テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

頭巾の下には、知性?

2013-09-15 21:51:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 のーもあッ、たいふうゥ!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!豪雨でしたー!)

 こんにちは、ネーさです。
 台風による大雨のため、ここ都下・八王子市でも一時的に
 土砂災害警報が出されて緊張を強いられました。
 幸い、現在は雨風も止んでいるので、
 安心して読書タ~イム!
 本日は、こちらのコミックス作品を、どうぞ~!

  



           ―― 修道士ファルコ ③ ――



 著者は青池保子さん、2013年9月に発行されました。
 先日は『修道士ファルコ』の①巻&②巻を御紹介いたしましたが、
 こちらの③巻に収録されているのは
 今年2013年に雑誌に掲載発表された最新作2話!

「ちゅうせいィのォ、おはなしィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:暗黒の中世!)

 主人公の修道士ファルコさんは、
 ③巻の冒頭で、
 スペインの港を発ってドイツのリリエンタール僧院へと
 ちょうど帰途に就くところ……
 そこに見送りに来てくださったのは
 カスティリアの王さまドン・ペドロ1世様でした。

 カスティリア(カスティーリャ)王ドン・ペドロⅠ様は
 1334年生まれ、1369年没。
 14世紀の御方ですね。

 中世の修道院を描いたウンベルト・エーコさん著の名作、
 『薔薇の名前』は
 1327年の出来事の記録でしたから、
 やはり14世紀の物語です。

 では、同じ14世紀に生きる主人公のファルコさんの生活も
 暗黒なのかしら?というと……

「そうでもォないィみたいッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:元気で賑やか!)

 ナバーラ王国では名の知れた騎士であったファルコさん、
 僧籍に入って後も、
 剣に長けた体育会系修道士として
 頼りにされちゃってます。
 
 今日もまた、
 溺れかけた末、疲労で動けなくなった同僚修道士の
 マティアスさんを背負って運ぶ羽目になりました。

「それだけじゃァないィのでスゥ!」
「ぐるるぅ!」(←訳:決戦だぁ!)

 聖セバスチャン教会に納められた聖遺骨の真偽をめぐり、
 ファルコさんに新たな任務が……?

「けッきょくゥ、いつもッ♪」
「がるがるぐるる!」(←訳:そうなりますね!)

 聖セバスティアヌスの伝説、
 そして
 森奉行(フォレストマイスター)という
 中世ドイツの官職をテーマにした物語は、
 暗黒と呼ぶほどに真っ暗ではなく、
 たくましく生きる庶民たちの生活ぶりも
 描きこまれています。
 それにもちろん、
 したたかで、葡萄酒大好き!な修道院の上司たちも。

「……しゅうどういんッてェ~…」
「ぐるるがるるっ?」(←訳:ヘンなところっ?)

 暗黒、とは限らない、
 活き活きした14世紀の暮らしを21世紀の私たちに見せてくれる
 修道士ファアルコさん。

 青池保子さんの大ファンの方々は
 とうの御存知でしょうが、
 中世のことを知らぬ活字マニアさん&コミックマニアさんも、ぜひ!
 できれば、①巻から順に読んでくださいね~♪

  

「ちゅうせいのことをォ~しりたいィのならッ!」
「がぅるるるぐるぐる!」(←訳:ファルコがいちばん!)



コメント
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