テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 想像と創造の海賊 ~

2018-05-06 22:17:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わうゥ~…おわッちゃいィまスかァ~…」
「がるる!ぐるるるるるがる~!」(←訳:虎です!終わらないでGW~!)

 こんにちは、ネーさです。
 本日の読書タイムは、
 南の島でゴールデンウィークを満喫した皆さまにはなつかしさを、
 一方、国内のテーマーパークで、
 或いは自宅でDVD三昧だった方々も
 おお!と盛り上がること必定のノンフィクション作品をご紹介しますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



          ―― 海賊の文化史 ――



 著者は海野弘(うんの・ひろし)さん、2018年4月に発行されました。
 ええ、『海賊』と聞いただけで、
 瞼の裏にジョニー・デップさんのお姿を思い浮かべてしまう、
 そんな御方が多いことでしょう。

「じゃッくゥ・すぱろうゥ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:憎めない悪人!)

 海賊は、問答無用で縛り首――

 と言われていますけれど、
 デップさん演じる海賊スパロウが縄張りとしていたのは、
 カリブ海を中心とする海域でした。
 すなわち……

「あちちちィ~!」
「がるるるっ!」(←訳:気温高いっ!)

 そんな《海賊=南の海》のイメージは
 19世紀につくられたものだ、と
 著者・海野さんは御本のプロローグで述べています。

 海賊なる存在の始まりは、
 19世紀よりもはるか昔むかしの、
 古代ギリシアの時代にまでさかのぼり、
 トロイ戦争の発端になったのも
 国家間の貿易・海賊行為であったのだ、と。

「ぎりしあもォ、ろーまもォ」
「ぐるるるがっるるるる!」(←訳:海洋国家だったもんね!)

 複数の国家から成る古代ギリシア、
 そして古代ローマ、
 西洋文明の基盤を築いたふたつの政治体制が
 ともに海洋国家であったのは偶然ではないのでしょうが、
 そののちも、
 たとえばスペイン、
 ポルトガル、
 大英帝国、と
 海を制する国家が世界の命運をも左右する《大国》となりました。

 それら《大国》の影にうごめく海賊たちと、
 大航海時代の冒険者たち――
 コロンブスさん、マゼランさん、ヴァスコ・ダ・ガマさんたちは、
 非常に近い位置にいる。

 また、南の海の海賊たちとは異なる、
 北の海のヴァイキングも、
 海賊であり、遠征者であると言えます。

 近年、アメリカ大陸の発見者とされるのは――

「ころんぶすさんッ、じゃなくてェ~」
「がぅるるるる!」(←訳:ヴァイキング!)

 古代から19世紀まで、
 西洋世界と、太平洋やアジアの海へも“進出”した
 海の男たち。

 この御本では、
 そういった世界の海を渡り歩いた男たちの歴史とともに、
 彼らがどう描かれてきたか、も
 しっかり捉えられています。

 っていうか、そのパートこそ必読ですよ!

「かいぞくのォ、えいがッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:海賊の文学)

 本文227ページから展開される
 《19世紀 海賊文化の創生》では
 私たちが知る“海賊のイメージ”がどのように形成されたかを
 実に小気味よく語られています。

 特に、
 《海賊画の画家》ハワード・パイルさんについての文章は白眉です!

 画家・パイルさんに関するこれほど詳細な解説は、
 おそらく日本初!でしょう。

「かッきてきィ、でスねッ!」
「がるるぐる!」(←訳:歴史的瞬間!)

 私ネーさ、パイルさんの大ファンですので、
 本気で感涙いたしました。

 いえ、私ひとりにとどまらず、
 ディズニーのアトラクション《カリブの海賊》や、
 往年の海賊映画が好きな方々にも
 感銘深いこの文章、
 本当の本当におすすめです!!

 海賊たちはどこから来たのか、
 どこへ向かおうとしているのか――

「だれがァ、かいぞくをォ~」
「ぐるがるるる?」(←訳:創造したのか?)

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
 
コメント
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