テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ともしび、遠くに。

2018-10-11 22:10:53 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……ぱふゥ~!」
「がるる!ぐ~る!」(←訳:虎です!ふ~う!)

 こんにちは、ネーさです。
 えー、なぜか毎週木曜日の恒例行事となっている
 Twitterでコミック!の更新ですが、
 おヒマでしたら、

   こちら

 を、ちょこっと覗いて、
 またかぁ~しょうがないな~と笑ってやってくださいね。
 では、ここからは
 気を引き締め直しての読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



           ―― 山小屋の灯 ―― 



 文章は小林百合子さん、写真は野川かさね さん、2018年7月に発行されました。
 ネット書店さんでは《エッセー・随筆》にジャンル分けされているようですが、
 これは……“異色の山ガイド”であり、
 “山小屋ガイド”としてもおすすめしたい作品ですよ。

「ふァいッ! テディちゃ、びッくりィしましたでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:ボクもボクも!)
「やまごやッてェ、たくさんッあるのでスゥ!」

 先日は、山小屋を舞台にした連作ミステリ
 大倉崇裕さん著『琴乃木山荘の不思議事件簿』を
 御紹介いたしました。

 標高2200メートルの山荘で起こる奇妙な出来事の数々は
 たいそう印象的でしたが……

 現実の山小屋って?
 どんなところなんでしょう?

 建物の造りは?
 ごはんは?
 お酒とか飲むの?

「とまッてェみないとォ~?」
「がるるるるぐる?」(←訳:分からないよね?)

 著者(文章)の小林さんが
 この御本の中で訪ねる山小屋は、16軒。

 奥秩父の十文字小屋に始まり、
 尾瀬の山の鼻小屋、
 大菩薩嶺の丸川荘、
 南アルプス前衛のマナスル山荘本館、
 霧ヶ峰のころぼっくるひゅって、
 南アルプスの両俣小屋……?

 山登りに縁のない私ネーさには、
 山の難易度、
 ルートごとの難易度、
 登る季節によって生じる違いなどが
 把握できなかったのですが。

「ちずゥ、みましょうゥ!」
「ぐーるるがるるる!」(←訳:ルートも分かるよ!)

 御本の巻末には
 JRやバスを使った登山道へのアクセス方法、
 小屋までの歩き方、
 各小屋の営業期間等が掲載されています。

 これらのアクセス&ルートと、
 小林さんの文章を照らし合わせながら
 読み進めてゆくと、
 少しずつ、少しずつ、見えてくるようです。

 山小屋へ至るまでの
 うねる傾斜道。

 ふと足を止め、息をついたとき、
 目に飛び込んでくる樹木のシルエット、
 山稜を昇る雲の流れ。

 やっと小屋に着いて、
 背中の荷を下ろして、
 いただく御飯の温かさと、
 小屋のオーナーさんとの会話。

「ふゆのォくうきはァ、りんりんッ!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:夜更けの星影キラリ!)

 山に来たのは、ほとんど一年ぶり――
 という奥秩父での“再生”。

 尾瀬の山小屋での、自炊体験。

 そして、八ヶ岳の雪の森の彼方の、
 山小屋の灯(ともしび)。

「あのォかおりィはァ~…」
「ぐーるーるぅ♪」(←訳:コーヒーだぁ♪)

 小林さんの文章と
 野川さんの写真に手を引かれるように、
 上へ、上へと身体を運んでゆくはて、
 視えてくる小さな灯火。

 山ガールさんでなくとも
 山男さんでなくても、
 こころ魅せられる“山の歩き方”の物語を、
 皆さま、ぜひ♪

 
 
 
コメント
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