テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

しかない、って…ホント?

2018-12-11 21:56:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ゆきィ……じゃないィのでスゥ!」
「がるる!ぐるーる!」(←訳:虎です!雨でーす!)

 こんにちは、ネーさです。
 東京に今シーズン初の雪が?多摩地域にも雪が?
 とビクビクしておりましたが、
 いまのころ雨……いえ、そこそこ大雨です。
 大雪にならなくて良かったわぁ~♪とホッとしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの絵本作品を、どうぞ~!
 
  



      ―― それしかないわけないでしょう ――



 著者はヨシタケシンスケさん、2018年11月に発行されました。
 前作『みえるとか みえないとか』で
 私たちをノックアウトしてくれちゃった著者・ヨシタケさん、
 この御本でもやってくれます。

 はい、何をやってくれるのかといいますと。

「きせいィがいねんッ、ぶッとばせェ~!」
「ぐるるるがるるるる~!」(←訳:先入観も吹き飛ばせ~!)

 1の次には2がやってくる。
 Aに続くのは、B。
 あいうえお、と来たら、かきくけこ。

 ええ、そう、それは間違ってない、
 間違ってはいないんですけど……
 いいのかしら?
 そうだよ、
 それしかないんだよ!って、
 決めつけちゃっていいんでしょうか?

「えェ~とォ、そういわれるゥとォ~…」
「がるるぅるるぅ~…」(←訳:考えちゃうなぁ~…)

 この御本の中でも、
 ひとりの女の子が考えます。

 或る雨の日、
 学校から帰ってきたおにいちゃんが、
 女の子にこんなことを言いました――

   《…ねえねえ、しってる?
    みらいはたいへんなんだぜ。》

「ふァ?」
「ぐるぅ?」

 人口増による食料危機。
 疫病が蔓延し、
 戦争が勃発。
 宇宙人が攻めてきて、
 地球は崩壊……!!

「えええッ??」
「がる~っ??」

   《ぼくたちが おとなになるころには
    たいへんなことしか ないんだってさ。》

 女の子は、
 そんなお話を聞かされては無理もありませんけど、
 ガーンと落ち込んでしまいます。

 それはそうですよね、
 未来にはイヤなことや
 暗~いことしか起きないのだとしたら、
 落ち込まざるを得ないわよね……。

「いやいやいやッ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:そうとも限らない!)

 ここで登場いたしますのは、
 女の子の、おばあちゃん。

 ちょっと苦笑いして、
 おばあちゃんは言いました。

   《だーいじょうぶよ!》
 
   《それしかないわけ ないじゃない!》

「うッ、うゥ~んとォ?」
「がるるるるる?」(←訳:そうなのかな?)

 未来は、固定された“ひとつ”しかないのか。

 世界はすべて、
 黒か白かで割り切れるのか。

 それしかないよね……
 ってガマンして妥協して、それでいいのか。

「あかるいィ~あしたッ!」
「ぐるがるぐるるるるるー!」(←訳:無いとは断言できないー!)

 女の子とおばあちゃんが想い描く、
 無限に楽しい未来の絵姿とは?

 笑いも希望も、あっていいよね?

「ふァいッ!」
「がっるぐるるー!」(←訳:あっていいよー!)

 それしかない、で終わらせちゃ
 よくないんじゃない?
 もっと他に、
 何か他に――?

 チビっ子ちゃんたちの、
 そして私たちのハートもがっしり掴む
 ヨシタケさんの最新作、
 全活字マニアさんにおすすめです。
 皆さま、ぜひ一読を~♫

 
コメント
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