「最後はなぜかうまくいくイタリア人」 日経ビジネス人文庫 著者 宮崎勲
(今回、クルマネタはございませんのでご興味ない方は遠慮なくスルーしてくださいネ)
前回までは、どちらかというディスり気味にイタリア人を紹介してきましたが・・
~「食べる、歌う、愛する」に象徴されるようにイタリア人は怠け者で働かず、女性を追い掛けて、
歌を歌って気楽に暮らしているように思われがちである。~(引用抜粋 以下同じ)
実はそんな思いだけではなく・・
~一方でイタリアはEUの中核を担う経済大国であり、ファッション、デザイン、車、農業、食品などの
分野で世界をリードする製品を生み出している単なる怠け者大国ではないのだ。~
ということも見なきゃダメですねー
でもやっぱり日本人の価値観や社会の常識からすると、アレレと思う部分がたくさん・・
~イタリアでは、公私の区別が曖昧だというより公私混同が激しい。
しかも激しければ激しいほど、社会に活気が出て、皆が生き生きとしているような気がする。~
~レストランでもサービス係が私的なおしゃべりに熱中して、客が呼んでも気づかない
ということも珍しくない。「私語を慎む」という概念はおおよそ存在しない。
思い立ったが吉日ではないが、「思い立ったときがおしゃべりタイム」なのである。
笑ってしまうのは、そのおしゃべりに客も頻繁に参加することだ。~
~イタリア人は時間にルーズだが、他人がルーズであることにも寛容なのだ。自分の都合の
いいように考える癖があるが、他人がそうすることにも理解がある。~
~子供ころから常に予想不可能状況の中で生きてきたイタリア人は、その場で臨機応変に対応する
能力には抜群に優れている。イタリアでは前もって準備してもあまり意味がないし、それよりも、
白紙状態でいて、その場その場で対応するほうが賢明なのだ。~
この辺からイタリア人のストロングポイントが・・
~かなり多くの難題を解決しなければならない会議なのに、1時間しか時間が取られていない(中略)
「絶対に無理だ」と抗議すると、「時間が足りなければ、ランチを遅らせればいい」とくる。(中略)
イタリア人のすごいところは、無謀な計画を立てるが、それがダメだったときの対応能力と、
驚異の粘り腰を持っているところである。時間が遅れようと、予約していたレストランに迷惑をかけようと、
あきらめないで難題をすべて解決しようとするのである。(中略)イタリア人は諦めない。
誰に迷惑がかかろうとお構いなしで、最後まで粘るのである。諦めが早い自分の淡白さを反省させられ、
イタリア人を尊敬してしまう瞬間である。~
好き嫌い、美しいか醜いかで物事を判断する
~子供の頃から「好きか、嫌いか」で人生を生きてきたイタリア人は、直感をかなり磨いている。
「好き嫌いを言うことはワガママなのでいけないことです。」と言われて育った日本人は、
この直感を磨くチャンスを多く失ってきた。~
人生における「寄り道」を大切にする
イタリアのワインガイドの仕事をしている著者とビジネスパートナー(以下A)がトスカーナのワインの
試飲会に向かうお話(長いので要約しました。)
11時の出発予定だったが、夫婦喧嘩したとかで1時間遅れてきたA 20時の試飲会には問題なく間に合うと主張
それならなぜ最初から12時出発にしなかったのかと突っ込みたかったが、ぐっとこらえて笑顔の著者
道路は夏の海水浴の渋滞で思った以上に時間がかかる・・
13時半になると、「どこかこの近くで美味しいレストランを探そう」と言い出すA
(時間がないので)もっと簡単に済まそうと主張する著者だが、レストランで「簡単にして」と
頼めばいいと聞き入れてもらえず・・
結局は、前菜、プリモ、メインとしっかり3皿食べて、店を出たのは15時半すぎ。さあ今度こそ
目的地に向かおうと思っていると、今度は「今飲んだワインの生産者のところに行ってみよう」と言い出すA。
「間に合わなくなる」と著者がまた主張するも、「さっと切り上げるから」というA
結局、ワイナリーを出たのはもう17時近く
もう確実に夕食には間に合わないと心のなかで嘆く著者
ところがここからイタリア人の火事場の馬鹿力を発揮。普段慎重な運転をするAが、
さながらF1ドライバー化し、猛スピードで目的地に向かい、結局40分遅れで到達するのである。
他のメンバーも遅れたので結局、遅刻したことにはならず・・
著者は回想します。
最後は焦ったし、怖い目もしたが、考えてみればおかげで新しいレストランを知ったし、美味しいランチも楽しんだ。
興味深いワイナリーも発見できた。(職業的にも有益)相次いだ寄り道、脱線だったけど有意義な1日だったと・・
なんか人生を考えさせられますね~
目の前の誘惑に弱いということなのかもしれませんが、どちらを選択すべきかは、
これはもう価値観であり、人生観ではないでしょうか・・
どちらが豊かな人生を送れそうかというと、やっぱりイタリア人!?
寄り道の人生
~私たち(日本人)は、目的遂行能力は高いが、その過程を楽しむことができない、
というよりも、それを楽しむことに罪の意識を持つようになってしまったような気がする。
本来の目的を忘れて寄り道に熱中する。しばしばそこから非常に面白い経験や発想が生まれる。
イタリア人は、事務遂行能力は低いが、発想とアイデアは抜群だと讃えられる。
そのような卓越した思い付きは、彼らの得意技である寄り道や脱線から生まれているのかもしれない。~
イタリアンシンキング 寄り道こそが人生!?
この本に刺激もらいました。
~どんな状況でもそれなりに人生を楽しむ。ある意味イタリア人はその天才である。~
残された人生はそう長くはない!?
これからは、ちょっとイタリア人のマインドを取り入れて生きていこうっと!
最後までお読みいただきありがとうございました!