
(【1月21日 NHK】)
【パリ協定再離脱 「掘って掘って掘りまくれ」】
予想されていたことではありますが、トランプ大統領は就任と同時に地球温暖化の国際枠組み「パリ協定」から再び離脱する大統領令に署名し、また、就任演説では「国家エネルギー緊急事態を宣言する」と述べ、「掘って掘って、掘りまくれ」と化石燃料の生産を推進する意向を示しました。
****トランプ政権、パリ協定再離脱を表明 風力発電向け土地貸与も禁止へ****
米トランプ政権は20日、地球温暖化の国際枠組み「パリ協定」から再び離脱すると表明した。トランプ大統領の就任直後にホワイトハウスが発表した。
「バイデン政権の急進的な気候変動政策を終わらせる」とし、化石燃料や鉱物などの開発をめぐる規制緩和を進める。また、風力発電のために連邦政府が管理する土地の貸与を停止する。世界一の経済大国で脱炭素推進に大きなブレーキがかかりそうだ。
トランプ氏は就任演説で「国家エネルギー緊急事態」を宣言。石油や天然ガスの増産を通じて、エネルギー価格を大幅に引き下げ、物価上昇(インフレ)を抑える考えを示した。
暗に批判の声も
パリ協定は、世界の平均気温の上昇を2度より十分低く、できれば1・5度に抑える目標を掲げ、すべての参加国に温室効果ガスの排出削減を求める。トランプ氏は政権1期目にも「米国にとって不利」だとしてパリ協定を離脱し、バイデン前大統領が就任初日に復帰した経緯がある。
国連気候変動枠組み条約のスティル事務局長は声明で、クリーンエネルギーへの投資は世界各国で急成長し、大きな利益や雇用をもたらしていると強調。「これを無視すれば、莫大な富が競合国経済に流れるだけだ」として、気候変動対策に背を向ける米国の再離脱を暗に非難した。
世界気象機関(WMO)によると、2024年の世界平均気温は観測史上最も暑く、産業革命前の水準と比べて1・55度上回った。【1月21日 毎日】
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****トランプ大統領「掘って掘って掘りまくれ」…「エネルギー緊急事態」を宣言、化石燃料増産へ****
米国のトランプ大統領は20日、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から再び離脱する内容の大統領令に署名した。就任演説では「国家エネルギー緊急事態を宣言する」と述べ、再生可能エネルギーの導入に前向きだったバイデン前政権の政策を転換し、化石燃料の生産を推進する意向を示した。(中略)
トランプ氏は、石油や天然ガスなど化石燃料の増産によってエネルギー価格を引き下げ、インフレ(物価上昇)の抑制につなげる狙いだ。演説では「インフレの危機は、過剰な支出とエネルギー価格の高騰によって引き起こされた」との見方を示し、「(化石燃料を)掘って掘って、掘りまくれ」と呼びかけた。
演説では、バイデン前政権が気候変動対策の一環として進めた電気自動車(EV)の普及策の撤回を表明した。トランプ氏は「(環境分野に大規模投資する)グリーン・ニューディール政策は終了し、EVの義務化は取り消される。自動車産業を救う」と主張した。【1月21日 読売】
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【日本など同盟国にも米国産石油・ガスの購入を求める動き 欧州に対して「買わなければ関税」】
「掘って掘って、掘りまくった」石油・ガスで国内インフレを抑制し、更にその石油・ガスを同盟国に供給することでロシア・中国に対抗する「エネルギー・ドミナンス(支配)」戦略とのことのようですが・・・
****トランプ大統領「再エネ」撤回、石破政権に〝踏み絵〟か すでに他国の「脱炭素」に横ヤリ 化石燃料を同盟国に供給し中露に対抗****
(中略)トランプ氏はすでに他国の脱炭素政策にも横ヤリを入れている。再エネの導入や二酸化炭素(CO2)削減に意欲を示す石破茂政権も政策変更を突き付けられる恐れもある。
◇
トランプ氏は大統領就任演説で「米国はどの国よりも大量の石油と天然ガスを持っている。ドリル・ベイビー・ドリル(資源を掘りまくる)」と強調した。
エネルギー非常事態宣言で、国家・経済安全保障のために、西海岸や北東部、アラスカでのエネルギー供給などの促進に利用可能な全ての合法的な緊急権限を使用するとした。
同日に署名した大統領令では、連邦政府の管理下にある大西洋や太平洋などの海域で原油や天然ガスの新たな掘削を禁止した前政権の覚書も取り下げた。
トランプ政権は次期エネルギー長官に石油や天然ガスの採掘会社を経営するクリス・ライト氏を起用した。化石燃料の増産を主導する役割を担うとみられている。
エネルギー政策に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の杉山大志研究主幹は「トランプ氏は1期目は必ずしも思い通りにできず、閣僚にも反対する人がいた。2期目は次を考える必要もないので、やりたいことをやるだろう」とみる。
また、電気自動車(EV)普及策を撤回し「自動車産業を救う」とも主張した。「数年前には夢にも思わなかったペースで、再び米国で自動車を生産する」と話した。豊富な資源を後ろ盾に競争力を高めて「再び製造業の国になる」とも語った。
トランプ政権のエネルギー政策をめぐっては、安価で安定したエネルギー供給によって敵対国に対する優勢を築く「エネルギー・ドミナンス(支配)」戦略を打ち出している。
杉山氏は「化石燃料を掘削し同盟国に供給することで、米国経済も発展し、ロシア、中国に負けないようにするという狙いだろう。原子力も推進するはずだ。トランプ氏は再エネがあまり好きではなく、風力もコストが高くなるため嫌っている。EVに関しても、国家レベルでの補助金を大幅に削減する方向性になる」と予測する。
バイデン政権時に復帰した気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」を再び離脱する大統領令にも署名したが、さらに踏み込んでくる可能性があるという。
杉山氏は「パリ協定の元になる国連気候変動枠組み条約自体から離脱し、二度と戻れなくする可能性もある。仮に次の政権が民主党になっても、条約への復帰は共和党が多数を占める議会の承認が必要となる」と語る。一度条約から離脱すると復帰は難しいというわけだ。
問題は日本だ。菅義偉政権以来のグリーントランスフォーメーション(GX)政策は岐路に立たされる。
石破首相は6日の年頭記者会見で、再エネや原子力など「脱炭素電源」に言及し、「『地方創生2・0』の重要な柱」と明言した。原子力はともかく、再エネについてはトランプ路線と逆方向だ。
杉山大志氏「安全保障で日本にメリットも」
杉山氏は「トランプ氏は日本に政策転換を求めてくるかもしれない。日本側は、米国に油田の掘削や炭鉱の投資など官民一体で取り組むと告げるのも一手だろう。先進7カ国(G7)で米国が孤立しないよう歩調を合わせたり、再エネの大量導入や、CO2排出量取引制度、再エネ賦課金をやめることもできなくはない」と強調する。
トランプ氏はX(旧ツイッター)で英政府に北海の石油・ガス田を「開放」し、風力発電施設を撤去するよう要求するなど海外のエネルギー政策にも干渉している。
日本にも要求を突き付けてくる可能性があるが、必ずしも悪いことばかりではないようだ。
杉山氏は「石油やシェールガス、石炭などを購入するよう日本に求めてくるだろう。米国が化石燃料を世界に供給することで、資源国のロシアを締め付ける効果も見込まれる。中東に依存する日本にとっては安定供給になるし、『台湾有事』の際に中国が日本のシーレーン(海上交通路)を封鎖しようとしても、米国の船舶なら攻撃できない。安全保障の観点からもメリットになる」と指摘した。【1月22日 夕刊フジ】
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トランプ政権の脱“脱炭素”が世界の地球温暖化対策の足を引っ張るという本筋の問題はいったん棚に置くにしても、“石油・ガスを同盟国に供給し・・・”ということの現実は“無理やり買わせる”に近いもので、日本を含む同盟国のエネルギー政策の転換を求めるという類のものです。
実際に欧州に対しては「なぜアメリカの石油・ガスを買わないのだ!買わなきゃ関税をかけるぞ!」との対応を示しています。
****トランプ氏 EUに“米の石油天然ガス購入しなければ 関税課す”****
アメリカのトランプ次期大統領は、EU=ヨーロッパ連合に対して、アメリカ産の石油と天然ガスを大量に購入しなければ、輸入品に関税を課す考えを示しました。トランプ氏は、アメリカのEUに対する貿易赤字を問題視してきていて、来月、大統領に就任するのを前に、EUに圧力をかけました。
アメリカのトランプ次期大統領は20日、SNSへの投稿で「EUに対して、われわれの石油と天然ガスを大量に購入することでアメリカとの巨額の貿易赤字を解消するよう伝えた」と明らかにしました。
そのうえで、EUが応じなければ「ずっと関税を課す」として、アメリカ産の石油などを大量に購入しなければ、EUからの輸入品に関税を課す考えを示しました。
トランプ氏はこれまで、アメリカのEUに対する貿易赤字を問題視してきていて、来月、大統領に就任するのを前に、EUに対して赤字削減に向けて圧力をかけました。
EUのフォンデアライエン委員長は、先月、トランプ氏と電話で会談し、ロシアから輸入しているLNG=液化天然ガスをアメリカ産に切り替えることを検討する考えを示していました。
今回の投稿は、トランプ氏がアメリカのエネルギー資源を武器に、各国に貿易赤字の削減を迫る考えがあることを、改めて明確にしています。【1月21日 NHK】
そのうえで、EUが応じなければ「ずっと関税を課す」として、アメリカ産の石油などを大量に購入しなければ、EUからの輸入品に関税を課す考えを示しました。
トランプ氏はこれまで、アメリカのEUに対する貿易赤字を問題視してきていて、来月、大統領に就任するのを前に、EUに対して赤字削減に向けて圧力をかけました。
EUのフォンデアライエン委員長は、先月、トランプ氏と電話で会談し、ロシアから輸入しているLNG=液化天然ガスをアメリカ産に切り替えることを検討する考えを示していました。
今回の投稿は、トランプ氏がアメリカのエネルギー資源を武器に、各国に貿易赤字の削減を迫る考えがあることを、改めて明確にしています。【1月21日 NHK】
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トランプ大統領の「守ってやるからカネを出せ」という考えは、価値観の絆で結ばれた同盟国というより“用心棒”の発想に近いと以前から思っていましたが、更に「アメリカの石油・ガスを買え!さもないと・・・」と迫る様は、みかじめ料をとってる飲食店に自分のところが卸すおしぼりの購入を迫る暴力団のやり口のようにも見えます。要するに「アメリカ第一」に他の国も従えということのようですが、どうして?
もっとも、トランプ大統領の施策にもかかわらず、当面はバイデン政権時代の措置によってアメリカの温室効果ガス排出量は抑制されるようです。
ただ、アメリカが今後の世界の気候変動問題対策を牽引することは出来ませんので、その役割を果たすのは・・・中国でしょうか?
****トランプ政権でも温室効果ガスは減少へ―気候変動問題、米のパリ協定離脱で中国はどう動く?****
(中略)これまで多国間での温暖化対策を主導していた米国の退場に伴い、世界最大の温室効果ガス排出国である中国にリード役を期待する声も出ているようだが、果たして…。
バイデン政権の遺産が効果発揮
世界最大の経済大国である米国は、温室効果ガスの排出量も中国に次いで世界第2位。トランプ氏は「(石油や天然ガスを)掘って掘って掘りまくれ!」と檄を飛ばすなど化石燃料を積極活用する姿勢を見せており、パリ協定離脱と相まって米国の排出量が増加に転じるのではないかと不安視されている。
ただ、上野貴弘著「グリーン戦争」(2024年中公新書)などによると、前政権の遺産というべき「インフレ抑制法(IRA)」の効果で、温室効果ガスの減少傾向は維持される見通しだ。
IRAは、名称だけ見れば気候変動対策とは無縁の経済政策のようだが、実際はインフレを抑制しつつ再生エネルギーや電気自動車(EV)などの脱炭素技術を減税により後押しする制度。バイデン前政権は2050年までに温室効果ガスのネットゼロ排出を達成するとの目標を掲げたが、IRAがその実現に向けた政策の柱となる。
前政権の政策を180度転換しようとしているトランプ氏が、IRAの廃止または修正に動く可能性はある。しかし同書によると、IRAの恩恵を受けているのは、バイデン氏の民主党ではなく、与党共和党が強い地域が多いという。
連邦議会は上院、下院とも共和党が多数派を握っているが、民主党との差はわずか。このため、トランプ政権がIRAの廃止をもくろんだとしても、共和党から造反者が出て、阻止される可能性が高い。
また、米国の地方政府・議会や民間企業、NGOなどの間には、連邦政府の意向にかかわらず、パリ協定の精神を尊重して行動しようとするグループがあり、彼らは政権交代後も温暖化対策を強力に推進する方針を表明している。こうしたことから、ペースは落ちるかもしれないが、米国の温室効果ガス削減の流れは今後も続くと予想される。
国際的なけん引役不在に
ただ政権交代により、気候変動対策における米国の国際的なリーダーシップが大幅に後退、もしくは事実上消滅する可能性がある。
バイデン政権は発足3カ月後の2021年4月に気候変動サミットを開催し、それに合わせて各国がこれまでより踏み込んだ削減目標を提示した。米国が気候変動対策のけん引役を担った格好だ。しかしトランプ政権には、そうした対応はまず期待できないだろう。
では、誰がけん引役を務めるのか。このほど日本記者クラブで記者会見した地球環境戦略研究機関の田村堅太郎上席研究員は、欧州連合(EU)と英国は「(リーダーシップをとる)意欲はあるものの、力不足」と指摘。そうなると、中国に注目が集まる。
なにしろ中国の二酸化炭素排出量は全世界の32.0%を占め、米国の13.7%を大きく上回って断トツの首位(2021年実績)。1人当たり排出量も年間7.5トンで、日本やドイツとほぼ同水準だ。もはや、ある時は超大国として傲慢にふるまい、ある時は開発途上国の一員として先進国より甘い削減目標を要求するような使い分けは許されず、最大の排出国として責任ある行動が求められる。
しかし田村氏は、「中国が開発途上国をクリーンエネルギーの導入で支援する、いわば『クリーン一帯一路』に乗り出す可能性はある」としながらも、他国に削減目標の引き上げを働きかけるようなことはしないのではないかと予測。
米国がパリ協定から抜けた後の多国間の取り組みは、けん引役不在の状況下、多元的で多様な主体が参加する「多中心的なガバナンス」で推進されるとの見通しを示した。(後略)【1月22日 レコードチャイナ】
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中国が実際にどこまで気候変動対策のけん引役を果たす意思があるかは疑問ですが、少なくとも国際会議などの表舞台ではアメリカに代わって中国が世界をリードする姿勢を強め、その存在感が高まるでしょう。
****トランプ氏の「パリ協定離脱」大統領令署名に中国が批判****
アメリカ大統領に就任したトランプ氏がパリ協定を離脱する大統領令に署名したことを受け、中国外務省の報道官は「どの国も独りよがりになることはできない」と批判しました。
中国外務省の報道官は21日、「アメリカがパリ協定から離脱することに中国は懸念を示す」と述べたうえで、「気候変動は全人類が直面する共通の試練であり、どの国も独りよがりになることはできない」と批判しました。(後略)【1月21日 テレ朝news】
中国外務省の報道官は21日、「アメリカがパリ協定から離脱することに中国は懸念を示す」と述べたうえで、「気候変動は全人類が直面する共通の試練であり、どの国も独りよがりになることはできない」と批判しました。(後略)【1月21日 テレ朝news】
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実際、近年の中国の再生可能エネルギー分野における実績、脱炭素の動きは注目に値するものです。
****中国の太陽光・風力発電の新規導入容量、24年も記録更新****
中国国家能源局が21日発表した統計によると、2024年は国内に新たに設置された風力および太陽光発電設備容量が23年に続き、過去最高を更新した。中国は30年までに炭素排出量のピークアウトを目指している。
24年の太陽光・風力発電設備の新規導入容量はそれぞれ45.2%と18%増加。太陽光の容量は現在、886.67ギガワットになった。
トランプ米大統領が2度目のパリ協定離脱を発表する中、中国は7月に30年の目標を6年前倒しで達成したことになり、クリーンエネルギーへの移行の速さが目立った。(中略)
環境保護団体グリーンピースのアナリストらは、25年には再生可能エネルギーが中国の新規電力需要を全て満たす可能性があると予想。北京に拠点を置くグリーンピース・東アジア支部のプロジェクトリーダーは「中国の電力業界に25年までに排出量のピークアウトを達成する道が開かれる」と述べた。【1月22日 ロイター】
24年の太陽光・風力発電設備の新規導入容量はそれぞれ45.2%と18%増加。太陽光の容量は現在、886.67ギガワットになった。
トランプ米大統領が2度目のパリ協定離脱を発表する中、中国は7月に30年の目標を6年前倒しで達成したことになり、クリーンエネルギーへの移行の速さが目立った。(中略)
環境保護団体グリーンピースのアナリストらは、25年には再生可能エネルギーが中国の新規電力需要を全て満たす可能性があると予想。北京に拠点を置くグリーンピース・東アジア支部のプロジェクトリーダーは「中国の電力業界に25年までに排出量のピークアウトを達成する道が開かれる」と述べた。【1月22日 ロイター】
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【意外にも、アメリカ国内の石油・ガス業界はパリ協定再離脱に反対】
トランプ大統領のパリ協定再離脱「掘って掘って掘りまくれ」は国際的には懸念されるものであっても、国内石油・ガス業界は大喜びだろう・・・と考えていたのですが、そうでもないようです。
*****パリ協定再離脱、米石油・ガス業界は反対 トランプ政権と異例の不協和音****
米国が気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」から再離脱することを巡り、国内の石油・ガス業界が反対の声を上げている。
トランプ大統領は就任初日にパリ協定の再離脱を指示する大統領令に署名し、パリ協定を中国との競争で米国を不利な立場に追いやる取り決めだと切り捨てた。
しかし石油・ガス業界からは、再離脱によって投資計画にマイナスの影響が出るなどの異論が噴出。これまで最も有力な支持基盤とみなされてきた同業界とトランプ政権の間で異例の不協和音が醸し出されている。
ロイターが取材した業界幹部の話では、大手石油各社は再離脱について、世界的なエネルギー移行の動きに対する米国の影響力を限定してしまうほか、業界が米国と他の地域で整合性の取れない規制環境に置かれかねないとの懸念を持っているようだ。
米商工会議所傘下のエネルギー業界団体トップ、マーティー・ダービン氏は、加盟企業はトランプ氏がパリ協定にとどまるのを望んでいると明かした上で「民間セクターは気候問題を解決しながら世界経済を成長させるためのエネルギー需要を満たすのに必要な解決策を打ち出すことを強く決意している」と述べた。
エクソンモービルやシェブロンが加盟する米国石油協会(API)の広報担当者は、APIとしてはパリ協定の目標をずっと支持してきたと説明した。
エクソンをはじめとする大手石油各社は現在、新たな石油・ガス探査方針を決めつつも、グリーン水素や二酸化炭素貯留・回収といった気候変動対応の技術に長期的な投資を計画しているところだ。
独立系掘削事業者の団体AXPCのアンヌ・ブラッドベリー最高経営責任者(CEO)は「いかなる気候変動対策に関する話し合いも本質的に世界全体でなければならず、米国はエネルギー生産と排出量削減の両面で世界のリーダーと認識するのが大事だ」と訴えた。【1月23日 ロイター】
トランプ大統領は就任初日にパリ協定の再離脱を指示する大統領令に署名し、パリ協定を中国との競争で米国を不利な立場に追いやる取り決めだと切り捨てた。
しかし石油・ガス業界からは、再離脱によって投資計画にマイナスの影響が出るなどの異論が噴出。これまで最も有力な支持基盤とみなされてきた同業界とトランプ政権の間で異例の不協和音が醸し出されている。
ロイターが取材した業界幹部の話では、大手石油各社は再離脱について、世界的なエネルギー移行の動きに対する米国の影響力を限定してしまうほか、業界が米国と他の地域で整合性の取れない規制環境に置かれかねないとの懸念を持っているようだ。
米商工会議所傘下のエネルギー業界団体トップ、マーティー・ダービン氏は、加盟企業はトランプ氏がパリ協定にとどまるのを望んでいると明かした上で「民間セクターは気候問題を解決しながら世界経済を成長させるためのエネルギー需要を満たすのに必要な解決策を打ち出すことを強く決意している」と述べた。
エクソンモービルやシェブロンが加盟する米国石油協会(API)の広報担当者は、APIとしてはパリ協定の目標をずっと支持してきたと説明した。
エクソンをはじめとする大手石油各社は現在、新たな石油・ガス探査方針を決めつつも、グリーン水素や二酸化炭素貯留・回収といった気候変動対応の技術に長期的な投資を計画しているところだ。
独立系掘削事業者の団体AXPCのアンヌ・ブラッドベリー最高経営責任者(CEO)は「いかなる気候変動対策に関する話し合いも本質的に世界全体でなければならず、米国はエネルギー生産と排出量削減の両面で世界のリーダーと認識するのが大事だ」と訴えた。【1月23日 ロイター】
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すでに世界が脱炭素の流れにあり、企業もその流れに適応しようとしているなかで、アメリカだけ「掘って掘って掘りまくれ」と言われても世界の流れから取り残されてしまう、企業としても身動きがとれなくなってしまう・・・という不満のようです。 これは意外でした。