「こんにちわッ、テディちゃでス!
わいんッうりばァ、しゅつげんッ!」
「がるる!ぐーるがるるる!」(←訳:虎です!チーズ売り場も!)
こんにいは、ネーさです。
デパート&駅ビルのイベントスペースに
ワインやチーズなどパーティーフードの売り場が出現しました。
ここにケーキ売り場が加われば、
クリスマスシーズンの盛り上がりもピークに??
この週末のにぎやかな光景を想像しながら、
さあ、今日も読書タイムです。
本日は、こちらのSF作品を、どうぞ~♪
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―― 零號琴 ――
著者は飛浩隆(とび・ひろたか)さん、2018年10月に発行されました。
『零號琴』は、『れいごう きん』とお読み下さいね。
「むゥ~? かわッたァおなまえェでスゥ!」
「ぐっるがるるぐるぐる?」(←訳:琴って楽器の琴のこと?)
題名になっている《零號琴》とは、
或る“秘曲”を指すものです。
昔むかし、ではなく、
はるかな未来――
特殊楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクさんと
相棒のシェリュバンさんが
宇宙を旅しておりますと。
もの好きな大富豪さんに
目を付けられてしまいました。
「ええッ? なにもォしてないィのにィ~?」
「がるるるぐるる?」(←訳:人間違いだよね?)
居住化された惑星《美縟(びじょく)》。
《美縟》の首都には、
いえ、首都を中心とする大陸全土には、
古(いにしえ)の楽器《美玉鐘(びぎょくしょう)》が
埋もれている――
大富豪さんはそう言って、
思わせぶりにセルジゥさんを見やります。
「ふァ~、なァるほどォ!」
「ぐるるるる!」(←訳:スカウトだ!)
バラバラになって地中に眠っていた《美玉鐘》は、
首都《磐記(ばんき)》が
ちょうど開府500年になるのを機に
再建されようとしています。
そして、再建の暁には、
伝説の秘曲《零號琴》を鳴らしたい……!
「だからァ、すかうとォ、されちゃッたのでスねッ!」
「がるぅ~…?」(←訳:でもぉ~…?)
「うらがァありそうゥ!」
秘曲《零號琴》。
こんな機会は二度とない。
この宇宙で、一度きりしか鳴らない音だ――
そんな風に誘われたら、
用心深いセルジゥさんとて
否、とは言えませんが。
私たちは、知っています。
音とは、ときに危険なもの。
黒板とキーと擦る高音に眉をひそめ、
硝子が割れる音にキャッと叫び、
濁流の轟音には戦慄させられる……
《美玉鐘》は
いかなる音色を発し、
《零號琴》は
いかなる事象を引き起こすのか。
「おとをォめぐるゥ、ぼうけんッ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:スリルとサスペンス!)
さながら“SF版雨月物語”な導入部に対し、
頁が進むにつれ
物語にはシュールな笑いも侵入してきます。
多国籍パーティーフードのような
《零號琴》の宴の、行方は……?
技能を見込まれた、セルジゥさんたちの身の上は……?
2010年から2011年にかけ《SFマガジン》誌上に連載され、
今回の単行本化に際して
大幅な加筆訂正が為された長編作品は、
SF好きさんに、
ミステリ好きさんにもおすすめです。
連休の読書タイムに、ぜひ、一読を~♪
わいんッうりばァ、しゅつげんッ!」
「がるる!ぐーるがるるる!」(←訳:虎です!チーズ売り場も!)
こんにいは、ネーさです。
デパート&駅ビルのイベントスペースに
ワインやチーズなどパーティーフードの売り場が出現しました。
ここにケーキ売り場が加われば、
クリスマスシーズンの盛り上がりもピークに??
この週末のにぎやかな光景を想像しながら、
さあ、今日も読書タイムです。
本日は、こちらのSF作品を、どうぞ~♪

―― 零號琴 ――
著者は飛浩隆(とび・ひろたか)さん、2018年10月に発行されました。
『零號琴』は、『れいごう きん』とお読み下さいね。
「むゥ~? かわッたァおなまえェでスゥ!」
「ぐっるがるるぐるぐる?」(←訳:琴って楽器の琴のこと?)
題名になっている《零號琴》とは、
或る“秘曲”を指すものです。
昔むかし、ではなく、
はるかな未来――
特殊楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクさんと
相棒のシェリュバンさんが
宇宙を旅しておりますと。
もの好きな大富豪さんに
目を付けられてしまいました。
「ええッ? なにもォしてないィのにィ~?」
「がるるるぐるる?」(←訳:人間違いだよね?)
居住化された惑星《美縟(びじょく)》。
《美縟》の首都には、
いえ、首都を中心とする大陸全土には、
古(いにしえ)の楽器《美玉鐘(びぎょくしょう)》が
埋もれている――
大富豪さんはそう言って、
思わせぶりにセルジゥさんを見やります。
「ふァ~、なァるほどォ!」
「ぐるるるる!」(←訳:スカウトだ!)
バラバラになって地中に眠っていた《美玉鐘》は、
首都《磐記(ばんき)》が
ちょうど開府500年になるのを機に
再建されようとしています。
そして、再建の暁には、
伝説の秘曲《零號琴》を鳴らしたい……!
「だからァ、すかうとォ、されちゃッたのでスねッ!」
「がるぅ~…?」(←訳:でもぉ~…?)
「うらがァありそうゥ!」
秘曲《零號琴》。
こんな機会は二度とない。
この宇宙で、一度きりしか鳴らない音だ――
そんな風に誘われたら、
用心深いセルジゥさんとて
否、とは言えませんが。
私たちは、知っています。
音とは、ときに危険なもの。
黒板とキーと擦る高音に眉をひそめ、
硝子が割れる音にキャッと叫び、
濁流の轟音には戦慄させられる……
《美玉鐘》は
いかなる音色を発し、
《零號琴》は
いかなる事象を引き起こすのか。
「おとをォめぐるゥ、ぼうけんッ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:スリルとサスペンス!)
さながら“SF版雨月物語”な導入部に対し、
頁が進むにつれ
物語にはシュールな笑いも侵入してきます。
多国籍パーティーフードのような
《零號琴》の宴の、行方は……?
技能を見込まれた、セルジゥさんたちの身の上は……?
2010年から2011年にかけ《SFマガジン》誌上に連載され、
今回の単行本化に際して
大幅な加筆訂正が為された長編作品は、
SF好きさんに、
ミステリ好きさんにもおすすめです。
連休の読書タイムに、ぜひ、一読を~♪