テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

アシストさんが、最強です?

2013-09-27 21:43:24 | ブックス
「こんにちわゥ~、テディちゃでス!
 むむッ! みえたぞォ、ふじさんッ!」
「がるる!ぐっるるぐるがるる!」(←訳:虎です!はっきり見えました!)

 こんにちは、ネーさです。
 空気が澄んで、今日はここ東京・八王子市内からも
 富士のお山を遠望することが出来ましたよ♪
 では、本日の読書タイムも
 江戸情緒が香る一冊を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  



 
             ―― 土蛍(つちぼたる) ――



 著者は近藤史恵さん、2013年6月に発行されました。
 副題に【猿若町捕物帳】とシリーズ名が付されています。

「もふゥ! とりものちょうッ!」
「ぐるるるる~!」(←訳:久しぶりだ~!)

 奉行所の同心さん、十手を持った親分さんが
 御用だ!と江戸の町を疾走する捕物帳――
 日本ならでは、なスタイルのミステリですね。

 著者・近藤さんは、
 現代の日本を舞台にしたミステリ作品、
 自転車競技のロードレース界を舞台にした『サクリファイス』シリーズ等で
 人気の作家さんなのですけれど、
 こちらの【猿若町捕物帳】も大人気!
 シリーズ第一作『円之丞鹿の子(えんのじょうかのこ)』に始まり、
 第五作目がこちらの『土蛍』となります。

「きたまちィ、でしたかァ?」
「がるるぐる?」(←訳:たしか南町?)

 玉島千蔭(たましま・ちかげ)さんは
 南町奉行所の同心さんです。

 二枚目で、権力を笠に着ず、
 女性にモテている……んですけど、
 堅物な玉島さん御本人は
 自分のモテ具合に気付いていません。

 なので、玉島さん付きの小者(用人さんのことですね)・八十吉(やそきち)さんは
 いつもはらはらさせられたりして。

「うむゥ! しらぬはァ、ほんにんばかりなりッ♪」
「ぐっるるが~る!」(←訳:もったいな~い!)

 収録されている短編4作品
 『むじな菊』
 『だんまり』
 『土蛍』
 『はずれくじ』
 では、さりげな~く玉島さんのモテっぷりが描かれておりますが、
 実はね、見逃しちゃいけないのは
 小者の八十吉さんの存在よ!

「やそきちさんッ?」
「がるるぐるるっ?」(←訳:なんでなんでっ?)

 ロードレース競技に喩えるなら、
 チームのエースは主人である同心の玉島さん。

 対して、使用人の立場に在る八十吉さんは
 エースを助けるアシスト、の役どころでしょうか。

 絶対的な強さを誇るエース。
 けれど、どんなに強いエースも
 アシストの献身なくしては
 勝利を挙げることは出来ない――

 八十吉さんの優しい目線、
 玉島さんの推理と炯眼、
 両者があって、この【捕物帳】に活力が生まれます。

「さいこうのォ、あしすとッ!」
「ぐるるがるがる!」(←訳:貴重な存在です!)

 表題作品『土蛍』もステキですが、
 私ネーさ的には
 『むじな菊』
 の八十吉さんがいい味出してるぅ!と思うのですよ。

 時代小説や捕物帳はあんまり……という御方にも
 おすすめの【猿若町】シリーズ、
 ぜひ一読を~!

 
「さいきょうゥあしすとォ、やそきちィさんッ!」
「がるるぐーるるがるるぐる!」(←訳:いつかエースになれるかも!)



コメント
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