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(12月8日、先に実施されたルーマニア大統領選第1回投票を巡って、ロシア介入疑惑の中心にいる親ロ派極右候補だったジョルジェスク氏(写真)は、首位となった第1回投票を憲法裁判所が無効と判断し、選挙プロセスを全てやり直すよう命じたことは民主主義に致命的と強く批判した【2024年12月9日 ロイター】)
【バンス米副大統領 ルーマニア大統領選挙の混乱を事例として欧州のSNS規制を批判】
今月14日、ドイツ・ミュンヘンで始まった世界各国の首脳や閣僚が安全保障をめぐり意見を交わす安全保障会議の演説でバンス米副大統領がネット規制で「自由」な発言を封じ、不法移民流入を許す欧州民主主義を激しく批判したことは、2月15日ブログ“米副大統領「欧州は民主主義を損ねている」 ポピュリズム・権威主義台頭で揺らぐリベラル民主主義”でも取り上げました。
****バンス氏、欧州民主主義を痛烈批判 SNS規制や不法移民は「内なる脅威」****
米国のバンス副大統領は14日、ドイツで始まったミュンヘン安全保障会議の演説で、欧州の民主主義を攻撃した。厳しいインターネット規制を「検閲」と位置づけ、不法移民流入は政治に責任があると批判。「米国と共有すべき基本的価値が後退している」と述べ、欧州側は猛反発した。
バンス氏は、北大西洋条約機構(NATO)で欧州の防衛負担の強化が課題になっているとしたうえで、「欧州について懸念されるのはロシアや中国よりも、『内なる脅威』だ」と述べた。
ネット規制は、欧州連合(EU)が偽情報や不法コンテンツを排除するため進めているものだが、バンス氏は自由な発言を封じ込めていると指摘した。
昨年11月のルーマニア大統領選が、SNS(交流サイト)によるロシアの介入疑惑からやり直しが決まったことにも言及し、「外国によるデジタル広告で壊れるような民主主義なら、もともと強固ではなかったということ」と疑問を呈した。この選挙では親ロシア派候補が最多得票していた。
不法移民については、流入に歯止めがかからず、「欧州は管理できなくなっている」「政治家たちの決定の結果だ」とたたき、強制送還に着手したトランプ政権との違いを強調した。
バンス氏が特にやり玉にあげたのは、会議開催国のドイツだ。移民排斥を掲げる政党が支持率を伸長させているのに、政界が排除していると批判した。右派政党「ドイツのための民主主義」(AfD)を念頭に置いた発言だ。
ミュンヘンで13日、アフガニスタン人男性が車で人混みに突っ込み、約30人を負傷させた事件に触れたうえで、「国民の懸念に配慮しなければ、民主主義は生き残れない」と述べた。
バンス氏に続いて登壇したピストリウス独国防相は、「発言は受け入れがたい」と強い怒りを示した。EUのカラス外交安全保障上級代表も「まるでケンカを売るようだ」と不快感を示し、米欧の文化対立の様相を呈した。【2月15日 産経】
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【昨年11月のルーマニア大統領選挙ではプーチン・トランプ類似の泡沫極右候補がSNS利用で一躍首位に しかし、決選投票直前に憲法裁判所が無効判断、やり直し選挙に】
バンス副大統領が欧州リベラル民主主義批判の事例としてあげたのが昨年11月のルーマニア大統領選挙の混乱でした。この件については、2024年12月8日ブログ“ルーマニア 大統領選挙 再投票へ 極右候補、違法なSNS利用 ロシア介入疑惑も 多くの者が彼に投票した事実も”でも取り上げました。
昨年11月24日のルーマニア大統領選挙1回目投票では事前には「泡沫候補」と見られていた親ロシア派で急進的な極右候補カリン・ジョルジェスク氏が、TikTokなどSNSを利用して主に地方居住者や男性の票を集め、一気に首位に躍り出ました。
****ルーマニア大統領選、「SNS戦略」成功でプーチン賛美の「極右」が予想外の首位...若年層の不満を代弁****
(中略)ジョルジェスク氏は1962年ブカレスト生まれ。ブカレスト農業科学獣医学大学で博士号を取り、国連やローマクラブ欧州支援センター会長など持続可能な開発に関する役職を歴任。大統領選には無所属で立ち、農家支援、エネルギー・食料の自給志向、輸入依存からの脱却を唱えた
ホロコーストに加担した第二次大戦指導者を称賛
ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に加担して銃殺刑になったルーマニアの第二次大戦指導者イオン・アントネスクや、欧州で最も暴力的な極右の反ユダヤ主義民族運動「鉄衛団」の創設者コルネリウ・コドレアヌを国民的英雄と呼ぶ極右ナショナリストだ。
政治スタンスは親露。ルーマニアのNATO加盟に反対する。NATOが加盟国を守る能力に懐疑的な一方、ルーマニアは外交的・戦略的判断を下す準備ができておらず 「ロシアの知恵 」に従うべきだと主張する。しかし実際にロシアを支持するかどうかについては明言を避けている。
「私は不当な扱いを受けた人々のために投票した」
ルーマニアはフランス率いるNATO多国籍戦闘部隊と米軍のミサイル防衛施設を受け入れており、ジョルジェスク氏は「外交の恥」と批判。ジョルジェスク氏の躍進は主流政党に対する広範な不満を反映しており、自らを社会や経済から取り残された人々の代弁者と位置づける。
投票後、フェイスブックに「私は不当な扱いを受けた人々、屈辱を受けた人々、この世で自分は重要でないと感じている人々のために投票した! 投票は国家への祈りだ」と投稿した。より多くの有権者にリーチするため動画共有サイトTikTokなどSNSを効果的に活用した。
新聞・テレビを上回るSNSや動画サイトの破壊力
幅広い視聴者、特に若い有権者の共感を呼ぶ短くて魅力的な動画を共有することで、ジョルジェスク氏は反体制的で民族主義的なメッセージを効果的に広めた。伝統的なメディアを回避し、主要政党を見放した有権者と直接つながり、知名度と支持を大幅に高めることに成功した。
NHKによると、日本でも自身のパワハラ疑惑などを巡る出直し兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事のユーチューブ公式チャンネルの総再生回数は約119万回。街頭演説を短くまとめた動画は少なくとも計2000万回再生された。SNSや動画サイトの破壊力は新聞・テレビを上回る。
米大統領選で返り咲いたドナルド・トランプ次期大統領を例に挙げるまでもなく、SNSや動画サイトの活用はポピュリスト政治家の常套手段。ジョルジェスク氏は若者に人気のTikTokで25万人のフォロワーを持ち、投稿したクリップのいくつかは300万回以上再生された。
ロシアの干渉を示す証拠は見つかっていない。ジョルジェスク氏が決選投票でも勝利すれば首相指名権、連立協議権、外交・安全保障政策に関する最終決定権を持つ役職に就くことになる。極右の暗雲がさらに広がり、NATOや欧州連合(EU)の結束が大きな音を立ててきしみ始めた。【2024年11月26日 木村正人氏 Newsweek】
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“「TikTok(ティックトック)」では乗馬をしたり、黒帯を締めて武道の稽古(けいこ)に励んだりする動画などを投稿し、26日現在で35万人のフォロワーを有する。”【11月27日 毎日】とも・・・それ自体は違法でもないでしょうが。
12月8日に予定されていた決選投票で勝利すれば親ロシア極右大統領が誕生か・・・という状況で、決選投票の直前の12月6日、ルーマニアの憲法裁判所は第1回投票の結果を無効と決定し、選挙は今年5月にやり直しとなりました。
****「泡沫」急浮上、TikTok不正か ロシアの影、政治不信鮮明 ルーマニア大統領選****
東欧ルーマニアで、8日に決選投票を控えていた大統領選挙が、憲法裁判所の判断で急きょ中止され、候補者の届け出からやり直す異例の事態となっている。
中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が不正利用されたもようで、先月行われた第1回投票では泡沫(ほうまつ)扱いされていた無所属候補が首位に立った。
有権者に広がる深刻な政治不信も鮮明になり、混乱が続いている。
渦中の候補はカリン・ジョルジェスク氏(62)。国連機関や環境省でキャリアを積んだ学識者とされ、選挙戦では伝統重視や「ルーマニア第一」を掲げた。新型コロナウイルスの存在を否定し、人類による月面着陸を「でっち上げ」と主張したこともある。
10月までは多くの世論調査でジョルジェスク氏の支持率は1%に満たなかった。しかし、11月24日の第1回投票で、有力候補とされていたチョラク首相らを抑え、約23%の得票率でトップに躍り出た。
現地メディアも「ジョルジェスク氏とは誰か」と報じるサプライズだった。 実態を調査したルーマニア当局は、ジョルジェスク氏の情報をTikTokで拡散したインフルエンサーらに計38万1000ドル(約5700万円)が支払われていたことを把握。約2万5000のTikTokアカウントを利用した大規模な選挙運動が展開されたと報告した。
資金源を調べたところ、暗号資産事業を手掛ける男が容疑者として浮上。検察は今月7日、選挙違反やマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで、男の関係先を家宅捜索した。男はジョルジェスク氏と面識はなく、理念に共感したと主張している。
ジョルジェスク氏はロシアのプーチン大統領を「愛国者」と呼び、ロシアの侵攻を受けるウクライナ支援の停止を訴えていた。こうした経緯から「ロシアの関与」(チョラク氏)を疑う見方もある。
一方、投票データが改ざんされた形跡はなく、多くの有権者がジョルジェスク氏に一票を投じたことは事実だ。今回の事態は政治への潜在的な不満が表れたともいえる。ジョルジェスク氏は選挙のやり直しについて、民主主義を攻撃する「クーデター」だと訴え、支持者に当初の予定通り投票所に足を運ぶよう呼び掛けた。【12月8日 時事】
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欧州リベラル民主主義の価値観からすれば(私個人の思いでも)、かなり怪しげで危険な人物に思えますが、そうした人物が大統領に登りつめるのはアメリカでもある話。
出直し兵庫県知事選で話題になったように、SNSの選挙利用は近年の流れであり、違法かどうかは資金の流れが選挙違反に該当するかどうかによります。
ロシアの関与は「証拠」はないようです。
そうしたことをふまえると、憲法裁判所が第1回投票の結果を無効とした決定はかなり踏み込んだ判断だったようにも思えます。
当然ながら、ジョルジェスク氏は憲法裁判所の無効判断を民主主義に致命的と強く批判しています。
****選挙で波乱呼ぶ「切り抜き動画」 東欧では“あの国”が悪用か****
「切り抜き動画」が選挙に波乱を呼ぶ。その最たる例として挙げられるのが、昨年11月の兵庫県知事選の結果だ。同じころ、冷戦期にソ連の影響下にあった東欧ルーマニアでも、大統領選を巡り衝撃が走った。泡沫(ほうまつ)とされていた極右候補が首位に躍り出たからだ。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を使い、短期間で飛躍的に支持を伸ばした。
無名候補の支持率が急上昇
「とても後悔している」。ブカレスト在住の大学生の男性(21)はこう打ち明けた。
大統領選の第1回投票では極右候補のカリン・ジョルジェスク氏に1票を投じた。ジョルジェスク氏の動画を見て、高揚感を覚えたからだった。「ルーマニアの国際社会における地位向上といった主張はまっとうに思えた」
しかし、その判断を悔やむことになる。
ジョルジェスク氏は、投票1カ月前の時点で支持率1%未満だったが、テレビ出演や討論会などの発言を数十秒に編集した動画をティックトックに次々と投稿。ふたを開ければ約23%の支持を集め、首位で決選投票へ駒を進めた。
治安当局は予想外の結果を受けて、選挙に関する報告書の機密解除に踏み切った。それによると、休眠状態だった797アカウントを含む約2万5000アカウントが投票2週間前から急に動き出したほか、計800万人のフォロワーがいる100人のインフルエンサーが投稿の拡散に協力した。
インフルエンサーには謝礼が支払われていたことも判明。こうした工作には、ロシアが関与した可能性が高いとも指摘された。
決選投票は憲法裁判所の判断で中止され、5月に選挙をやり直すことになった。
欧米に敵意抱く「陰謀論者」
極端な愛国主義を唱えるジョルジェスク氏は、新型コロナウイルスの存在を否定するなど、「陰謀論者」としても知られている。ロシアのプーチン大統領を「愛国者」と呼び、ウクライナ支援の継続には否定的だ。ルーマニアも加盟する欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)にも懐疑的な姿勢を取る。
黒海沿岸に位置するルーマニアは2004年にNATO、07年にEUに加盟し、16年には米軍の防空システムが配備された。ウクライナ危機以降は地政学上の重要度がさらに高まり、NATOは対ロシア防衛戦略の最前線として欧州最大規模の基地建設を進める。
それだけにジョルジェスク氏のような人物が国防や外交の権限を持つ大統領の有力候補に浮上したことは、NATO加盟国にとって安全保障の根幹を揺るがしかねない事態だった。
東方正教を重視し、性的少数者に批判的なジョルジェスク氏の言動について、ルーマニアの政治学者クリスティアン・ピルブレスク氏は「欧米に敵意を向けるようになってからのプーチン氏とそっくりだ」と指摘する。
SNS工作の意外な影響
問題となったSNS(ネット交流サービス)での工作について、ロシアの関与を示す直接的な証拠は示されていない。ロシアも関与を否定している。
ただ選挙が無効となったことで、SNSを使わない高齢者の間でもジョルジェスク氏の知名度が高まり、判官びいきを招いた。
ブカレストから北に約80キロの地方都市タルゴビシュテで、無職のイオン・ポペスクさん(75)はまくしたてた。「政府はジョルジェスク氏を引きずり降ろしたいのだろう。EUに加盟しても、政府が潤うだけで恩恵がない。もしやり直し選挙に出るなら彼に投票する」
欧州のニュースサイト「ユーラクティブ」などによると、昨年12月以降の複数の世論調査で、ジョルジェスク氏は首位を走る。
インターネットでの人権保護などに取り組むNGO「ApTI」(ブカレスト)のボグダン・マノレア氏は「SNSが触媒となり、貧困や政府の腐敗など、さまざまな理由で不満を持つ人々の間に火を付けた」と指摘する。政治学者のピルブレスク氏はこう話した。「世論は分断された。これは実験だった。そして成功した」【2月19日 毎日】
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主張は「プーチン氏とそっくりだ」とも言えますし、その選挙運動手法は「トランプ氏そっくりだ」とも言えます。
主張・政治姿勢でもプーチン氏とトランプ氏は似たようなものですが。
【その後も混乱が続くルーマニア 5月のやり直し選挙ではどのような結果が?】
5月のやり直し選挙に向けて、ルーマニアでは混乱が続いています。
****大統領選巡るデモに極右候補の“本人”登場 約2000人が集まり機動隊と小競り合いも ルーマニア****
ルーマニア国旗を掲げて行進する大勢の人。1月24日、極右の大統領候補カリン・ジョルジェスク氏の支持者たちが統一記念日にルーマニアの首都・ブカレストで大規模なデモを行った。
約2000人が集まった公園には、ジョルジェスク氏が登場。その後、一緒に政府本部に向かって行進した。(中略)
地元メディアによると、デモの最中に抗議者と機動隊の間で散発的な小競り合いがあったという。【1月28日 ABEMA Times】
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大統領選挙がやり直しになったため、それまで留任する形になっていた現行大統領は野党批判で辞任へ。
****ルーマニア大統領、辞任表明 野党側の弾劾回避狙い****
ルーマニアのヨハニス大統領は10日、5月のやり直しの大統領選の実施を待たずに辞任すると明らかにした。有権者の支持を背景に勢力を拡大する極右系の野党による、弾劾の動きを回避するのが狙い。
2024年に実施された大統領選の第1回投票では、無名に近かった極右で北大西洋条約機構(NATO)に批判的なカリン・ジョルジェスク氏が首位となった。ただ、ロシアによる選挙介入疑惑を踏まえ、ルーマニアの憲法裁判所は第1回投票の結果を無効とする判断を下した。
2024年に実施された大統領選の第1回投票では、無名に近かった極右で北大西洋条約機構(NATO)に批判的なカリン・ジョルジェスク氏が首位となった。ただ、ロシアによる選挙介入疑惑を踏まえ、ルーマニアの憲法裁判所は第1回投票の結果を無効とする判断を下した。
このため、24年12月21日までだったヨハニス氏の任期が、今年5月のやり直し選挙で後継者が選出されるまで延長されていた。
一方、議会の約35%を占める野党3党は、親欧州を掲げる与党側の汚職疑惑を受け、ヨハニス氏の弾劾を求める動議を提出していた。ヨハニス氏は支持が低迷しており、専門家らは与党側の一部の議員が弾劾に対して賛成する可能性があると指摘していた。
ヨハニス氏は記者団に弾劾要求に関して「国内外に影響が及ぶ」とし、「無用な危機を避けるため大統領職を辞任する」と述べた。上院議長が限定的な権限を持つ暫定大統領を務めることになる。
ジョルジェスク氏は有権者からなお高い人気を集めているものの、別の極右政治家に対しては大統領選への出馬を禁じる司法判断が出ており、やり直しの大統領選に出馬できるかどうかは明らかになっていない。【2月11日 ロイター】
一方、議会の約35%を占める野党3党は、親欧州を掲げる与党側の汚職疑惑を受け、ヨハニス氏の弾劾を求める動議を提出していた。ヨハニス氏は支持が低迷しており、専門家らは与党側の一部の議員が弾劾に対して賛成する可能性があると指摘していた。
ヨハニス氏は記者団に弾劾要求に関して「国内外に影響が及ぶ」とし、「無用な危機を避けるため大統領職を辞任する」と述べた。上院議長が限定的な権限を持つ暫定大統領を務めることになる。
ジョルジェスク氏は有権者からなお高い人気を集めているものの、別の極右政治家に対しては大統領選への出馬を禁じる司法判断が出ており、やり直しの大統領選に出馬できるかどうかは明らかになっていない。【2月11日 ロイター】
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5月のやり直し選挙でどのような結果が出るのか・・・。
“仮にジョルジェスク氏が大統領選で勝利すれば、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)加盟国との親西側政治が覆され、ハンガリーやスロバキア、オーストリアなどポピュリストでロシア寄りの政権が率いる中央、東ヨーロッパ諸国に近づくことになる。ジョルジェスク氏は自国の対ウクライナ支援打ち切りも掲げている。”【2024年12月9日 ロイター】