テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 手をたずさえて ―

2018-10-30 22:19:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 かぶゥでスかッ、だいこんッでスかッ?」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!ボクはカブ派!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、秋って根菜が美味しいんですよね。
 朝夕は寒くなってきましたから、
 カブのスープ(コンソメ味)の仕込みをしながらの読書タイム、
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― 世界史を変えた13の病 ――



 著者はジェニファー・ライトさん、原著は2017年に、
 日本語版は2018年9月に発行されました。
 英語原題は
 『GET WILL SOON:History's Worst Plagues the Heroes Who Fought Them』、
 “病とヒトの闘いの歴史”を探るノンフィクション作品です。

「ありそうでェ~なかッたのでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:病気の歴史本!)
 
 先日ご紹介しました『史上最悪の破局を迎えた13の恋の物語』では、
 ヘンリー八世やエリザベス・テイラーさんたち
 有名なカップルの出会いと別れを描いた著者・ライトさん、
 この御本でテーマにしているのは――

  《人類と病》。

「れきしをォかえるゥ、びょうきィ~…?」
「がーる?ぐるるる?」(←訳:えーと?何だろう?)

 私ネーさも、御本の題名を見たときは
 う~ん?と悩みました。

 まず思い浮かぶのは、結核……?
 あとは、そう、
 赤死病、じゃなくて黒死病、とか……?

「まだまだァ、あるのでスゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:危険な病気が!)

 著者・ライトさんが
 真っ先に取り上げているのは、
 
 『アントニヌスの疫病
  ――医師が病気について書いた最初の歴史的記録』。

 ローマ帝国衰亡の理由は
 ここに記された疫病が原因だ!と
 ライトさんは指摘します。
 
 疫病の正体は、発疹チフスか、麻疹か、天然痘か、
 特定できてはいませんが、
 総死亡者数は1000万人、
 おそらくは1800万人を超えていた……?

「ううゥ、こわいィ~!」
「がるぐるる~!」(←訳:膝が震える~!)

 続いて取り上げられるのは、
 腺ペスト、ダンシングマニア、
 梅毒、結核、コレラなど
 聞き覚えがある病名が挙げられていますが、
 それらに混じってただひとつ、
 異色といえる《病》の名に
 私たちは慄然とさせられます。

 それは、

 『ロボトミー』。

「……それはァ、びょうめいィでスかッ?」
「ぐるるがぅるるる?」(←訳:手術名じゃなくて?)

 ライトさんは『ロボトミー』の章に
 次のような副題を付けています。

 『人間の愚かさが生んだ《流行病》』――

 ヒトの手によって生み出された疫病、
 自然が産み落とした病ではなく、
 ヒトが始め、
 ヒトによって広められた病を、
 病を広めた者たちを、
 ライトさんは容赦なく糾弾します。

 ヒトからこころを、知性を奪う、
 そんなことがあってはならない!

「うんうんッ!」
「がるるぐる!」(←訳:絶対にだめ!)

 そして最後の、13番目に取り上げられているのは、
 『ポリオ』。

 ここでは『ロボトミー』とは反対に、
 ヒトが手を携えあって疫病に立ち向かう姿が描かれます。

 莫大な利益を得られるワクチンの特許を、
 ワクチンの発明者ソークさんは
 取得しませんでした。

 特許は誰のものでもない、
 太陽が誰のものでもないように、と言って。

「そのォ、こころざしィ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:あたたかいね!)

 病とは、何だろう。
 疫病に対して、どう戦えばいいのか。
 
 深く深く考えさせられる、
 全活字マニアさん必読の一冊を、ぜひ!
 

 
 
コメント
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