テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 忘れじのひと ~

2018-10-16 22:13:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ええェ~とォ、さかのぼるゥことォ~…」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!225年~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、今より225年の昔――1793年の今日10月16日、
 マリー・アントワネット王妃は断頭台の露と消えました。
 前回記事の、王妃とフェルゼン伯爵の書簡集に続いて、
 本日の読書タイムも
 歴史と係わりあるノンフィクション系の御本を、
 さあ、どうぞ~♪

  



          ―― 美貌のひと ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、2018年6月に発行されました。
 『歴史に名を刻んだ顔』と副題が付されています。

 日本の美術評論界に一石ならぬ大石を投じた《怖い絵》シリーズ、
 《名画の謎》シリーズで知られる著者・中野さんが、
 この新書でテーマに取り上げたのは……

「かおォ、でスねッ!」
「ぐるるぅっるるる!」(←訳:超えちゃってる顔!)

 簡単に忘れられてしまう平凡な顔とは正反対に、
 世の中には、
 とても忘れることなど出来ない、
 “特別な顔”がある――

 そう、きれいな顔という表現には納まり切れない、
 “特別な顔”。

「あれれッ? ここにはァ~…」
「がるぐるがる~!」(←訳:男の人もいる~!)

 “特別な顔”を持っているのは
 必ずしも女性とは限らないのよ。

 ルネサンスの三大美男?と称賛される
 画家パルミジャーノさん
 (本名はジローラモ・フランチェスコ・マリア・マッツォーラさん)。

 詩人のバイロン卿――
 第六代バイロン男爵ジョージ・ゴードンさん。

 作曲家にして《ピアノの魔術師》、
 フランツ・リストさん。 

「うむッ! きれいなァだけじゃないィでスねッ!」
「ぐるるる!」(←訳:面がまえ!)

 ツラ構え、というなら、
 本文176ページの、この御方も外せません。

 モンテスキュー伯爵こと、
 モンテスキュー=フェザンサック伯
 マリー・ジョセフ・ロベール・アナトールさん。

 フランスきっての名門貴族であるモンテスキュー伯は、
 プルーストさん作『失われた時を求めて』の
 シャルリュス男爵のモデルになった人物として
 活字マニアさんにもよく知られる存在ですね。

 そして、
 当時の(真の)貴族が有していた美学を論じたこの章、
 もうね、中野さんの真骨頂です!
 キラキラ光ってます!

「よみィのがさないィでェ~!」
「がるるるる!」(←訳:泣けるんだ!)

 もうひとつ、読み逃さないでいただきたいのは、
 御本の表紙にもなっている
 イワン・クラムスコイさん作
 『忘れえぬ女(ひと)』についての章です。

 モスクワ、サンクトペテルベルクの
 トレチャコフ美術館に所蔵されるこの作品を
 アート好きな方々はきっと御存知でしょう。

 彼女はいったい誰なのか?

 その瞳が見てきたもの、
 いま視ているものは?
 
 “特別な顔”の物語を締めくくるのに相応しい
 ドラマティックな《運命の女性》のこころの声を、
 皆さま、一読してみてくださいね~!
 
 


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