テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《雪》への挑戦! ~

2021-12-15 23:26:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおッ? しろいィ~かもッ?」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!白いね!)

 こんにちは、ネーさです。
 富士山の山肌が、
 すっきり白へと変わってきました。
 霊峰の冬姿を遠望しつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
        ―― 雪旅籠 ――



 著者は戸田義長(とだ・よしなが)さん、
 2020年7月に発行されました。
 先日ご紹介しました『恋牡丹』に続く
 《八丁堀の鷹 父子》シリーズの第2作です。

「ふァいッ! きたまちィさんッ、でスねッ」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:お江戸の捜査員さん!)

 江戸の町の治安を守る、
 北町と南町の奉行所。

 戸田惣佐衛門(とだ・そうざえもん)さんは、
 『八丁堀の鷹』と呼ばれるほど
 キレ味するどい町廻り同心さんです。

 この御本には、
 惣佐衛門さんと、
 その後継たる
 清之助(せいのすけ)さんが活躍する
 短編8作品が収録されています、が……

 ふっふっふ♫
 何が愉しいといって、
 表題作品『雪旅籠』の愉しさは、
 また格別でございますよ♪♫

「……もしかしてェ~…?」
「がる??」(←訳:雪が??)

 はい、そうです!
 雪!

 建物を取り巻く、
 真っ白な雪……
 足跡ひとつない、白い雪……
 そう、外から侵入した者の痕跡は
 どこにもない……

 なのに、
 建物の内部では
 不可解な事件が……!

「おおッ! それはァ!」
「ぐるがる~!」(←訳:横溝先生~!)

 まさしく、
 横溝正史さん著『本陣殺人事件』(1946)、
 J・D・カー(ディクスン・カー)さんの
 『テニス・コートの殺人』(1939)や
 『白い僧院の殺人』(1934)
 を彷彿とさせるのは、
 《足跡のない事件》のジャンルに属する
 とびっきりの意欲作!

「わくわくわくッ!」
「がるるるるるるる~!」(←訳:どうなるんだろう~!)

 古今東西、
 数多の作家さんたちが挑んできた
 《足跡のない》難事件の、
 お江戸版とは。

 はからずも
 事件に巻き込まれてしまったのは、
 惣佐衛門さんの後を継ぎ、
 同心のお役目に就いた
 清之介さんでした。

 雪が降る中、
 とある旅籠の、
 離れの一室に投宿した清之介さん。
 ぐっすり眠って、
 あぁ~よく寝たぁ~と
 目覚めた翌朝。

「とどろくゥ~ひめいィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:大騒ぎだよう!)

 清之介さんと同じ
 離れの棟に泊っていた人物の身に
 起きた異変……!

 雪の上に足跡がなく、
 自分以外に
 投宿者がいない、となれば。

「うううむゥ! ここはァ、やぱりィ!」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:証明しなくちゃ!)

 我が身の潔白を証明しようと、
 清之介さんが取った手立ては?
 
 雪乃密室をめぐる謎が
 ピカリと光る『雪旅籠』、
 また、
 桜田門外の変をテーマにした
 『逃げ水』も、
 ミステリ好きさん&時代小説好きな方々に
 おすすめの快作です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
  

  ↑2作品を並べてみました。
  西山竜平さんによる
  カバーイラストの美しさに拍手です♫


  
コメント
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