テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

手紙は、語る。

2018-10-15 22:18:56 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 したまちィろけッとォ、ごうかァきゃすとォでしたでス!」
「がるる!ぐるがるるっるるる!」(←訳:虎です!演技濃ゆかったけど!)

 こんにちは、ネーさです。
 TVの10月期新ドラマの放送が始まって、
 『下町ロケット』に期待の声が高まる中、
 私ネーさが推したいのは
 『昭和元禄落語心中』(NHK総合/金曜午後10時~)!
 落語好きさんにも
 原作漫画ファンの御方にもおすすめしたいわ♫
 第2回の放送を楽しみに待ちながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  



      ―― マリー・アントワネットの暗号 ――



 著者はエヴリン・ファーさん、原著は2016年に、
 画像の日本語版は2018年8月に発行されました。
 英語題名は
 『I love you madly,Marie-Antoinette & Count Fersen,The secret letters』、
 『解読されたフェルゼン伯爵との往復書簡』と
 日本語副題が付されています。

「それはァ、ばらのォなまえッ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:ベルサイユのね!)

 前回記事では、
 《王妃アントワネット》
 《フェルゼン伯爵》と名付けられた薔薇の花がある、と
 御紹介しました。

 この御本は、まさに
 『ベルサイユのバラ』で
 漫画を愛する日本の少女たちに、
 さらにはコミック文化の境界を越えて
 多くの人に知られるようになった
 フランス王妃とスウェーデン貴族の、
 “素顔”を記したものです。

「しょうせつゥでもォないしィ~…」
「がるるるぐる~…」(←訳:歌劇でもない~…)

 マリー・アントワネットさん――
 すなわちフランス王妃と
 スウェーデン貴族の
 ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン伯爵は
 9年に渡って書簡を交わしていました。

 それらの書簡のうち、
 現存しているのは、
 わずか1割ほど。

 殆どが1791年から1792年にかけてのものですが、
 これまで未公表だった
 1788年から1790年にかけての
 6通の手紙を含む全書簡が
 この御本に収録されています――

 というか、
 この御本の内容ほぼすべてが、
 ふたりの手紙、なんです。

「すいそくゥ、ありませんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:解説も最少程度!)

 暗号や、
 特殊インクを使って書かれた手紙。

 書かれたこと、
 書いた日付は判っているものの
 現存していない手紙。

 暗号を解くための表も掲載されていますが、
 著者・ファーさんが重きを置いているのは
 暗号の謎ではなく、
 手紙の内容。

 王妃とフェルゼン伯爵だけではなく、
 外国王族と伯爵の書簡、
 伯爵が妹さんへ送った手紙、
 そして、本文後半になるにつれ
 伯爵の日記が頻出してきます。

「もはやァ、せつめいィいらないィのでス!」
「がるるぐるる……!」(←訳:革命の結果は……!)

 現代の私たちは
 革命の結末を知っています。

 けれど、王妃は、フェルゼン伯爵は、
 自分たちの“明日”を知らない――知りようがない。

 喜びと悲嘆、
 悔恨と慟哭、
 変えたくても変えられない、巨大な流れ。

 数奇な時代に生きた人々の記録は、
 とりわけ歴史好きな活字マニアさんにおすすめです。
 どうかぜひ、一読を♫
 
 
 
コメント
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