”電子制御式燃料噴射装置の構造と機能”の中の(1)吸気系統の続きで、
今回はスロットル・ボディのお勉強です。
2)スロットル・ボディ

図1.スロットル・ボディ
ボディという単語が一般過ぎて、わかりにくいけれど、スロットル・ボディとは
吸入する空気量をコントロールするための装置で、スロットル・チャンバーとも言うそうです。

図2.スロットル・バルブ
スロットル・ボディは図1,2のように、スロットル・バルブ、バイパス系統、スロットル・
ポジション・センサー(スロットル・バルブ・スイッチ)などから構成されている。
スロットル・バルブは、吸入空気量を制御し、バイパス系統は図2に示すように、
アイドリング時に必要な少量の空気を通すもので、スロットル・アジャスト・スクリューに
よってアイドリング時の回転速度を調整している。
このスロットル・アジャスト・スクリューは、バイパス通路の面積を増減するはたらきをするので、
スロットル・バルブ全閉時の吸入空気量を増減することができ、そのため、アイドリング時の
エンジン回転速度が調整できる。

図3.スロットル・ポジション・センサー
スロットル・ポジション・センサーは、スロットル・バルブの開度を検出する装置。
図3.のようにスロットル・バルブと一緒に作動するカムによって可動接点を動かし、
スロットル・バルブの全閉時には、アイドル接点側に閉じてアイドリング状態を示す
信号をコンピュータに送り、全開時に近いときに(50°以上)には、全負荷接点側に閉じて、
高負荷状態を示す信号をコンピュータに送る。
3)エア・バルブ
エア・バルブはエア・レギュレータともいい、暖機運転に必要な量の空気を、
スロットル・バルブをバイパスして燃焼室へ供給し、エンジン回転数を高くしてエンジンの暖気を早める。

図4.エア・バルブの作動
このエア・バルブはヒート・コイルとバイメタル、ゲート・バルブで構成されている。
図4.において、低温時はバイメタルが温まっていないので湾曲しないため、ゲート・バルブが開いている。
エンジンが始動すると、エア・クリーナーから吸入された空気は、スロットル・バルブをバイパスして
エア・バルブを通り、バルブの開度に応じた量の空気がサージ・タンクに流れ込む。
そのため、スロットル・バルブが全閉状態でも吸入空気量が増加し、アイドル回転数よりもやや高め回転数となる。
エンジンが始動すると、同時にヒート・コイルには電流が流れ、バイメタルを温めるので、
バイメタルは徐々に湾曲し、図(b)のようにゲート・バルブが徐々に閉じていく。
そしてゲート・バルブの開度が減少していくと、アイドル回転数も徐々に低下し、
規定の回転数に戻り、暖気後は空気が流れなくなる。
あとがき
前回勉強したエア・フロー・メーターの役割は何だったっけと半分忘れているし、
今回のスロットル・ボディは”吸入空気量をコントロールする”と書いてあって
スロットル・ポジション・センサーによって、アクセルの踏み具合を検知して
燃料噴射量が決まるのだろうか?などとまさしく、頭貝割れ大根状態に陥っていました。
どうやら、前回記事の見直しと下記の2つの記事により頭が少し整理されたのですが、
スロットル・ポジション・センサーは、単におおまかなスロットル・バルブの開度を
検出しているだけで、インジェクターによる燃料噴射の制御はエア・フロー・メーターによる
吸入空気量の計測をもとにコンピュータで制御されている・・
と理解しました。

図5.電子制御式燃料噴射装置(前回記事の再掲)
スロットルポジション・センサー(TPS)
アクセル開度を検知する『APS(アクセルポジションセンサー)』