テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 13の、嘆きと喜び ―

2018-10-08 22:19:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぷふふッ♪ くすくすくすッ♫」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!ああ愉快~!)

 こんにちは、ネーさです。
 英国人グラフィティアーティストのバンクシーさんが
 オークションで落札された直後の自作を
 額縁に仕掛けておいたシュレッダーで破壊!
 というニュースを見て大笑いしてしまいました。
 いやーそもそもバンクシーさんの作品が競売に出る時点で、
 何かヘンじゃん?と疑うべきだったのよね。
 楽しい気分でお腹を抱えながら、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらのご本を、どうぞ~♪
 
  



    ―― 史上最悪の破局を迎えた13の恋の物語 ――



 著者はジェニファー・ライトさん、原著は2015年に、
 日本語版は2018年9月に発行されました。
 英語原題は
 『IT ENDED BADLY:THIRTEEN OF THE WORST BREAKUPS IN HISTORY』、
 御本のカバー見返しにある説明文によれば、

 “歴史に名を残すカップルたちの別離にまつわる13の逸話”

 とありますが……。

「ぜんぶゥ、のんふぃくしょんッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:事実なんだ!)

 ニューヨーク在住の作家である著者・ライトさんは、
 御本の『はじめに』に、
 次のように明記しています。

   《人生で最高に厄介な事態は、
    別れが原因で引き起こされる》

 それでも、

   《われわれは失恋から立ち直って進み続ける》
   《別れを経験して、より深みのある人間になる》
   《より強く、賢く、いい人間になるのだ》と。

 ただし――

「ただしィ?」
「がるっ?」(←訳:うんっ?)

   《本書でとりあげた人々は例外である》

 とも言い切っちゃってます。

 ああ、なんと愚かな。
 救いようがないわ。
 
 と、ライトさんにダメ出しされてしまった13組の恋人たちとは、

 『ネロとポッペイア』
 『ヘンリー八世とアン・ブーリンとキャサリン・ハワード』
 『キャロライン・ラムとバイロン卿』
 『オスカー・ワイルドとアルフレッド・ダグラス卿』
 『オスカー・ココシュカとアルマ・マーラー』

 などの、現在でも話題にのぼり、
 小説化、映画化されることも少なくないカップルたち。

「うゥ、おもいィ~…!」
「ぐる~…!」(←訳:暗い~…!)

 そう、歴史に残る、
 あるいは歴史を動かすほどの悲劇的な失恋、となれば、
 雰囲気は重苦しくなりがちですが、
 著者・ライトさん、
 ユーモアとアイロニーで
 ずっしり重い空気を切り裂いてゆきます。

 愛すべき恋人たちは、
 よりいっそう愛らしく。

 憎むべき、呪わしくも邪悪で愚鈍な恋人たちは、
 よりいっそう憎たらしく。

「てかげんッなしィ!」
「がるるぐる!」(←訳:容赦もなし!)

 けれど、ときに。

 ライトさんの筆に、
 どうしようもない哀しみが忍び込みます。
 優しい微笑みも宿ります。

 オスカー・ワイルドさんが
 法廷で断罪され、
 恋人に裏切られ、
 創作の喜びをも見失い、
 それでもなお、愛するひとをただ許したとき。

 エリザベス・テーラーさんが
 華やかにも寂しく
 結婚と離婚を繰り返してゆくとき。

「ふゥ~…はッぴーえんどォはァ~…」
「ぐるがるる?」(←訳:どこだろう?)

 13の、悲しくも奇妙な、
 こころ掻き乱す物語。

 ノンフィクション好きな活字マニアさん、
 歴史好きな御方にもおすすめです。
 ぜひ、一読してみてくださいね♪
 

コメント
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