テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― かがやく、海辺のまち ―

2018-12-13 22:00:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ふゥ~…こうようゥもォ、おわりィ~…」
「がるる!ぐるがるぐるるる~…」(←訳:虎です!ほぼ真冬だもんね~…)

 こんにちは、ネーさです。
 季節は秋から冬へと変わり、
 観光もオフシーズンへ……と思ったら、
 いやぁ、世の中にはあるんですね、季節とは無縁の観光地が♪
 本日の読書タイムは、
 そんな人気観光地を舞台にしたこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~!

  


 
       ―― ツバキ文具店の鎌倉案内 ――



 著者はツバキ文具店の皆さん、2018年8月に発行されました。
 小川糸さん著『ツバキ文具店』と
 続編の『キラキラ共和国』に登場する実在のお店や、
 神社仏閣をご紹介するガイドブック……であると同時に、
 鎌倉をテーマとするエッセイ作品でもあります。

「かまくらッ、だいィ~すきィでス!」
「ぐるる~!」(←訳:江ノ電~!)

 観光地って、
 例えば富士山のように、
 冬季は封鎖されて立ち入りも出来ない、
 山裾から眺めるだけ……といった場所もありますが、
 冬? 寒い?
 そんなの関係ないわ!な場所もあります。

 東京でいうなら、明治神宮さん&原宿周辺。
 神奈川県でいうなら、川崎大師さんや寒川神社さん。
 京都では、もうあっちもこっちも!

「おしょうがつゥにはァ、ゆかなくちゃッ!」
「がるるる!」(←訳:初詣に!)

 鶴岡八幡宮さんに押し寄せる初詣客さんは
 軽く数万人を超え、
 近隣の街路も人で埋めつくされるお正月。

 けれど、この御本の中にあるのは、
 穏やかで、物静かな、
 “地元のひとの鎌倉”です。

 鎌倉の、小高い山のふもとにある
 古くて小さな文房具店《ツバキ文具店》――

 店主の鳩子さんは、若い女性。

「はとこさんッ、ぐるめェなのでス!」
「ぐっるがるるぐるるる!」(←訳:だって鎌倉は美食の町!)

 『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』では、
 鳩子さんと友人知人さんたちは、
 鰻屋さんへ、
 洋食屋さんへ、
 バーへ、
 カフェへ、
 あるいはドイツパンのお店へ、と出掛けてゆきます。

「おとうふやさんッもォ~」
「がるーるるるるぐるるるる!」(←訳:カレー屋さんも出てくるよ!)

 そして、お食事や、
 お買い物に行く道すがら、
 ごく自然に、視界に入ってくるのは、
 鎌倉の要といえる古刹、地所。

 農協連即売所、
 鎌倉五山一位の建長寺さん、
 長い石段の妙本寺さん、
 洋風建築の文学館。

 ツバキ文具店の入り口にあるツバキの母株、
 藪椿(やぶつばき)の樹が花を咲かせる
 由比若宮さん。

「ふァ~…ここはァ、くうきがァきれいィ~…」
「ぐるがるる~…」(←訳:緑が深いね~…)

 鳩子さん、
 友人のバーバラ婦人は、
 男爵さん、あるいはQPちゃんは、
 何を想いながら鎌倉の町を歩き、
 買い物の荷物を手に家路に就いたのでしょうか。

 そうして、
 鎌倉を愛した文豪さんたち――
 小林秀雄さん、中原中也さん、
 川端康成さんたちに
 この町はどんな言葉を囁いたのでしょう?

「はまかぜェとォ~…」
「がるる~…」(←訳:砂の歌~…)
 
 コートのポケットに
 余裕で納まりそうな文庫本ですから、
 鎌倉へお出掛けするときは、
 旅行会社発行の旅ガイド本もいいんですけど、
 できればこの御本をお供にして
 古都の小路巡りをしてみてくださいね。

 フィクションと
 現実の町が重なってキラめく
 『ツバキ文具店』ファンさん必読の一冊を、
 皆さま、ぜひ♪
 

 
コメント
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