テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

色を、扉に。

2018-10-12 22:29:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 すまほでェ、ぱしゃりィ!」
「がるる!ぐるるるるがるぅ!」(←訳:虎です!デジカメでパシャ!)

 こんにちは、ネーさです。
 先週~今週末にかけてが運動会のピークでしょうか。
 記念のお写真を撮りまくるぞ!という方々は、
 レンズのお手入れや電池の残量チェックをしながら、
 さあ、今日も読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートBOOKを、どうぞ~♪
 
  



       ―― 色から読み解く日本画 ――



 著者は三戸信惠(みと・のぶえ)さん、2018年8月に発行されました。
 『Colors in Nihonga』と英語題名が付されています。
 
「そろそろォ、こうようのォしーずんッ♪」
「ぐるるがるる!」(←訳:錦秋の赤と黄!)

 この御本の著者・三戸さんは、
 日本初の日本画専門美術館として知られる
 山種美術館(東京都渋谷区広尾)の
 特別研究員さんです。

 テディちゃ、虎くん、
 山種美術館が所蔵する名品といえば、
 まず第一に思い浮かぶのは?

「ふァいッ! ほのおとォ、ちょうちょッ!」
「がるるぐるるるがるるる~!」(←訳:画面が燃えてるみたいな~!)

 ええ、速水御舟さんの代表作『炎舞』(1925年)ですね。

 『炎舞』に描かれているのは、
 おそらくは蛾であろうといわれていますが、
 闇色を背景にした、
 暗い朱赤……

 著者・三戸さんは御舟さんが使ったのは
 黄口朱(きぐちしゅ)でる、と解説しています。

 それは、例えば、ティツィアーノさんが用いたような、
 西洋の赤色とは異なる
 日本画独特の色彩表現であり、
 画材の特性であると言えましょうか。

「えのぐのォ、ちがうゥとォ~…」
「ぐるるがる?」(←訳:結果も違う?)

 《赤》《青》《黄》《緑》《金、銀》《白》《黒》。

 7つの《色》ごとに紹介されているのは、
 
 《赤》では『炎舞』や、
 伊藤若冲さんの『南天雄鶏図』。

 《青》では、
 東山魁夷さんの『年暮る』。

 《黄》では、
 松岡映丘さんの『千草の丘』。

 いずれも、
 この赤、この青、この黄なくしては描きようがない、
 色の生命力そのもの、な作品です。

「ひがしやまさんのォ、あおいろッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:緑もスゴイね!)

 《赤》や《青》など、
 わかりやすい7つの《色》の最後を〆る、
 いえ、御本の大トリに選ばれたのは、
 黒いニャンコ。

 菱田春草さんの『黒き猫』(1910)は、
 漆黒です。

 黄色く紅葉した柏の歯の下、
 座ってこちらをジッと見ている黒光りする、
 ネコの形をした《黒》――

「なでてェみたいィ~♪」
「ぐっるるがぅる!」(←訳:シッポがひゅん!)

 日本画と色の係わり、
 時代ごとの変移、
 この御本に収録されている作品を所蔵する美術館について、と
 アート好きな方々にとって
 読み応え&見応えたっぷりの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫


  
 
コメント
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