燃料装置2の続きです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/d5/69a63505fcdfa5db36b490ff65ec2eeb.jpg)
図1.全出力系統 国際文化カレッジ 自動車講座 転載許可 以下同
全出力・全負荷で運転するときは、最も激しく燃料を燃焼させるために、理論混合比よりもやや濃い混合気が要求される。
混合比とは、空気とガソリンの混合割合(mixture ratioミクスチャー・レシオ)のことで、通常重量比で表す。
ガソリン1kgを完全燃焼させるのに必要な空気の量は、理論上15kgとされており、
このとき混合比は1:15となり、これを理論混合比という。
運転状態によって、要求される混合比は異なる。
例えば
最大出力を得るための混合比は、約1:12~13くらい(理論混合比よりやや濃い)
燃料消費の少ない経済的な運転のための混合比は、約1:16~17( 〃 やや薄い)
冷えたエンジンの始動時には始動性をよくするために、約1:8くらい( 〃 かなり濃い)
ガソリンの燃焼範囲は、混合比でだいたい1:8~20の間
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/d4/cced6df9173134665401b151a7d3295d.jpg)
混合気は濃すぎても、薄すぎてもエンジンに悪影響を及ぼす。
1.混合気が濃すぎる場合
1)空気が不足して不完全燃焼し、有害な一酸化炭素を多量に発生し、またガソリンの消費が増える。
2)燃焼室内に、不完全燃焼によるカーボンが堆積する。
3)燃焼が緩慢になるので、シリンダー内はいつまでも高温の状態が続き、エンジンのオーバー・ヒートを招く。
4)生ガスがエンジン・オイルを薄め、潤滑能力を低下させる。
2.混合気が薄すぎる場合
1)ガソリンが不足してエンジンの始動が困難になり、また出力が出なくなる。
2)濃すぎる場合と同様に燃焼が緩慢になるので、エンジンのオーバー・ヒートを招き逆火(※)の原因となる。
※逆火(back fireバック・ファイア)とは、インレット・バルブが開いたとき、まだ燃焼室でガスが燃えていて
キャブレターの方に火を吹き返す現象
3)低速回転が困難となり、また、高速回転時に失火(※)の原因となる。
※失火(mis-fireミス・ファイア)とは、点火不良によって混合気が燃焼しないこと
逆火も失火もエンジンの円滑な回転を妨げる。そのほかに、後火(after fire、アフター・ファイア)といい
失火によってシリンダー内をそのまま通り過ぎた混合気が、他のシリンダーなどからの熱によってエキゾースト・パイプや
マフラーの中で爆発することがある。
<混合比の説明が長くなりましたが、全出力系統の説明に戻ります。>
やや濃い混合気が求められるものの、図1.でメーン・ジェットの口径は、一般に
経済混合気を保つような大きさになっているので、対応できない。
そこで、メーン・ジェットとは別にパワー・ジェットが設けられ、これにパワー・バルブ(power valve)
という装置が取り付けられている。これにより、全出力時に多量のガソリンを供給できる。
パワー・バルブの開閉はスロットル・バルブと連動して行う機械式とインレット・マニホールド内の
負圧を利用して行う負圧式の2種類がある。
加速系統
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/41/3ace87ac53e79c6231b61264f157c1ea.jpg)
図2.加速系統
エンジンを加速しようとしてスロットル・バルブを急速的に開くと、一時的に混合気が薄くなってしまう。
加速するときは濃い混合気が求められるのに、混合気が薄いとエンジンが息切れを起こしてしまう。
混合気が薄くなってしまう原因は、急激にスロットル・バルブが開かれるため、
ベンチュリーを通過する空気の流速がすぐには上がらず、ガソリンを吸い出すだけの十分な負圧が
できないためであり、また、ガソリンの比重が空気より大きいので、空気の流速が
増加してもガソリンの流速がすみやかに上がらず、メーン・ノズルから吸い出されるまでに
時間的な遅れが生じるからである。
加速系統は、このようなときに、瞬間的に多量のガソリンを供給して、エンジンが息切れしないように
する装置で、図2.のような構成となっている。
リンク機構はスロットル・バルブと連結され、アクセル・ペダルを急に踏み込むと
スロットル・バルブが急速に開かれ、これと連動して加速ポンプ・ピストンが
押し下げられる。そして、ポンプ内のガソリンがアウトレット・バルブを押し下げて
加速ノズルから噴射される。こうして加速に必要な量のガソリンが一時的に
供給される。
始動系統
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2a/fa6de97f0c3390def65a5282f2df7e08.jpg)
図3.始動系統
ガソリンは温度が低いと気化しにくい性質があり、そのため寒冷時に始動するときは、
濃い混合気をつくる必要がある。始動系統はこのようなときに作動する装置で、
チョーク系統(choke system)とも呼ばれている。
始動系統の作動は運転席のチョーク・ボタンを引いて、チョーク・バルブを閉じ、
この状態でスターターを回転させると、チョーク・バルブの下側に大きな負圧が
発生するので高速系統から多量のガソリンが吸い出され、濃い混合気がシリンダー
に供給される。(図3.参照)
あとがき
キャブレターは構造や仕組みは複雑ですね。これでもテキストからはかなり省略しているのですが・・
このあともツイン・チョーク・キャブレターなどの内容もあったのですが、さらにフ・ク・ザ・ツ
ワタクシの頭の中はまさにDrのいう頭カイワレ大根状態です・・
ちなみにカイワレは特別好きということはないですが、大根はおろしにしてよく使いますネ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/63/209e00896e2705f0633f35ba178c8059.jpg)
大根おろし入りお吸い物
麺つゆを使うだけ・・大根おろしは少し多めが美味しいかと 具材はお好みで
ワタクシは油揚げがかかせませんが・・
味噌汁にも大根おろしをよく入れます。これに半熟の落とし卵をいれるとさらに幸せな気分になること間違いなし・・
とにかく大根おろしがポイントなんです・・
(是非、一度やってみてください)
おー、(そこが)ミソなんやな・・と突っ込んでください。
おー、(そこが)ミソか
そうなのです。今日は大晦日(
)
(なぜかキャブレターからお吸い物の話題になりましたが・・)
ということで、当ブログも今年はこれが最後となりました。
Drから引き継いだブログでしたが、内容乏しくも引き続き読んでいただいている方には
本当にありがとうございます。
日々精進してまいりますので、来年も引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。(ペコリ)