テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

声に、耳を。

2018-12-18 22:32:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……うんッ? くんくんッ、このォかおりィはッ?」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!お餅の香り~!)

 こんにちは、ネーさです。
 街角でふわりと漂ってきたのは、もち米を蒸す香り……?
 もうお餅作りの仕度が始まっているのかなぁ?と
 夕空を見上げながら、
 さあ、私たちは読書タイムの準備完了です。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


  
         ―― ムンクの世界 ――



 監修は田中正之(たなか・まさゆき)さん、2018年9月に発行されました。
 『魂を叫ぶひと』と副題が付されています。
 前々回、前回に続き、アートジャンル本の登場となりましたが、
 今秋冬の書店さんでは、
 エラいことになっちゃってますね。

「ふぇるめーるゥさんとォ~」
「ぐるるぅがるっ!」(←訳:むんくゥさんっ!」
「たいけつッ!」
「がる!」(←訳:決闘!)

 ええ、本屋さんの平台は、

   勝負だ!

 と形容したくなるほど、
 二人の巨匠さんの画集や、美術雑誌の特集号、
 おまけ付きのMOOK本、新書などなど、
 関連の書籍群に占拠されています。

 パッと見たところでは、
 フェルメールさん優勢……?

 いや、ムンクさんも負けてませんよね?

「むむゥ! どッちもォ、がんばれェ~!」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:どっちもすごいよ!)

 ヨハネス・フェルメールさんが生まれたのは、
 1632年、オランダの都市デルフト。

 エドヴァルド・ムンクさんが生まれたのは、
 1863年、ノルウエーのヘドマルク県。

 オランダとノルウェー――
 どちらもヨーロッパの北部に数えられる国ですが、
 二人の画家さんには決定的な相違点があります。

 フェルメールさんの生涯が
 おぼろにしか判っていないのに対し、
 ムンクさんの方は
 細部まで分かっているし、
 証言や資料も残っているし、
 ご本人が自撮りした写真まで現存しているんですから、
 目鼻立ちから服の趣味まで
 隠しようがありません。

 そして、この御本の主題もまた、
 ムンクさんの生涯に重きが置かれています。

「びょうきィとのォ、たたかいィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:別れとの闘い!)

 ムンクさんの作品すべてから
 こぼれ出、にじみ出るのは
 病の記憶であり、死の気配です。

 失った家族に、
 さらには自分の中に、
 常に“あちら”を意識するムンクさんが、
 画家になろううと決意し、
 批判を受けながらも
 留学のための奨学金を得て
 パリへと旅立ち、
 ドイツに赴き、
 やがて故国へ帰還する――

 その過程と、
 試行錯誤を重ねながら生み出された作品たちの数々。

「みどころはァ~…」
「ぐる!」(←訳:版画!)

 有名な『叫び』、
 油彩やテンペラの他に
 ムンクさんは版画制作にもチカラを入れています。

 この御本では
 ムンクさんの版画について詳しく言及されていて、
 もっともっとムンクさんの版画を知りたい!
 版画展も開催して欲しい!
 と思わされましたよ。
 
「うえののォ、」てんらんかいィはァ~」
「がるぐるるがる!」(←訳:1月20日まで!)

 『叫び』以外の、ムンクさんのこころの声を、
 アート好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめです!!

 
  

 
コメント
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