22 21:31:14 | 目指せ3級整備士?

電子制御式燃料噴射装置の続きで、今回は(3)制御系統の内容です。

図1.制御系統の構成

 

制御系統は、エンジンの運転状態を検出する各種センサーと、センサーからの信号に基づいて燃料噴射量を

決定するコンピュータ(コントロール・ユニット)から構成されている。

 

図2.制御系統の配置例

 

各センサーは、吸入空気量やエンジンの負荷、排ガス中の酸素量、水温、吸気温度、排気温度、

加速、減速などの状態を電気信号に変えてコンピュータに送る。

コンピュータは、この信号をもとに各状態に応じた噴射時間を決定し、インジェクターを作動させる。

図3.各種センサーからインジェクターへの信号の流れ

 

制御系統がコントールする主な内容は

1.燃料の噴射量

2.燃料の噴射時期

3.空燃比

 

制御系統各部の構造と機能

①センサー類

a)スロットル・ポジション・センサー

スロットル・バルブの開度からアイドルおよび高負荷のエンジン状態を検出し、この信号により

コンピュータで燃料の増量と燃料カットを行う。

燃料カットとはスロットル・バルブ全閉時にエンジン回転数が規定以上になった場合(エンジン・ブレーキ時)、

燃料噴射を停止することで、省エネと触媒コンバーターの過熱を防止している。

 

b)水温センサー

エンジンの冷却水温を検出して、冷却水温に応じた燃料を増量する。センサーはサーミスターを内蔵し

温度によって抵抗値が大きく変化する性質を利用して水温を検出している。

 

c)吸気温センサー

水温センサーと同様、サーミスターによって吸入空気温を検出して、吸入空気温に応じた燃料が増減される。

 

d)スタート・インジェクター・タイムスイッチ

低温始動時(冷却水温22℃以下)に、エンジンが始動中であることを示すスターター信号を受けて、

コールド・スタート・インジェクター(キャブのチョーク系統に該当するもの)から燃料を噴射して

始動性をよくするものであるが、スターターの回し過ぎによるプラグのかぶりを防ぐため、噴射時間を制御している。

 

②コンピュータ

図4.コンピュータ制御ブロック図

 

エア・フロー・メーターからの吸入空気量信号とイグニッション・コイル一次側からの

エンジン回転数信号から燃料の基本噴射量を計算し、これに各センサーから送られてくる

信号による補正を加えて最適な噴射量を決定している。

イグニッション・コイル一次側の信号によって、噴射時期も決めている。

 

 

③O2センサー

O2センサーは大気と排気ガス中の酸素濃度を感知し、その情報をコンピュータに送る装置。

図5.O2センサー

 

図5.はセンサーの構造を表したもので、酸素濃度差があると起電力を発生するジルコニア素子の性質により

大気と排気ガスの酸素濃度差を感知し、排気ガス中の酸素濃度すなわち空燃比を検出している。

 

図6.O2センサーの出力特性

 

空燃比が理論空燃比より濃い場合いはリッチ信号が、薄い場合はリーン信号がコンピュータに送られる。

 

④空燃比制御補正特性

O2センサーから送られる信号によって、燃料の噴射量の増減を繰り返し行い、空燃比を

三元触媒の浄化性能の高い理論空燃比付近の狭い範囲だけに限定している。

 

図6.空燃比制御

 

図7.空燃比制御サイクル

 

O2センサーは、空燃比が理論空燃比よりも濃い場合には高い起電力を、薄い場合には低い起電力を

発生しその信号をコンピュータに送っている。

コンピュータは、この信号をある一定の比較電圧と比較し、それよりも高い場合は空燃比が理論空燃比より

高いと判定し燃料を減少させる。逆に薄いと判定した場合には、燃料を増加させ、三元触媒の浄化性能の

高い理論空燃比付近にコントロールしている。

 

参考サイト:インジェクターの仕組みと構造

参考サイト:理論空燃比制御

 

 

 

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電子制御式燃料噴射装置3

2021-02-15 10:52:52 | 目指せ3級整備士?

”電子制御式燃料噴射装置の構造と機能”の吸気系統の続きで、今回は(2)燃料系統の勉強です。

 

図1.燃料の流れ 国際文化カレッジ 自動車講座テキストより転載許可 以下同

 

フロチャートは少し実感がわかないので燃料噴射装置全体図より、燃料系統を黄色枠で囲んだのが下図です。

図2.燃料系統(黄色の囲み)

 

燃料は、フューエル・タンクからフューエル・ポンプでくみ上げられ、

フューエル・フィルターを通って、プレッシャー・レギュレーターでインレット・マニホールド内の

圧力より約250kPa高い圧力に保たれて、インジェクターに送られる。

インジェクターでは、コンピュータから送られてくる信号によって燃料を計量し、

インレット・マニホード内に噴射する。寒冷時はコールド・スタート・インジェクターから

サージ・タンク内に噴射し、始動性を良くしている。

 

各部の構造と作動説明

1)フューエル・ポンプ

図3.フューエル・ポンプ

 

ポンプ本体は下図のような仕組みでローターが回転すると、ローラーが遠心力によって

ポンプ・スペーサーの内壁に沿って回転するので、2個のローラー間で作られる部屋の容積が

徐々に増えて燃料を吸い込む。吐出部ではその逆が起こる。

 

図4.ポンプの作動

 

残圧用チェック・バルブはエンジン停止後(ローターの停止後)に、スプリングの力により

チェック・バルブをシート面に押し付け、残圧を維持し再始動を容易にする。

リリーフ・バルブは簡単に言うと、燃料圧力を規定の圧力に調整する弁。

サイレンサーは、フューエル・ポンプで発生する燃料圧力の脈動と騒音を防ぐもの。

 

2)プレッシャー・レギュレーター

図5.プレッシャー・レギュレーター

 

プレッシャー・レギュレーターは、インジェクターにかかる燃料の圧力(燃圧)を一定に保つ圧力調整装置。

圧力が変わると、燃料の噴射量がインジェクターの開いている時間で決まるLジェトロニック方式では、

噴射量が変わってしまう。

なので、圧力が規定以上になるとダイヤフラムが押し上げられてバルブが開き、

余分な燃料がリターンパイプを通ってフューエル・タンクに戻るようになっている。

 

3)インジェクター

図6.インジェクター

 

各シリンダーに1個ずつ設けられているインジェクターは、ニードル・バルブ、プランジャー、

ソレノイド・コイル、スプリングで構成されている。

ソレノイド・コイルに電流が流れて、コンピュータからの噴射信号が送られると、

プランジャー(上下運動する部品の総称のようです。)がコイルに吸引され、ニードル・バルブは

プランジャーと一体になっているため、内側に引かれて全開し、燃料が図6.の矢印のように噴射される。

燃料の噴射量は、バルブが開いている時間、つまりソレノイド・コイルへの通電時間により決定される。

 

長くなりそうなので次回にします。

 

あとがき

インジェクターの燃料噴射は、バルブの開き具合でもっと微妙に噴射量がコントロール

されているのかと思っていたけど、開いているのか閉じているのかだけの二択で、

開いている時間によって噴射量が決まるようですネ・・

 

クルマネタとは全く関係ないのですが、YouTube Music をはじめて知ってミュージック

ビデオを聴きながら(見ながら?)ブログ書いていました。

音⁠楽⁠ス⁠ト⁠リ⁠ー⁠ミ⁠ン⁠グ⁠サ⁠ー⁠ビ⁠ス⁠ YouTube Music ←なかなかイイです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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電子制御式燃料噴射装置2

2021-02-01 22:23:57 | 目指せ3級整備士?

”電子制御式燃料噴射装置の構造と機能”の中の(1)吸気系統の続きで、

今回はスロットル・ボディのお勉強です。

 

2)スロットル・ボディ

図1.スロットル・ボディ

 

ボディという単語が一般過ぎて、わかりにくいけれど、スロットル・ボディとは

吸入する空気量をコントロールするための装置で、スロットル・チャンバーとも言うそうです。

 

図2.スロットル・バルブ

 

スロットル・ボディは図1,2のように、スロットル・バルブ、バイパス系統、スロットル・

ポジション・センサー(スロットル・バルブ・スイッチ)などから構成されている。

 

スロットル・バルブは、吸入空気量を制御し、バイパス系統は図2に示すように、

アイドリング時に必要な少量の空気を通すもので、スロットル・アジャスト・スクリューに

よってアイドリング時の回転速度を調整している。

このスロットル・アジャスト・スクリューは、バイパス通路の面積を増減するはたらきをするので、

スロットル・バルブ全閉時の吸入空気量を増減することができ、そのため、アイドリング時の

エンジン回転速度が調整できる。

 

図3.スロットル・ポジション・センサー

 

スロットル・ポジション・センサーは、スロットル・バルブの開度を検出する装置。

図3.のようにスロットル・バルブと一緒に作動するカムによって可動接点を動かし、

スロットル・バルブの全閉時には、アイドル接点側に閉じてアイドリング状態を示す

信号をコンピュータに送り、全開時に近いときに(50°以上)には、全負荷接点側に閉じて、

高負荷状態を示す信号をコンピュータに送る。

 

3)エア・バルブ

エア・バルブはエア・レギュレータともいい、暖機運転に必要な量の空気を、

スロットル・バルブをバイパスして燃焼室へ供給し、エンジン回転数を高くしてエンジンの暖気を早める。

図4.エア・バルブの作動

 

このエア・バルブはヒート・コイルとバイメタル、ゲート・バルブで構成されている。

 

図4.において、低温時はバイメタルが温まっていないので湾曲しないため、ゲート・バルブが開いている。

エンジンが始動すると、エア・クリーナーから吸入された空気は、スロットル・バルブをバイパスして

エア・バルブを通り、バルブの開度に応じた量の空気がサージ・タンクに流れ込む。

そのため、スロットル・バルブが全閉状態でも吸入空気量が増加し、アイドル回転数よりもやや高め回転数となる。

エンジンが始動すると、同時にヒート・コイルには電流が流れ、バイメタルを温めるので、

バイメタルは徐々に湾曲し、図(b)のようにゲート・バルブが徐々に閉じていく。

そしてゲート・バルブの開度が減少していくと、アイドル回転数も徐々に低下し、

規定の回転数に戻り、暖気後は空気が流れなくなる。

 

あとがき

前回勉強したエア・フロー・メーターの役割は何だったっけと半分忘れているし、

今回のスロットル・ボディは”吸入空気量をコントロールする”と書いてあって

スロットル・ポジション・センサーによって、アクセルの踏み具合を検知して

燃料噴射量が決まるのだろうか?などとまさしく、頭貝割れ大根状態に陥っていました。

 

どうやら、前回記事の見直しと下記の2つの記事により頭が少し整理されたのですが、

スロットル・ポジション・センサーは、単におおまかなスロットル・バルブの開度を

検出しているだけで、インジェクターによる燃料噴射の制御はエア・フロー・メーターによる

吸入空気量の計測をもとにコンピュータで制御されている・・

と理解しました。

図5.電子制御式燃料噴射装置(前回記事の再掲)

 

スロットルポジション・センサー(TPS)

アクセル開度を検知する『APS(アクセルポジションセンサー)』

 

 

 

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電子制御式燃料噴射装置

2021-01-18 23:04:35 | 目指せ3級整備士?

キャブレターにとって代わる新しい燃料供給装置として、一般車にも広く採用されるように

なったのが、電子式燃料噴射装置。

図1.電子制御式燃料噴射装置

 

ブログも燃料措置1,2,3と続けましたが、あれだけ複雑なことをメカだけでよくできるなと

感じていました。(機械工学で一番、難しいのは流体力学だと昔聞いたことを思い出しました。

全然勉強しなかったけれど・・)

なので、電子式にとって代わられるのもなんとなく必然の流れなのかなと思っていました。

 

実際、この装置の特長は次の3つとのこと

・各シリンダーへの燃料の分配がキャブレターよりも正確

・キャブレターには必ずつきまとう吸気抵抗という問題を解決できた。

・走行状態に応じたきめ細かい燃料供給をコンピュータによってできる。

 

また機構的な違いは・・

電子制御式燃料噴射装置とキャブレターの大きな違いは、キャブレターがエンジンの吸入負圧を

利用して利用して間接的に燃料を吸入するのに対して、電子式燃料噴射装置は燃料をポンプで

加圧してインジェクターという燃料噴射器によって、積極的に効率よくエンジンに送り込む

ことと解説してあります。

 

系統は・・

図2.電子制御式燃料噴射装置

 

空気を燃焼室に供給する吸気系統、燃料を供給する燃料系統、車の運転状況を把握し、

最適な燃料供給量を決定・指示する制御系統の3つ系統で構成されている。

 

各系統別にみていきます。

(1)吸気系統

エアクリーナーから吸入した空気量を測定するエア・フロー・メーター、吸入空気量を制御する

スロットル・ボディ、各シリンダーへの吸入空気量を均一にするためのサージ・タンク、低音で

始動するときのファースト・アイドル機構の作用をするエア・バルブ、急減速時の失火を防止する

バキューム・リミッターなどで構成されている。

 

各部の詳細について見ていきます。

1)エア・フロー・メーター

図3.エア・フロー・メーター

 

エア・フロー・メーターは、エンジンの吸入空気量を電圧値として検出し、この信号を

コンピュータに送って燃料噴射量を決める役目をしている。

エア・フロー・メーターは図3.のような構成になっており、メジャーリング・プレート(フラップ)が

リターン・スプリングの力を受けて吸気管を塞ぐように配置されている。(図4.も参照)

図4.エア・フロー・メーター断面図

 

吸入空気がエア・フロー・メーターを通るとリターン・スプリングの力と釣り合う角度まで

メジャーリーグ・プレートが開かれる。つまりその角度(開度)は、吸入空気量に比例し、

同軸に取り付けられたポテンショ・メーターによって電圧値に置き換えられるというわけです。

 

長くなりそうなので、次回”スロットル・ボディ”から続けようと思いますが、電子制御式燃料噴射量の

全体像をつかめるCG動画を張っておきます。

英語版オンリーですが、なんとなくイメージでわかるかと・・

 

EN | Bosch Portfuel Injection

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燃料装置3

2020-12-31 10:38:21 | 目指せ3級整備士?

燃料装置2の続きです。

図1.全出力系統 国際文化カレッジ 自動車講座 転載許可 以下同

 

全出力・全負荷で運転するときは、最も激しく燃料を燃焼させるために、理論混合比よりもやや濃い混合気が要求される。

混合比とは、空気とガソリンの混合割合(mixture ratioミクスチャー・レシオ)のことで、通常重量比で表す。

ガソリン1kgを完全燃焼させるのに必要な空気の量は、理論上15kgとされており、

このとき混合比は1:15となり、これを理論混合比という。

 

運転状態によって、要求される混合比は異なる。

例えば

最大出力を得るための混合比は、約1:12~13くらい(理論混合比よりやや濃い)

燃料消費の少ない経済的な運転のための混合比は、約1:16~17( 〃 やや薄い)

冷えたエンジンの始動時には始動性をよくするために、約1:8くらい( 〃 かなり濃い)

 

ガソリンの燃焼範囲は、混合比でだいたい1:8~20の間

 

混合気は濃すぎても、薄すぎてもエンジンに悪影響を及ぼす。

 

1.混合気が濃すぎる場合

1)空気が不足して不完全燃焼し、有害な一酸化炭素を多量に発生し、またガソリンの消費が増える。

2)燃焼室内に、不完全燃焼によるカーボンが堆積する。

3)燃焼が緩慢になるので、シリンダー内はいつまでも高温の状態が続き、エンジンのオーバー・ヒートを招く。

4)生ガスがエンジン・オイルを薄め、潤滑能力を低下させる。

 

2.混合気が薄すぎる場合

1)ガソリンが不足してエンジンの始動が困難になり、また出力が出なくなる。

2)濃すぎる場合と同様に燃焼が緩慢になるので、エンジンのオーバー・ヒートを招き逆火(※)の原因となる。

逆火(back fireバック・ファイア)とは、インレット・バルブが開いたとき、まだ燃焼室でガスが燃えていて

キャブレターの方に火を吹き返す現象

3)低速回転が困難となり、また、高速回転時に失火(※)の原因となる。

失火(mis-fireミス・ファイア)とは、点火不良によって混合気が燃焼しないこと

逆火も失火もエンジンの円滑な回転を妨げる。そのほかに、後火(after fire、アフター・ファイア)といい

失火によってシリンダー内をそのまま通り過ぎた混合気が、他のシリンダーなどからの熱によってエキゾースト・パイプや

マフラーの中で爆発することがある。

 

<混合比の説明が長くなりましたが、全出力系統の説明に戻ります。>

やや濃い混合気が求められるものの、図1.でメーン・ジェットの口径は、一般に

経済混合気を保つような大きさになっているので、対応できない。

そこで、メーン・ジェットとは別にパワー・ジェットが設けられ、これにパワー・バルブ(power valve)

という装置が取り付けられている。これにより、全出力時に多量のガソリンを供給できる。

パワー・バルブの開閉はスロットル・バルブと連動して行う機械式とインレット・マニホールド内の

負圧を利用して行う負圧式の2種類がある。

 

 

加速系統

図2.加速系統

 

エンジンを加速しようとしてスロットル・バルブを急速的に開くと、一時的に混合気が薄くなってしまう。

加速するときは濃い混合気が求められるのに、混合気が薄いとエンジンが息切れを起こしてしまう。

混合気が薄くなってしまう原因は、急激にスロットル・バルブが開かれるため、

ベンチュリーを通過する空気の流速がすぐには上がらず、ガソリンを吸い出すだけの十分な負圧が

できないためであり、また、ガソリンの比重が空気より大きいので、空気の流速が

増加してもガソリンの流速がすみやかに上がらず、メーン・ノズルから吸い出されるまでに

時間的な遅れが生じるからである。

加速系統は、このようなときに、瞬間的に多量のガソリンを供給して、エンジンが息切れしないように

する装置で、図2.のような構成となっている。

リンク機構はスロットル・バルブと連結され、アクセル・ペダルを急に踏み込むと

スロットル・バルブが急速に開かれ、これと連動して加速ポンプ・ピストンが

押し下げられる。そして、ポンプ内のガソリンがアウトレット・バルブを押し下げて

加速ノズルから噴射される。こうして加速に必要な量のガソリンが一時的に

供給される。

 

始動系統

図3.始動系統

 

ガソリンは温度が低いと気化しにくい性質があり、そのため寒冷時に始動するときは、

濃い混合気をつくる必要がある。始動系統はこのようなときに作動する装置で、

チョーク系統(choke system)とも呼ばれている。

始動系統の作動は運転席のチョーク・ボタンを引いて、チョーク・バルブを閉じ、

この状態でスターターを回転させると、チョーク・バルブの下側に大きな負圧が

発生するので高速系統から多量のガソリンが吸い出され、濃い混合気がシリンダー

に供給される。(図3.参照)

 

あとがき

キャブレターは構造や仕組みは複雑ですね。これでもテキストからはかなり省略しているのですが・・

このあともツイン・チョーク・キャブレターなどの内容もあったのですが、さらにフ・ク・ザ・ツ

ワタクシの頭の中はまさにDrのいう頭カイワレ大根状態です・・

 

ちなみにカイワレは特別好きということはないですが、大根はおろしにしてよく使いますネ。

大根おろし入りお吸い物 

麺つゆを使うだけ・・大根おろしは少し多めが美味しいかと 具材はお好みで

ワタクシは油揚げがかかせませんが・・

味噌汁にも大根おろしをよく入れます。これに半熟の落とし卵をいれるとさらに幸せな気分になること間違いなし・・

 

とにかく大根おろしがポイントなんです・・

(是非、一度やってみてください)

おー、(そこが)ミソなんやな・・と突っ込んでください。

おー、(そこが)ミソか

 

そうなのです。今日は大晦日(

(なぜかキャブレターからお吸い物の話題になりましたが・・)

ということで、当ブログも今年はこれが最後となりました。

Drから引き継いだブログでしたが、内容乏しくも引き続き読んでいただいている方には

本当にありがとうございます。

日々精進してまいりますので、来年も引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。(ペコリ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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