テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

モノクロゆえに、深く、美しく。

2018-12-16 22:01:11 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでッス!
 ふゆゥはァ、ばてばてェ~でス!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!冬バテなんです!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏と同じく、気温差のある室内と戸外を行き来する冬も
 けっこう身体に負担がかかり、
 疲労が溜まってバテるのだそうです。
 今日はことのほか寒さ厳しい日曜日でしたから、
 じゅうぶん温まって手足もほぐれてきたら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♫

  

 
 
     ―― おとぎ話のモノクロームイラスト傑作選 ――



 解説・監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2018年11月に発行されました。
 『FAIRY TALE ILLUSTRATIONS IN BLACK AND WHITE』と
 英語題名が付されています。

 海野弘さん監修のもと、
 シリーズ化されて人気の“読むビジュアル・ブック”最新刊は、
 モノクロームのイラスト250点以上を収録する
 挿絵マニア諸氏待望のレアな一冊ですよ♪

「ありそうでェ~なかッたァのでス!」
「ぐるがるる!」(←訳:貴重なんだ!)

 19世紀から20世紀前半にかけて刊行された
 美しい挿絵本――

 少数(たぶん)ながら熱狂的なファンを持つ
 それら《絵のある本》は、
 どうしても華やかなカラー画が目立ってしまうのですが、
 黒インクとペン一本だけで描かれた
 モノクロームの挿絵も
 独特の味わいがあります。

「つめたいィのにィ、あたたかいィ~!」
「がるぐるるがるるるる!」(←訳:素朴だけどエレガント!)

 白地に黒い描線、というのは
 中世の修道院などで用いられた手法であり、
 北斎漫画など日本の版画の影響も感じられる図像たちを、
 監修者・海野さんは
 3つのパートに分けて紹介しています。

 1860年代のイラストレーターさんによる
 《第1の黄金時代》。
 
 世紀末(19世紀末)を、《第2の黄金時代》。

 20世紀初頭から第一次世界大戦までは《第3の黄金時代》。

 例を挙げると、
 『アリス』の画家ジョン・テニエルさんは、
 1860年代を代表する挿絵画家さん。

 ビアズリーさんによる不朽の名作『サロメ』は、
 世紀末を象徴する作品。

 『ピーター・パン』『テンペスト』他で知られる
 アーサー・ラッカムさん、
 E・デュラックさん、カイ・ニールセンさんたちは
 20世紀最高の挿絵画家さんであり、
 大人も子どもも楽しめる最高の絵本作家さんでした。

「どのォ、じだいィにもォ~♪」
「ぐるるるるがるぐるるる!」(←訳:素晴らしい本がザクザク!)

 この御本の中で
 活字マニアさんにじっくり見ていただきたいのは、
 本文102~109ページに掲載されている
 シドニー・ハーバート・シームさんの章です。

 名門貴族出身の詩人・作家である
 ダンセイニ卿(ロード・ダンセイニ)著『ペガーナの神々』の挿絵は、
 シームさんの名をアートブック史に刻む傑作!!!

「うゥッ、ほんものォ、みたいィ~!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:原画を見たいよう!)

 現代の日本のマンガにも通じるモノクロ線画の、
 シンプルであるがゆえに
 いかようにも奥深くなる挿絵の世界――

 クラシカルな絵本が好きな御方、
 アート好きさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 冬休みの読書タイムにも、おすすめです♪
 
 
 
 
  
コメント
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