悩ませたGTV6 GPのプロペラ震動
オーナー様が訴えられたのは、3,000~4,000rpm域でのプロペラシャフトの震動でありました。
ちょうど100km/hでの震動となり、高速道路を快適に走れません。
この個体は、プロペラ関連のカップリングジョイントやエンジンマウント等も一新してありましたから、
それが弊害になっているのは考えられます。
過去の経験でも、ここいらのパーツを一新すると、プロペラのアライメントの変化で逆に震動が出てしまうのです。
■ プロペラシャフトのダイナミックバランス調整
大枚支払い某レース屋さん経由でリバランスして貰いました。
一定域の震動は半減したものの完治しません。
■ カップリングジョイントの組み付け点検
何度も分解して検証しました。
前後のプロペラの組み付け位置が間違っていました。
一定域の震動は取れましたが、全体にやや不快なフロアに響くような震動が気になりました。
■ プロペラシャフトのアライメントを検証
この固体のウリである4本出しのテールマフラーに起因するアライメント不良が問題となりました。
手作りの4本出しエクゾースト
シビアな取り付け
テールマフラーの位置は調整不可で、無理に触るとRrキャリパー等に干渉してしまいます。
後方から押されているマフラーのFtセクション
Rrマフラーから押されていてFt&Ctマフラーパイプは突っ張っているのが発覚しました。
Ctマフラーも、吊りゴムの役目がなく、浮いている状態でした。
この為にプロペラのスラストラインを狂わせているのは間違いありませんし、微震動もこれが原因と思われました。
修復は、マフラーパイプを縮めるか、純正マフラーに交換するくらいしかありません。
純正Ftマフラー フレキシブルメッシュパイプ仕様
一考ではありますが、触媒の問題とウリの4本出しマフラーを捨てなければなりません。
フレキシブルパイプ仕様にモディファイ
Ftパイプの長さを調整して、フレキシブルパイプ(ステンレスメッシュ)を溶接にて取り付けました。
結果は上々で、フレキシブルの為にアライメントは維持されることになります。
これで不快な微震動も一定回転域での震動もなくなりました。
かなり手こずりましたが、達成感があり苦労は報われました。
長期間預かりましたが、一度たりとも催促されなかったオーナー様にも感謝する次第です。
買い込んだ部品取りGTV6
震動が全くない個体ということで、研究用に買い込んだのが目的でした。
少々無駄ではありますが、立派に役目を果たしてくれました
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