孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

新型コロナ  欧米で加速する規制緩和の流れ 「以前の生活」へ

2022-02-10 23:33:36 | 疾病・保健衛生
(スウェーデンでほぼ全ての新型コロナウイルス制限措置が解除された。事実上のパンデミック(世界的大流行)終息宣言となる。無料のコロナ検査も打ち切られる。写真は9日、制限解除後にナイトクラブに集まる人々。【2月10日 ロイター】)

【世界の感染者4億人超 オミクロン株拡散】
久しぶりに(かな?)新型コロナの話。

感染が急拡大した日本では、東京の新規感染者が昨日・今日と前週の同じ曜日を下回り、ようやく・・・・という雰囲気も。

*****世界コロナ感染者4億人突破、約1カ月で1億人増 オミクロン株拡散で****
ロイターの集計によると、世界の新型コロナウイルス感染者が9日、4億人を突破した。感染力の強いオミクロン変異株の拡散で、感染者数は約1カ月で1億人増加した。死者数も600万人を超えた。

世界感染者は約5カ月で2億人から3億人に達していた。

多くの国で感染者数の増加ペースは鈍化しつつあるものの、1日当たりの新規感染者数はなお平均200万人を超えている。7日平均の死者数も過去5週間で70%急増した。

7日平均で感染者数が最も多かった上位5カ国は米国、フランス、ドイツ、ロシア、ブラジルで、世界の新規感染者数の約37%を占めた。また、世界新規感染者のほぼ半分が欧州諸国で報告されている。

米国は最多で、3日ごとに1日当たり100万人の新規感染者が報告されている。累計の死者は先週末時点で90万人を突破した。

フランスでは1日当たりの新規感染者が7日間平均で21万人超となっている。累計の感染者は先週2000万人を超えた。

インドでは4日時点で、累計の死者が50万人を突破した。

「アワー・ワールド・イン・データ」によると、世界人口の約62%が少なくとも1回目の新型コロナワクチンを済ませている。しかし低所得国で1回目接種を受けた人は11%程度にとどまっている。【2月10日 ロイター】
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日本でも把握されていない無症状感染者が多いのでは・・・という話がありますが、途上国を含めた世界でみると把握されている「4億」という数字より実際ははるかに多いのかも。

感染者数の国別ではアメリカが約7700万人で最多で、インド(約4230万人)、ブラジル(約2670万人)、フランス(約2110万人)、英国(約1800万人)と続いています。

【欧米で加速する規制緩和の流れ 「新型コロナはもはや社会への危険とは見なされない」とも 背景には文化・死生観も】
ただ、感染力は強い一方で、重症化は比較的少ないオミクロン株に変化したこと、ワクチン・治療薬も一定に存在することで、ピークアウトしつつある欧米では、規制を緩和し「ウィズコロナ」の流れを明確に示すようになっています。

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感染者数に関しては、日本を含む各国で急増する一方、昨年12月から爆発的に増加していた欧米諸国では既にピークを越えたとの見方もある。一時は100万人超の新規感染者を出していた米国では、今年1月下旬から減少傾向に転じている。

ワクチン接種が進み、オミクロン株が軽症傾向であることから、欧州では軒並み規制緩和が進められている。英国のジョンソン首相は「ピークを過ぎた」とほとんどの規制撤廃を表明。北欧でも2月上旬から規制緩和が始まり、デンマークは1日からコロナ規制の大半を解除した。【2月9日 時事】 
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上記のようにデンマーク、そしてスウェーデンでは規制をほぼ全面解除しています。

****デンマーク、コロナ規制を全面解除 「以前の生活」復活へ*****
デンマーク政府は26日、新型コロナウイルス関連の国内規制を、来月1日から事実上全面的に解除すると発表した。同国では新規感染者数が過去最多を更新する状況が続いているが、ワクチン接種率が高いことから、感染後の症状が比較的軽度な変異株「オミクロン株」に対応できるとしている。

メッテ・フレデリクセン首相は記者会見で、「私たちは制限に別れを告げ、コロナ以前の生活を歓迎する」と述べた。

AFPの調査によると、欧州でオミクロン株による感染の波が広がる中、国内の規制を解除する欧州連合加盟国はデンマークが初めてになる見通し。

フレデリクセン氏は、ワクチンが「強力な武器」であることが証明され、接種計画の成功によって同国は「今も続く感染に対する強力な防御力を手に入れた」と説明。「このため政府は、コロナウイルスがもはや、社会を脅かす病気とみなされるべきではないと判断した」と述べた。

規制解除後は、ワクチンパスポートの提示、マスク着用、バーやレストランの営業時間短縮などの義務がなくなる。ただし水際対策については、入国者の感染歴などに応じた検査や隔離の義務付けなど一部の措置を4週間継続する予定。 【1月27日 AFP】
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デンマークでは感染自体が収束している訳ではなく、逆に、上記「全面解除」発表のあった1月26日は新規感染者は46747人、日本の人口に置き換えると約100万人(!)という、まさに感染爆発のさなかでした。現在も3.5~4万人のハイペースが続いています。

****スウェーデン、コロナ規制ほぼ全面解除 事実上の終息宣言****
スウェーデンで9日、ほぼ全ての新型コロナウイルス制限措置が解除された。事実上のパンデミック(世界的大流行)終息宣言となる。無料のコロナ検査も打ち切られる。

ハレングレン保健相は「パンデミックは終わっていないが、急速な変化や制限の観点からは終息したと言える」とし、新型コロナをもはや社会への危険とは見なされないと述べた。

9日から、バーやレストランは午後11時以降の営業が許され、収容人数の制限もなくなる。大型屋内施設の入場制限やワクチン接種証明提示義務も撤廃される。

しかし、なお約2200人の新型コロナ患者が国内の病院に入院しており、科学者らはより忍耐強く対応すべきという見方を示している。【2月10日 ロイター】
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スウェーデンも1月末にピークを迎え、現在は急速に減少しているものの、新規感染者数自体はハイレベルにあります。

(万事に慎重・過敏な日本と比べると)欧米の対応は、感染症対策としての側面の他、「行動制限」と個人の自由をどのように考えるか、疫病による災難にどのように向き合うか・・・といった文化・死生観を反映したものに思われます。

【仏英米も同様 政治的思惑も?】
英仏など主要国でも同様の流れ。

****フランス 屋外でのマスク着用義務を撤廃****
フランスでは新型コロナウイルスの1日あたりの感染者が30万人を超える中、感染状況は改善しているとして屋外でのマスクの着用義務などが撤廃されました。

フランスでは2日、新型ウイルスの感染状況が改善しているとして、屋外でのマスクの着用やテレワークの義務が撤廃されました。また、劇場やスタジアムなどの人数制限もなくなりました。

市民「私はマスクを着け続けると思います。抵抗はありません」「いつもの癖でマスクを着けていますが、呼吸が楽になるし(撤廃は)いいと思います」

今月16日からは、映画館での飲食やバーでの立ち飲みなども認められる予定です。

フランスの1日あたりの感染者数は、先月25日、50万人を超えて以来、減少傾向にありますが、依然30万人を超えています。【2月3日 日テレNEWS24】
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フランスの50万人、30万人というのも、日本の人口で言えば100万人、60万人のレベルです。
フランスでは、こうした規制緩和の一方で、飲食店で「ワクチンパス」が必要になるワクチン接種を実質義務化する対策も行っており、強い反発も出ています。 マスク着用義務撤廃はそうした反発を緩和する狙いもあるのかも。

****フランス、ワクチン実質義務化=不正に厳罰、各地で抗議デモ―新型コロナ****
フランスで24日、16歳以上に新型コロナウイルスワクチンの接種を実質義務化する「ワクチンパス」導入の法律が発効した。偽の接種証明書を所持するなどの不正行為には最大で禁錮3年と4万5000ユーロ(約580万円)の罰金が科される。

ただ、義務化に反対する声も根強く、発効に先立つ22日、各地で計約4万人が抗議デモを行った。
 
新たな措置では、飲食店などで提示が必要なパスについて、ワクチン接種完了か、6カ月以内に新型コロナが治癒したことの証明を義務付けた。健康上の理由で接種できない人は免除される。これまでは陰性証明だけでもパスを取得できた。【1月24日 時事】
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話が横道にそれますが、欧米におけるワクチン接種義務化反対に見られるように、他人の迷惑になろうが、嫌なものは嫌だ・・・という明確な自己主張は、先日の北京五輪女子ジャンプ「失格問題」で「謝罪」する高梨選手にみられる日本社会のメンタリティーとは全く異質です。

****高梨沙羅の謝罪、海外メディアは驚きをもって報道「他の人々が怒っているのとは…あまりにも対照的」****
(中略)高梨は9日、SNSで「日本チームのメダルのチャンスを奪ってしまった」「皆様を深く失望させる結果となってしまった」と謝罪。「誠に申し訳ありませんでした」「私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です」「深く反省しております」(原文まま)などとつづった。
 
この発信を、英ロイター通信は驚きをもって伝えた。「高梨沙羅が、ジャンプ混合団体で、日本のメダル獲得の望みを打ち砕いたスーツ規定違反を、多くの人々の態度とは反対に謝罪した。他の人々が物議を醸した失格に怒っているのとは、あまりにも対照的だ」(後略)【2月9日 中スポ】
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もっとも、日本社会でも「高梨選手が謝罪する必要はない」との声も出るようにはなっているようです。
ただし、高梨擁護論は高梨選手が謝罪したからであって、もし「私は悪くない」と主張していたらバッシングを受けたかも。化粧すら批判される社会ですから。

話としてはこっちの方が面白いですが、コロナに戻ります。
フランスの次はイギリス。

イギリス政府は、オミクロン株のピークは過ぎたとして、1月27日、屋内でのマスク着用義務やイベント会場でのワクチン接種証明の提示など、ほとんどの規制を撤廃しました。今月11日からはワクチン接種を完了した人の入国後の検査も不要になっています。

更に、感染者の自主隔離も一か月前倒しして、今月中に不要とするとのこと。

****イングランドの自主隔離、今月中に撤廃…感染ピーク過ぎ社会活動正常化へ****
英国のジョンソン首相は9日、ロンドンを含むイングランドで、新型コロナウイルスの患者に義務づけている最短5日間の自主隔離を今月中にも撤廃する方針を示した。英国は変異株「オミクロン株」の感染拡大がピークを過ぎたとみなし、社会活動の正常化を目指している。
 
英議会で表明した。ジョンソン氏は、「現在のデータの傾向を考慮すれば、自主隔離も含めた最後の規制を1か月早く、撤廃できると期待している」と述べた。
 
英国では1月上旬、1日の新規感染者数が20万人を超えたが、足元では5万〜6万人で推移している。既に、入国規制やマスクの着用義務など、多くの規制が撤廃・緩和されている。【2月9日 読売】
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ほぼ、インフルエンザなどと同じような扱いということでしょうか。

ジョンソン首相は、新型コロナ規制下の首相官邸でパーティーが繰り返されていた疑惑や、野党党首に対するデマに基づく批判発言などで、ヨレヨレ状態にあります。
“大手機関ユーガブが1月末に実施した世論調査によると、英国民の63%が首相の辞任を求めた”【2月10日 朝日】

そうした政治状況を抜け出すためにも、コロナ対策で国民受けがいい施策をなるべく早く取りたい・・・という思惑もあるのかも。

もちろん、前述のように基本的には「行動制限」と個人の自由をどのように考えるか、疫病による災難にどのように向き合うか・・・といった文化・死生観を反映しています。

ワクチン接種が他国に先駆けて進んだイギリスでは、昨年7月段階で一度「コロナとの共生」を打ち出していますが、そのときの自己責任を強調し、「さらに死者が出ることを受け入れなければいけない」というジョンソン首相発言にもそうした文化・死生観が明確に出ています。

****英イングランド、マスク義務など解除へ 自己責任のコロナ対策訴え*****
ボリス・ジョンソン英首相は(2021年7月)5日、イングランドで新型コロナウイルス対策として導入されているマスク着用義務やソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)などの規制の大半を今月(2021年7月)19日に解除すると発表した。政府の命令ではなく、個人の自己責任により感染を防ぐよう訴えた。
 
規制の全面解除は当初6月21日に予定されていたが、感染力の強いデルタ株の感染拡大を受け延期されていた。英国では現在までに、デルタ株が新規感染のほぼすべてを占めるまで拡大。新規感染者が急増し懸念を生んでいる一方で、大規模なワクチン接種が奏功し、入院患者や死者の急増には至っていない。
 
ジョンソン氏は「このパンデミック(世界的な大流行)は終わりには程遠い。19日までに終わることは決してない」と警告。「悲しいことながらも、新型ウイルス感染症によりさらに死者が出ることを受け入れなければいけない」と述べた。(後略)【2021年7月6日 AFP】
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岸田首相が「さらに死者が出ることを受け入れなければいけない」と言ったら、叩かれるのでしょうね・・・。

未だハイレベルの感染状況が続くアメリカでも、マスク着用義務が解除されつつあります。

*****米民主党知事州、相次ぎマスク着用義務解除****
米国で新型コロナウイルスの新規感染者の減少を受け、民主党州知事が相次いで学校などでのマスク着用義務を解除すると発表している。ウィズコロナ政策への移行を示唆するものだ。
 
米国では新型コロナ流行当初、マスク着用が政治論争の的となった。民主党知事州の多くが厳しい着用義務を課す一方、テキサスやフロリダなどの共和党知事州は着用義務化を禁止した。
 
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は7日夜、屋内公共施設でのマスク着用義務について、ワクチン接種済みを条件に15日に解除すると発表した。一方、未接種者は引き続き屋内でのマスク着用が求められるとして、ワクチン接種を呼び掛けた。
 
ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事も、来月7日から学校でのマスク着用義務を解除すると発表した。
コネティカット州のネッド・ラモント知事は、今月28日から学校でのマスク着用を義務解除するよう教育委員会に勧告していると述べた。
 
デラウェア州のジョン・カーニー知事は、マスク着用義務について、屋内公共施設では11日、学校では来月31日に解除すると明らかにした。 
オレゴン州のケート・ブラウン知事も、マスク着用義務を来月31日まで解除すると発表した。
 
ニューヨーク州は、新型コロナ感染対策規制の解除を公式に発表していない。しかし、米紙ニューヨーク・タイムズは関係筋の話として、キャシー・ホークル知事が屋内公共施設でのマスク着用義務を9日に解除する見通しだと伝えている。 【2月9日 AFP】
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ニューヨーク州ホークル知事も9日、今月10日から屋内でのマスク着用義務を解除すると発表しています。

一連の動きは、中間選挙対策の側面もあるようです。

****中間選挙を意識? NY州などがマスク着用義務撤廃へ 有権者の不満背景に「通常への復帰」急ぐ***
(中略)バイデン政権が全米レベルの危機は去っていないとみて安全対策の緩和に慎重な姿勢を保つ中、規制に対する有権者の不満を背景に、一部の州知事は11月8日の中間選挙へ向け「通常への復帰」を急いでいるようだ。

(中略)規制緩和が可能になった要因として、知事たちは州内での新規感染者数の減少やワクチン接種率の向上をあげている。一方で、全員が秋の中間選挙での知事選を控えており、決定の背景に「2年近く続く厳しいコロナ対策にうんざりした世論」への配慮があったと米メディアは指摘した。

他方、英統計専門サイトによると、7日時点の全米の入院者数は9万6947人。8日まで1週間の死者数は1日あたり2481人で米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は9日、「入院者も死亡者も多い」と述べ、マスク着用を推奨する指針を維持する意向を示した。【2月10日 産経】
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私が暮らす田舎町にも、ようやくPCR検査を安価(2300円)でやってくれる民間施設がJR駅構内にオープンしました。致命的に遅すぎの感もありますが、これで「ウィズコロナ」にもなんとか・・・

でも、感染ピークが過ぎて希望者が減ったら、閉店してしまうかも。まあ、社会が感染を気にしなくなって・・・ということなら、それはそれでいいのですが。
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