テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ここにも、博士が? ~

2021-12-07 22:40:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゆのォ、ふうぶつしィ~でスゥ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!良い香り~!)

 こんにちは、ネーさです。
 スーパーマーケットの果物売場には、
 大きなユズの実がごろんころん♪
 冬らしい眺めだわぁ~とほっこりしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
   ―― エミール・ガレ 自然の蒐集 ――



 編者はポーラ美術館学芸部の皆さん、
 2018年3月17日から7月16日にかけて
 ポーラ美術館で開催された
 『エミール・ガレ - 自然の蒐集』展の公式図録には、
 『Emile Gallé : Collecting Nature』と
 英語題名が付されています。

「がらすのォ、まじゅつしィ!」
「ぐるる!」(←訳:光の花!)

 エミール・ガレさん(1846~1904)。

 19世紀後半から20世紀初頭、
 花や樹木をモチーフとした
 ガラス工芸品が評判を呼び、
 現在でも大人気の
 アーティストさん、ですね。

「ゆりのォはなッ♪」
「がるぐるる!」(←訳:菊にアザミ!)

 ガレさんが得意としたのは
 日本美術の影響を受けた
 エレガントな図像……だけではありません。

 この御本の中でのガレさんは、
 
   フランス版カマキリ先生!

 と呼びたくなるくらいの
 ”昆虫博士”ぶりを発揮しています。

「くまぜみィ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:カマキリやカミキリ!)
「みつばちッ!」
「がるるるるっ!」(←訳:カブトムシッ!)

 そうなんです、
 本文104ページには
 『ギアナの森』と題された
 水差の写真図版が掲載されていて、
 その水差の、
 いちばん目立つ場所には。

 ヘラクレスオオカブトムシが、
 どーん!と。

「ふァ~…」
「ぐるぅ!」(←訳:迫力ぅ!)

 いやービックリしました。
 トンボや蜂、巻貝、蟹だったら、
 そう驚かないんですけれどね、
 繊細なガラス工芸品の主役が
 カブトムシくんですよ。

 ぶっ飛んだ意匠だわあ、
 ガレさんって
 本当にカマキリ先生だったのかしら?
 と思ったりしちゃいますが、
 実は、ワケがあるんです。

 19世紀後半……
 それは、
 《進化論》の時代。

 日本美術愛好家であるガレさんは、また、
 自然史学者の顔も持っていて、
 当時の社会を揺るがした
 ダーウィンさんの学説に
 注目していたのです。

「せいめいのォふしぎィ!」
「がるるるぐるるがるる!」(←訳:生き物の姿形の不思議!)

 生命の不思議を、
 ガラス工芸で表現する――

 花や樹木の可愛らしさだけではない、
 奇異とも言える
 《生きものの美》
 にも挑んだガレさんの姿勢を
 鮮明に浮き上がらせるこの御本は、
 現在、一般書店さんでの
 取り扱いはありませんので、
 アート系の古書店さんや
 図書館で探してみてくださいね。

 解説や年譜、
 コラムも充実しています。
 ガレさんのファンの方々は、
 ぜひ、一読を~♪
 
 
 
コメント
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