テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ふうがわり《捕物》続巻。

2018-12-04 22:11:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふうゥ~…きょうはァ、あつすぎィまスゥ~…」
「がるる!ぐるるがるる?」(←訳:虎です!ここは南半球?)

 こんにちは、ネーさです。
 まるでこれから真夏に向かう南半球であるかのような、
 あっつあつの小夏日和は、
 はい、怪談話日和でもありますね。
 本日の読書タイムは、
 前回記事にて予告しましたように、
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



            ―― ひょうたん ――



 著者は霧島けいさん、画像の文庫版は2018年10月に発行されました。
 《あやかし同心捕物控》シリーズの第二作目は、
 よりディープに
 “のっぺらぼうの世界”が描かれます。

「おえどォめいぶつゥ!」
「ぐっるるがる!」(←訳:のっぺら同心!)

 江戸の町の治安を守る北と南の二つの奉行所――

 柏木千太郎(かしわぎ・せんたろう)さんは、
 南町奉行所にその人ありと評判も高い同心さん、でございます。

 人柄がいい、腕が立つ、
 仕事ぶりもいうことなし。
 でもって。

 のっぺらぼう。

「ほんもののォ~」
「がっるるぐるがる!」(←訳:のっぺらさんです!)

 お顔がつるり、
 なぁんにもない、のっぺらぼう。

 初めて目にしたときはギョギョっとしますが、
 まあ二度三度四度とお見かけいたしますと、
 ああ、そういうもんなのかぁ、と
 腑に落ちたりなんかして。

 で、そうなるとまた、
 新たな思いってヤツが湧いてきます。

「あらたなァ、おもいィ?」
「ぐるる?」(←訳:例えば?)

 たとえば、そう――

 のっぺらぼうって、ごはんは?

「ふァ?」
「がるぅ?」

 ご飯は、お食事は、どうしているのかしら?

 だって、のっぺらなんですから、
 お口がないでしょ?
 
 お口が無いってのに、どうやって食事しているの?

「ううゥ~むゥ?」
「ぐるる~…?」

 その答えは、単純明快かつミステリアス。

 千太郎さんが、いつも腰に提げている
 ひょうたん。

 小ぶりなひょうたんの口へ、
 お酒をつつっと注ぎ入れれば、
 ああら不思議、
 千太郎さんの顔がほわっと赤くなります。
 お蕎麦や、ご飯も同じ。
 ひょうたんの中に納まれば、
 千太郎さんは自分のお腹を撫で、
 ああ食った食った、という仕種をいたします。

「じゃあァ、ひょうたんはァ~…」
「がるるるるるぐる??」(←訳:千太郎さんの胃袋??)

 のっぺらぼうさんの秘密兵器、ともいうべき
 このひょうたんが。

 或る日、紛失? いや、盗難の被害に??

「それッ、まずいィでスゥ!」
「ぐるるがるるるるるるー!」(←訳:ゴハン食べられないよー!)

 危機に陥った千太郎さんを、
 同心仲間の片桐正悟(かたぎり・しょうご)さん、
 岡っ引きの伊助(いすけ)さんは、
 いかにして救い出すのか?

 そして、ひょうたん消失の理由とは?

 表題作品の第一話『ひょうたん』、
 サスペンスを加味した第二話『丑の刻参り』、と
 2編から成るユニークな捕物控は、
 全活字マニアさんにおすすめです。

 また、年内にはシリーズ第三作も刊行されるそうですから、
 冬休みの読書タイムにも、
 皆さま、どうか、ぜひ一読を~♪
 
  
コメント
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