(大統領公邸内に突入したデモ隊(9日、コロンボ)【7月9日 日経】)
【スリランカの経済破綻は政治混乱へ】
****スリランカが「破産」宣言=燃料不足、危機長期化****
経済危機に直面しているスリランカのウィクラマシンハ首相は5日、議会で演説し、国の「破産」を宣言した。危機的状況は来年も続く見通しで、混乱の長期化は必至。
ガソリンなどの燃料が極度に不足しており、AFP通信によると、給油所で自動車に乗って数日間列に並んでいた60歳の男性が車内で死亡しているのが5日見つかった。
首相は議会で、金融支援獲得に向けた国際通貨基金(IMF)との交渉について説明。地元紙デーリー・ミラー(電子版)によると、「過去には発展途上国として(IMFと)協議してきたが、今は破産国家として協議しているため、交渉はより困難で複雑になる」と述べた。
年末にインフレ率が60%に達するとの見通しを示し、「2023年も困難に直面するはずだ。これは真実であり現実だ」と強調した。【7月6日 時事】
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****経済危機のスリランカ、燃料輸入でロシア大統領に支援要請****
深刻な経済危機に直面しているスリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は6日、ツイッター上で、ロシアのプーチン大統領に対し燃料輸入に向けた支援を要請したと明らかにした。
スリランカは経済政策の失敗や新型コロナウイルス危機の影響で外貨が急減。生活必需品の輸入が困難になり、医薬品や食料、燃料の不足が深刻化している。
ガソリンや軽油の在庫が底を突く中、政府は全土の学校を休校とし、公務員には自宅で勤務するよう求めている。(後略)【7月7日 ロイター】
スリランカは経済政策の失敗や新型コロナウイルス危機の影響で外貨が急減。生活必需品の輸入が困難になり、医薬品や食料、燃料の不足が深刻化している。
ガソリンや軽油の在庫が底を突く中、政府は全土の学校を休校とし、公務員には自宅で勤務するよう求めている。(後略)【7月7日 ロイター】
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電気も止まり、ガソリンもない。ガスも無ければ医薬品もない・・・・市民生活は麻痺状態です。
****料理はまきで…経済危機のスリランカ*****
かつては比較的豊かだったスリランカでは現在、医薬品やガスなどあらゆる物が不足している。そのような中、ガスではなくまきや炭での調理に戻る人が増えている。
まきや炭への移行は今年初め、全国でガス爆発事故が相次いだことがきっかけとなった。ガス会社がコスト削減でプロパンの比率を引き上げたため、圧力が危険なレベルにまで上昇し、1000件以上の爆発事故が発生。少なくとも7人が死亡、数百人が負傷した。
現在はガスの供給が滞り、ガスがあったとしても手が届かないほどの値段になっている。
政府には外貨がなく、ガソリンや軽油、灯油に加え、火力発電用の燃料も輸入できず、長時間にわたり停電を行っている。(後略)【7月7日 AFP】
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経済破綻の根底にラジャパクサ大統領の一族による縁故主義があったことはこれまでも指摘してきましたが、そのラジャパクサ大統領が大統領職にとどまっていることへの批判も膨らんでおり、経済危機は政治混乱に発展する様相を呈しています。
****大統領公邸にデモ隊突入=ラジャパクサ氏に辞任要求―スリランカ****
経済危機に直面しているスリランカで9日、ラジャパクサ大統領の辞任を要求する大規模な抗議デモが行われ、デモ隊が最大都市コロンボにある大統領公邸敷地内になだれ込んだ。大統領は抗議デモ開始前に公邸から避難した。地元メディアやAFP通信が伝えた。
事態を受け、ウィクラマシンハ首相は緊急の閣議を招集した。
地元紙デーリー・ミラー(電子版)などによると、公邸周辺には数千人のデモ隊が集結。警察は催涙弾を使用したり放水したりしたが、デモ隊はバリケードを突破し、公邸の敷地内に入った。警官2人を含む少なくとも30人が負傷したという。【7月9日 時事】
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【スリランカ同様に過度な対外債務で行き詰まるザンビア ともに中国の影が】
スリランカの破綻の根本原因は前述のようにスリランカ政治自身の縁故主義にあるとしても、それがもたらした過剰な対外債務がスリランカ財政を追い詰めている側面があります。
特に、スリランカでいつも指摘されるのが中国の「債務の罠」という話です。
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中国が途上国へ故意に過大な貸し付けをし、影響力を強める「債務のワナ」にからめ取られたのが危機の原因、とみる向きもある。5年前、債務免除と引き換えに99年間の運営権を中国へ与えた南部のハンバントタ港は、その象徴とされている。
スリランカ政府が公表する対中債務は全体の1割程度で、対日本と変わらない。ただしそれは政府からの借入金だけで、国有企業からのものを含まない、といった指摘もある。【5月10日 日経】
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スリランカ同様に中国からの債務を含む過剰な対外債務で行き詰まっているのがアフリカのザンビア。
現在、債務の再編(借り手が借金の返済や発行した債券の元利払いが困難になった時、債権者と交渉し返済条件を緩和してもらうこと。支払期限の延長や元本金額の削減、利率の引き下げなどがある。)が課題となっています。
****ザンビア大統領、債務再編で「中国を優遇せず」*****
アフリカ南部ザンビアのヒチレマ大統領は、債務危機の解決に関連して中国の債権者を欧米の債権者より優遇することはないと約束した。
ザンビアは2020年、新型コロナウイルス流行下でアフリカで初の債務不履行(デフォルト)に陥った。政府は約150億ドル(約1兆7300億円)に上る対外債務を再編し、国際通貨基金(IMF)から14億ドルの資金支援を受けようとしている。債権者との協議は数週間以内に行われる予定だ。
同国の債務再編は、中国が過去10年間で急増させたアフリカ向け融資で損失を受け入れるかどうかのテストケースになるとみられている。中国の対アフリカ年間融資額は16年のピーク時にほぼ300億ドルに達した。
ヒチレマ氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで「我々は債務状況を解決したいし、解決しなければならない」と強調した。「ザンビアと債権者にとって良いことだ。現政権が発足した時、八方ふさがりの状況で、誰も利益を得ていなかった」
パリクラブ(主要債権国会議)の議長は先月、中国が低所得国の債権者として支配的な役割を果たすようになっており、多くの国が(中国との関係悪化を恐れて)債務免除をためらっていると警告した。
前政権下で債務危機に
ザンビアの債務のうち約60億ドルは中国からの融資だ。ルング前大統領が融資を受けて財政支出を大幅に増やした結果、債務危機に陥った。
ヒチレマ氏は「我々は内部での埋め合わせをするつもりはない。すなわち、 ある債権者により高い金額を払わせるといった具合に、債権者間で好条件のところと悪条件のところがあるように差を付けるつもりはない」と語った。「債権者が中国系か否かは重要ではない。この問題を確実に解決することが重要だ」
ヒチレマ氏は昨年の大統領選で現職のルング氏を大差で破り当選した。長年の汚職で国庫はほぼ空だったと話している。新政権は12月にIMFとの間で基本合意に達し、債権者との協議の助けになると期待している。
同国の30億ドルのドル建て国債は、20年に利払いができなくなって以降デフォルトの状態が続いている。海外債権者の多くは返済の一時停止を拒んでいるが、中国の債権者は利払いの凍結に合意した。
だが民間投資家は中国の民間債権者が損失を受け入れるのか、あるいはアナリストが例外的に厳しいと指摘する契約条項を盾に返済を要求するのか、はかりかねている。
IMFの救済策には厳しい条件
IMFは救済策の条件として厳しい財政目標を課すと見られるが、政府は社会サービスへの支出を維持すると公約しているため、できる限り多額の債務免除を実現する必要がある。今年の政府予算では財政赤字を国内総生産(GDP)の10%から6.7%へ削減し、今後数年での黒字化を目指している。
ヒチレマ氏は最近行った債権者との協議などを指して、「我々は債務問題に対応するため共通の枠組みを作ろうとしている」と述べた。「中国当局とも共通の枠組みの一部として協力している」
また同氏は前政権下で盗まれたとされる資産を取り戻すと公約しているが、進捗は遅い。「すぐに進展が見られるだろう。我々はすでに事態を進展させている」(後略)(2022年1月31日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版)【2月1日 日経】
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“中国の債権者を欧米の債権者より優遇することはない”云々は、中国が実施した融資は、中国への返済を優先するよう義務付ける秘密条項が盛り込まれていることが多いと指摘されることに関連するものでしょう。
中国が「一帯一路」によって途上国に多額の融資を行ってきた結果、経済破綻する国の対外債務において中国債権の比率が高まっており、中国がそうした途上国の債務再編にどのように対応するのかが、全体の債務再編作業の進展のカギともなっています。
【債務再編交渉で不透明な中国の対応が全体の進捗を阻害】
しかし、中国への債務の内容が明らかでなく、中国の債務再編への対応が不透明で見えない、そのため全体の債務再編作業が進捗しないという指摘が出ています。
****新興国の債務軽減交渉、債権大国の中国が協力せず****
ザンビアの首都ルサカの国際空港を拡張する3億6000万ドル規模のプロジェクトから、スリランカの首都コロンボにおける14億ドル規模の港湾開発事業に至るまで、発展途上国で進められている多くの債務軽減協議で、中国の姿がすっぽりと抜け落ちている。
比較的規模が小さく、リスクの高い途上国に対する貸し付けで、中国は圧倒的な債権国となっている。だが中国は、返済に行き詰まった債務国との間で、融資条件だけでなく、どのように再交渉するかを巡っても、目立たない姿勢を維持している。
この姿勢は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)後に一段と鮮明になった。現在、経済的に困窮する多くの国が債務軽減を求めている。
債務負担軽減を支援するため、中国により積極的な役割を果たすよう求める圧力が強まってきた。6月28日に公表された主要7カ国首脳会議(G7サミット)声明は、債権国による支援を促す中で中国を名指しした。
世界銀行によると、貧困国は今年、公的部門と民間部門の債権者に対して総額350億ドルの債務返済に直面しており、総額の40%余りは中国への返済だ。
だが専門家の話では、国際通貨基金(IMF)と世界銀行が前提とする債務軽減負担の公平な分担は、中国との衝突に向かう可能性があり、包括的な債務再編の見通しに疑念が生じるという。
法律事務所クイン・エマニュエルのソブリン訴訟責任者、デニス・ハラニツキー氏は「中国の『一帯一路』の資金は、あらゆる所にばらまかれている。従って、ソブリン債務再編では毎回この問題が持ち上がるだろう」と述べた。
ロイターは中国外務省と中国人民銀行(中央銀行)にコメントを要請したが、返答はない。
ザンビアとスリランカの案件は、債務協議の進展速度を見極める試金石となる。両国は、海外の債券保有者と債務再編に合意するとともに、IMFのプログラムをまとめる必要もある。
ブルーベイ・アセット・マネジメントの新興国市場責任者、Polina Kurdyavko氏は「中国による債務協議への関与は、IMFあるいは各国政府の手の及ぶ問題ではない」と指摘。「中国を適切なタイミングで交渉の席に着かせることは、今後の債務再編で最大の試練となるかもしれない」と語った。
<不透明>
中国の貸し付けは大半が政府系機関や政策銀行によって実行され、往々にして不透明だ。
全米経済研究所(NBER)の報告書によると、中国が1949年から2017年にかけて152カ国に対して実行した5000件の融資および助成の半分は、IMFにも世界銀行にも報告されていない。中国は両機関に加盟しているにもかかわらずだ。
ローディアム・グル−プのシニア・アナリスト、マシュー・ミンゲイ氏は「これらの中国の融資の一部では、不透明さが繰り返し問題になっている」と指摘。中国は商業融資の契約に、他国よりも厳格な機密保持条項を盛り込んでいると付け加えた。
ウィリアム・アンド・メアリー大学の米国調査研究機関、エイドデータが3年間にわたって集計したデータによると、中国の国有銀行が実施した融資は、中国への返済を優先するよう義務付ける条項が盛り込まれている。
ジョージタウン大学のアンナ・ゲルパーム法律学教授が中心となって中低所得国24カ国に対する中国の融資100件を調べたところ、機密保持のレベルが他の融資と比べて異常に厳しく、融資契約の存在自体を明かさないよう求めている場合もあったという。
中国が債務負担の軽減に合意したケースの多くは、詳しい内容がはっきりしない。
中国の貸し手があまりに多いことも、問題を一段と複雑にしている。ただ、最も多くの融資に関わっているのは中国輸出入銀行と国家開発銀行だ。
ミンゲイ氏は「債務再編交渉になった場合、中国の各銀行は自国の他行がどのように対応するのか分からない可能性もある」と話した。
<遅い進展>
ザンビアは2年余り前、パンデミック局面で初めて債務不履行を起こした国となり、現在170億ドルの対外債務について軽減を求めている。事情に詳しい関係者の話では、進展が遅い原因の一つは、厄介な債務再編における中国の経験不足だ。
スリランカの案件では、IMFが新たなプログラムを進める方針を固めたため、協議がより速く進行している。だが中国の対応は依然として不透明だ。
一方IMFによると、低所得国の約60%は債務の返済が滞っているか、そのリスクが高い。(後略)【7月5日 ロイター】
比較的規模が小さく、リスクの高い途上国に対する貸し付けで、中国は圧倒的な債権国となっている。だが中国は、返済に行き詰まった債務国との間で、融資条件だけでなく、どのように再交渉するかを巡っても、目立たない姿勢を維持している。
この姿勢は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)後に一段と鮮明になった。現在、経済的に困窮する多くの国が債務軽減を求めている。
債務負担軽減を支援するため、中国により積極的な役割を果たすよう求める圧力が強まってきた。6月28日に公表された主要7カ国首脳会議(G7サミット)声明は、債権国による支援を促す中で中国を名指しした。
世界銀行によると、貧困国は今年、公的部門と民間部門の債権者に対して総額350億ドルの債務返済に直面しており、総額の40%余りは中国への返済だ。
だが専門家の話では、国際通貨基金(IMF)と世界銀行が前提とする債務軽減負担の公平な分担は、中国との衝突に向かう可能性があり、包括的な債務再編の見通しに疑念が生じるという。
法律事務所クイン・エマニュエルのソブリン訴訟責任者、デニス・ハラニツキー氏は「中国の『一帯一路』の資金は、あらゆる所にばらまかれている。従って、ソブリン債務再編では毎回この問題が持ち上がるだろう」と述べた。
ロイターは中国外務省と中国人民銀行(中央銀行)にコメントを要請したが、返答はない。
ザンビアとスリランカの案件は、債務協議の進展速度を見極める試金石となる。両国は、海外の債券保有者と債務再編に合意するとともに、IMFのプログラムをまとめる必要もある。
ブルーベイ・アセット・マネジメントの新興国市場責任者、Polina Kurdyavko氏は「中国による債務協議への関与は、IMFあるいは各国政府の手の及ぶ問題ではない」と指摘。「中国を適切なタイミングで交渉の席に着かせることは、今後の債務再編で最大の試練となるかもしれない」と語った。
<不透明>
中国の貸し付けは大半が政府系機関や政策銀行によって実行され、往々にして不透明だ。
全米経済研究所(NBER)の報告書によると、中国が1949年から2017年にかけて152カ国に対して実行した5000件の融資および助成の半分は、IMFにも世界銀行にも報告されていない。中国は両機関に加盟しているにもかかわらずだ。
ローディアム・グル−プのシニア・アナリスト、マシュー・ミンゲイ氏は「これらの中国の融資の一部では、不透明さが繰り返し問題になっている」と指摘。中国は商業融資の契約に、他国よりも厳格な機密保持条項を盛り込んでいると付け加えた。
ウィリアム・アンド・メアリー大学の米国調査研究機関、エイドデータが3年間にわたって集計したデータによると、中国の国有銀行が実施した融資は、中国への返済を優先するよう義務付ける条項が盛り込まれている。
ジョージタウン大学のアンナ・ゲルパーム法律学教授が中心となって中低所得国24カ国に対する中国の融資100件を調べたところ、機密保持のレベルが他の融資と比べて異常に厳しく、融資契約の存在自体を明かさないよう求めている場合もあったという。
中国が債務負担の軽減に合意したケースの多くは、詳しい内容がはっきりしない。
中国の貸し手があまりに多いことも、問題を一段と複雑にしている。ただ、最も多くの融資に関わっているのは中国輸出入銀行と国家開発銀行だ。
ミンゲイ氏は「債務再編交渉になった場合、中国の各銀行は自国の他行がどのように対応するのか分からない可能性もある」と話した。
<遅い進展>
ザンビアは2年余り前、パンデミック局面で初めて債務不履行を起こした国となり、現在170億ドルの対外債務について軽減を求めている。事情に詳しい関係者の話では、進展が遅い原因の一つは、厄介な債務再編における中国の経験不足だ。
スリランカの案件では、IMFが新たなプログラムを進める方針を固めたため、協議がより速く進行している。だが中国の対応は依然として不透明だ。
一方IMFによると、低所得国の約60%は債務の返済が滞っているか、そのリスクが高い。(後略)【7月5日 ロイター】
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中国が“目立たない姿勢を維持している”理由を推測すれば、中国の巨額の資金がどこから出てきているのかは知りませんが、中国とて資金回収できないと国内的に深刻な問題となると思われます。しかし、だからといって強引な回収を行えば、ただでさえ「債務の罠」云々で批判の的になっているのに、更に欧米からの批判にさらされる・・・ということで、身動きがとりづらい状況にあるのではないでしょうか。
【「不公正で不透明」な中国「一帯一路」に対抗してアメリカ主導のインフラ投資の新枠組み】
先月末にドイツ南部エルマウで開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)では、途上国などへのインフラ投資を促進する新たな枠組みの創設で合意しましたが、岸田首相は中国の途上国支援を「不公正で不透明」と厳しく批判し、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する枠組みであることを鮮明にしています。
****G7、インフラ投資の新枠組み 官民6000億ドル規模で中国に対抗****
主要7カ国(G7)は26日にドイツ南部エルマウで開かれた首脳会議で、発展途上国のインフラ整備に投資する新たな枠組みの創設を発表し、今後5年間で官民合わせて6000億ドル拠出する目標を掲げた。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する。
枠組みは「グローバル・インフラ投資パートナーシップ」と呼ばれ、米国が主導。バイデン米大統領は米国として5年間に2000億ドルを担い、中低所得国における気候変動対策、公衆衛生、男女の平等、デジタルインフラ関連プロジェクトに官民で投資すると表明した。
バイデン氏は「これは援助や慈善事業ではなく、全ての人々に利益をもたらす投資だ」と強調した。
国際開発金融機関や政府系ファンドなどが数千億ドルを追加拠出する可能性があるとも述べた。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長はEUとして5年で3000億ドルユーロを担い、一帯一路に代わる持続可能な投資を行うと表明。
バイデン氏は旗艦プロジェクトとして、アンゴラで米国が官民で投資する総額20億ドルの太陽光発電開発プロジェクトを挙げた。また、セネガルで仏パスツール研究所が開発しているワクチン製造施設にG7で協力して330万ドルを拠出すると述べた。将来的に新型コロナウイルスワクチンなどの製造が可能になると見込まれている。【6月27日 ロイター】
枠組みは「グローバル・インフラ投資パートナーシップ」と呼ばれ、米国が主導。バイデン米大統領は米国として5年間に2000億ドルを担い、中低所得国における気候変動対策、公衆衛生、男女の平等、デジタルインフラ関連プロジェクトに官民で投資すると表明した。
バイデン氏は「これは援助や慈善事業ではなく、全ての人々に利益をもたらす投資だ」と強調した。
国際開発金融機関や政府系ファンドなどが数千億ドルを追加拠出する可能性があるとも述べた。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長はEUとして5年で3000億ドルユーロを担い、一帯一路に代わる持続可能な投資を行うと表明。
バイデン氏は旗艦プロジェクトとして、アンゴラで米国が官民で投資する総額20億ドルの太陽光発電開発プロジェクトを挙げた。また、セネガルで仏パスツール研究所が開発しているワクチン製造施設にG7で協力して330万ドルを拠出すると述べた。将来的に新型コロナウイルスワクチンなどの製造が可能になると見込まれている。【6月27日 ロイター】
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“岸田首相は、日本が今後5年間で、政府と民間投資をあわせ650億ドル(約8・8兆円)以上のPGIIへの拠出を目指す方針を表明し、「質の高いインフラ整備は『自由で開かれたインド太平洋』の実現にとっても重要だ」と強調した。”【6月27日 読売】
当然ながら中国は“一帯一路をおとしめる”ものと反発しています
****中国 G7経済構想に反発 “一帯一路をおとしめる”と****
(中略)これ(「グローバル・インフラ投資パートナーシップ」)に対して、中国外務省は会見で、「インフラ建設を名目に地政学政治を推進し、『一帯一路』をおとしめることに反対する」と反発した。
中国外務省報道官「『一帯一路』が債務のわなを作り出したというのは、全くのデマだ」
また、「一帯一路」が途上国が借金漬けになる経済モデルと批判されていることについて、「アメリカこそが債務のわなの真の製造者」と反論した。【6月28日 FNNプライムオンライン】
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「債務の罠」云々の議論は、ザンビアやスリランカの債務再編交渉で中国がどのような対応を示すのかが大きく影響してきます。