テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

満腹を、お約束?

2018-05-04 22:10:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ~!
 ことしもォ、はじまりまスゥ~!!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!ジロ開幕~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい♪ 今年もグランツールの季節がやってまいりましたね。
 2018年のジロ・ディ・イタリアは、
 出発地がイスラエル→シチリア島を経由→イタリア半島を北上→
 山岳決戦ののち一気に南下→ゴール地はローマ!
 という変則コースです。
 今回はどんな新スターさんが誕生するのか楽しみにしながら、
 さあ、読書タイムもスタートですよ。
 本日は、こちらのアートエッセイ作品を、どうぞ~♫
 
  



        ――  名画の中の料理 ――



 著者はメアリー・アン・カウズさん、
 原著は2013年に、日本語版は2018年3月に発行されました。
 英語原題は『THE MODERN ART COOKBOOK』、
 お料理のレシピと、
 様々なお料理をテーマとするエッセイと、
 お料理もしくは食材を主題とする絵画で構成されたこの御本の、
 サブテーマは“混乱”かもしれません。

「えェ~とォ、うゥ~んとォ?」
「ぐるっるるがるるる?」(←訳:これってズレてる?)
「わざとォ、かなッ??」

 多くのレシピ本では、
 開いたページのどちらか片方がレシピ表と調理手順、
 もう片方にはお料理の写真やイラスト、
 という風に割り振りがされていますよね。

 ですが、この御本では、
 本文20ページに『ワイルド・アスパラガス』の調理法、
 その左手の21ページに
 エドゥアール・マネさんの『アスパラガスの束』と
 同じくマネさんの『一本のアスパラガス』が
 収録されていたりもするんですけども。

  文章と、
  その横に添えられている作品が
  どこかズレるんじゃ?

 と戸惑ってしまうこと多々、なのです。

 例えば、
 本文36ページ、
 《パブロ・ピカソの『殻つきウニのスクランブル』》
 なるレシピの左ページには、
 ルイス・ブニュエルさん撮影による
 ダリさんのお写真が。

「ふァ? ぴかそォさんはァ??」
「がるる??」(←訳:ウニは??)

 そして158ページのレシピ、
 《クロード・モネの『ミレーのロールパン』》
 の左ページにあるのは、
 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホさんのスケッチ『収穫』。

「これはァもうゥ、さくせんッでスねッ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:著者さんの作戦だ!)

 著者・カウズさんの、作戦なのか、狙いなのか。

 ともあれ、
 微妙な違和感がもたらす小さからぬ衝撃を乗り越えれば、
 こころ穏やかに文章を読み、
 図版を観賞できる準備も整います。

 そうして、あらためて読み、観てゆくと、
 この御本に収録されている図版、
 なかなかに珍しいものが多いことに気付かされます。

 201ページの
 フリーダ・カーロさん作『人生に直面し恐怖する花嫁』(1943)、
 私ネーさ、知りませんでした。

 253ページの、
 マックスフィールド・パリッシュさん作の壁画作品も、
 おお、初めて拝見しましたよ!
 パリッシュさんの画が、いまも大事にされてるなんて!
 なんだか感動です!

「うれしィ~おどろきィ!」
「がるるぐる?」(←訳:得した気分?)

 章ごとに、
 前菜からスープ、卵、魚、肉……と進んで、
 デザートがあり、
 ラストはデザート。

 野菜や、パンとチーズについての解説あり、
 詩人さんの詩歌あり、
 名作家さんの日記からの引用あり、と
 お皿への盛り付けぶりや
 スパイスの利かせ方にも凝りに凝ったこの一冊、
 読み終えたときには――

「ふゥ~、ごちそうゥさまァ♫」
「ぐるるるっる!」(←訳:美味しかった!)

 と、大満足できるはずです。

 アート好きさんも、
 食いしん坊さんも、どうか、ぜひ♪
 
 
 
コメント
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