テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 黒髪よ、さらば? ~

2021-12-08 23:35:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわッ! こここッ、こわれッ??」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!壊れたぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、我が家のTVがコワレました。
 なぜなの~!と半ベソをかきながらも、
 さあ、メゲずに読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― ぬばたまは往生しない ① ――



 著者は久世番子(くぜ・ばんこ)さん、
 2021年11月に発行されました。
 先日は久世さん著『ひらばのひと』を御紹介いたしましたが、
 こちらは――

「へいあんッじだいィ~!」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:歴史ロマンです!)

 現代を舞台とする『ひらばのひと』から、
 一気に平安時代へ。

 そして、物語の主人公も、
 講談師のタマゴさんから、
 お姫さまへ。

 いえ、もう御一方……
 お姫さまに翻弄される
 お坊さまも主人公のひとりとして
 数えるべきでしょう。

「しゅッとしてるゥ~!」
「がるるるぐる!」(←訳:美男さんだね!)

 ”文殊菩薩の化身”と讃えられる
 若き僧侶、
 白顕(びゃっけん)さん。

 容貌が美しい上に、
 加持祈祷にも秀でているとあっては、
 都の貴族さんたちが
 放っておきません。

 うちのお殿さまに物の気が憑いた!
 どうかお祓いを!
 といった依頼が引きも切らず、 
 連日、あちこちのお屋敷に
 招かれる白顕さんですが。

 彼の前に現れるのは、
 物の怪ばかりとは、限らない?

「たいへんでスゥ、おひめさまがァ~!」
「ぐるがっるぅっる!」(←訳:髪を切っちゃった!)

 平安時代の女性にとって、
 長い髪を切るとは、
 出家――
 すなわち”尼になる”ということ。

 夫を亡くした女性、
 お歳を召した女性が、
 尼になる、のは珍しくないのですが……

 藤中納言家の姫君――
 ぬばたま姫さま。

  《俗世から自由になりたい!》

 と宣言して、 
 艶やかな黒髪を
 自ら進んで
 バッサリ短く切ってしまうとは、
 なかなかの冒険家さんでございます。

「まわりはァ、おおさわぎィ!」
「がるるるぐるる~」(←訳:右往左往だよね~)

 白顕さんは苛立ちます。

 なんと軽薄な!
 僧侶になるって
 カンタンに言っていいことじゃないんだぞ!

「それはァそうでスけどォ~」
「ぐるるるる~!」(←訳:落ち着いて~!)

 自由を求める姫さまと、
 白顕さんの攻防や如何に?

 また、姫さまたちを囲む
 脇キャラさんたちが楽しくて、
 背景には平安時代のイベントなども
 丁寧に描かれていて、
 感心したり、
 大笑いもさせられます。

 マンガ好きさんはもちろん、
 歴史好きな活字マニアさんにも
 激おすすめのコミック作品ですよ。
 どうか、ぜひ、一読してみてくださいね~♫


 
コメント
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