テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 王様は旅をする ~

2021-12-14 23:39:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うううゥ! ちゃむいィッ!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!凍えてます!)

 こんにちは、ネーさです。
 12月の寒波に打ちのめされて、
 手足はブルブル、
 歯はガチガチ……
 そんな日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


  
        ―― 時間の王 ――



 著者は宝樹(パオシュー)さん、
 2021年9月に発行されました。

 ええ、そうです、SF!
 家から一歩も出ずに、
 この寒さから逃れて
 何処か遠くへ行ってみたい……と思ったら、
 SF!ですよ~♫

「じかんのォ、かなたへェ~」
「ぐるぅーる!」(←訳:バビューン!)

 巻末の解説によれば、
 『宝樹』とは、
 名字と名前に分割せず、
 これでひとまとまりのペンネーム、
 なのだとか。

 宝樹さんが一躍有名作家の仲間入りをしたのは、
 或る世界的なベストセラー作品が
 きっかけでした。

 劉慈欣さん著
 『三体』。

 宝樹さんが手掛けた
 『三体』の二次創作作品が
 出版社の目にとまり、
 さらに、
 著者・劉慈欣さんからも公認されたのです。

「わほゥ! らッきィ~!」
「がるーるるぐる!」(←訳:ユニークな経歴!)

 宝樹さんの日本初の短篇集となる
 この御本には、

 『穴居するものたち』
 『三国献麺記』
 『成都往事』
 『最初のタイムトラベラー』
 『九百九十九本のばら』
 『時間の王』
 『暗黒へ』

 という7作品が収録されています。

 その中で、
 私ネーさのいちばんのおすすめは、
 表題作品の
 『時間の王』(2015年発表)!

「じかんのォ、おうさまッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:驚異のチカラだよ!)

 俺は時間の王だ――

 俺は飛ぶ。通り抜ける。
 自分の人生の
 あらゆる時間に、
 あらゆる瞬間に、
 “戻る”ことが出来る。

 パリの公園。
 大学のバスケットコート。
 上海の地下鉄。
 どこへでも、
 時間の壁をすり抜けて、
 ”戻る”ことが出来る。

 でも。

 俺の望み、
 真に願うことは、ただひとつ。

 十歳の頃、
 病院で出会った少女。

 彼女に会う。
 彼女とともに生きる。
 彼女とともに、ずっと。

 でも。

「ううゥ! うまくゥゆかないィ~!」
「がるるるぐるる!」(←訳:時間の王なのに!)

 時間を支配する王――俺。

 けれど、王にも出来ぬことがある?
 王の手でも、
 届かぬ場所がある?

 短編作品でありながら、
 長編を読んでいるかのような
 深遠な《時間の旅》は、
 SF好きさんのみにとどまらず、
 全活字マニアさんに激推ししたい傑作です。
 他作品と併せて、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
 
 
コメント
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