テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

オールディズで、グッデイズ。

2018-05-13 22:13:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ははのひィはァ……うゥ~んとォ?」
「がるる!ぐるがるる?」(←訳:虎です!何を贈ろう?)

 こんにちは、ネーさです。
 Happy Mothers's DAY!な今日5月13日は、
 街にカーネーションのお花があふれていましたね♫
 しかし、ネーさ母の希望は《お花よりも日傘がいい!》……
 ふぅ、ヒトの好みってそれぞれだわ~と振り回された一日の、
 しめくくりの読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



       ―― タラント氏の事件簿 [完全版] ――



 著者はC・デイリー・キングさん、
 画像の日本語版は2018年1月に発行されました。
 1935年から1979年にかけて本国アメリカで発表された
 ミステリ作品12編から成る短編集です。

「いきのォながァ~いィ、みすてりィ!」
「ぐるがるるるる~!」(←訳:人気なんだよね~!)

 謎めいた紳士、トレヴィス・タラントさんを探偵役に、
 そして語り手の私=ジェリー・フィランさんを相棒役に配した
 《探偵タラント》シリーズは、
 古き佳き時代のミステリを愛好する活字マニアさんには
 よく知られた“名探偵もの”です。

 ただ、同時代の他の名探偵さんたちと
 タラントさんを比べる時、
 おやっ?と思わされるのは……

「はーどんぼいるどォ、じゃなくてェ~」
「がる!」(←訳:怪奇!)

 探偵タラント氏が誕生したのは、
 1934年のこととされています(初出誌は不明)。

 そのころ既に、
 ダシール・ハメットさんは『マルタの鷹』を発表していて(1930)、
 ミステリを専門とする米国の雑誌には
 数多くのハードボイルド小説が掲載されていたのですが、
 著者・キングさんが描いたのは、
 ハードボイルドよりも、
 《怪》を重視した作品でした。

 たとえば。

 真っ暗なメトロポリタン博物館で
 一夜を明かす……

 古写本の呪いと闘うために……。

「えッ? のろいィ??」
「ぐるるるがるー!」(←訳:そんなのヤダー!)

 ミステリ好きさんにはお馴染みの密室の謎も、
 やはり、不気味な空気が漂います。

 ドアを叩けど、まったく応えのない
 アパートメントのペントハウスから
 大音量で響き渡るのは
 パレストリーナの鎮魂曲の、暗い調べ……

 警官とともにドアをぶち破り、
 部屋に入ったタラントさんとフィランさんが目にしたものは。

「どことなァ~くゥ~…」
「がるるるるるるる?」(←訳:おどろおどろしい?)

 この“ほの暗さ”の源は、
 著者・キングさんの異色さから来るのでしょうか。

 1895年生まれのキングさん、
 心理学を学び、コロンビア大学で修士号を、
 イェール大学で博士号を取得、
 ミステリ小説家として活躍するも
 後年は心理学の研究に専念した――という、
 ちょっと変わりダネな作家さんです。

「ふむむッ、めずらしィ~けいれきィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:本物の博士だ!)

 心理学の博士さんと、
 怪奇の香りがする短篇ミステリ。

 現代のミステリとはひと味違うミステリを読みたい!
 とお考えのミステリ好きさんにおすすめの逸品です。
 万人向け、とは言えないかもしれませんが、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
 
コメント
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