ドナーから外したE/G・M/T
日本仕様には存在しないアルファ156SWのM/Tコンバートはこれで5台目です。
今回のケースは今までのケースと少々異なります。
製作の手順は基本的に同じですが、ショップのコンプリートカー販売ではなく、お客様
自身の156の製作依頼です。
クライエント様提供の156SW2.5Q-sys
遠路陸送で送られて来た個体のコンディションは上々です。
シーガルブルーはどちらか言うと不人気色だったと思いますが、今は逆に新鮮で好ましい
です。
不思議なもので、かっての人気色の赤や黒などは見飽きた感が強いですからネ。
綺麗なインテリア
こちらも好ましいベージュレザーのコンビです。
話が少々逸れましたが、今回はMT化へのレシピを簡単にレクチャーしましょう。
講師はもちろんDr.Horiiことワテダス
。
■用意する材料
156のドナー(MT車)と同じく製作する156(AT)の都合2台です。
クラッチ系の部品はドナー中古流用も可能ですが、出来る限り新品を使いましょう。
■手順1
ドナーからの流用部品を外します。
メインはミッションASSYとクラッチ油圧系の配管にシフトレバー周辺部に、クラッチペダル周辺部品です。
エンジンごと外す理由はクラッチ配管の取り外し作業の為です。
丸ごと外すの図 シフトレバーセクション
更に用意するべき部品があります。
シフトパネル 画像はAT用
こちらがMT用のパネル
回転計 画像はA/T用
回転計はこのままでも使用可能ですが、A/T警告灯が点灯してしまいます。
ドナーの回転計を移しても良いのですが・・
色違いは不細工ダスw (年式が違う)
■手順2
製作側のエンジンASSYを外します。
スッポンポンの図
メンバーごと外す
■手順3
A/T車に無いクラッチマスターの穴を開けます。
所定の箇所に穴あけ
次にクラッチ油圧配管を仕込みます。
ペダル交換はこれから
■手順4
クラッチとミッションを組み立てます。
レリーズASSYは新品交換
タイベル同時交換?
必須ではありませんが、同時作業がラクチンかつお徳なのは言うまでもありましぇん。
その他エンジンを下ろしたついでに出きる作業はやって損はありません。
■手順5
組みあがったE/GミッションASSYを搭載して、クラッチ油圧セクション、ペダル部、シフ
トレバー部も完成させます。
これでメカ部分は完成です。
■手順6
セルモーターの配線を変更します。
AT車では安全回路が付いているため、このままではセルモーターが回りません。
従って、少々配線を改造する必要があります。
以上の作業でMT化は完成して、高回転型エンジンの特性を生かしたトルコンスリップの
無い
別世界の走りの156SWが味わえます。
■補足
MT化は全てドナーを利用したいわゆる2個1方式を採用して来ましたが、必要な部品
だけを用意すれば、単体のみでの製作が可能です。
何れも一長一短があり、ドナー利用は場所を取るのと作業が往復となり無駄と言えば
無駄です。
長所は解体予定のパーツですから、低コスト化とドナーMT車が改造の教科書になります。
むしろ初めてのMT化はこちらがお奨めです。
以上の作業は特段難しくはないですがかなり面倒です
。
ショップ作成のコンプリートカーが如何にリーズナブルな価格で販売してるかが
アナタにもわかるでしょ~う! (←春日井弁で?)