テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ひそかな反抗? ~

2021-12-23 23:22:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わほッ♪ はやくもォ~はつばいちゅゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!行列もあり!)

 こんにちは、ネーさです。
 駅ビルのイベントスペースには
 ケーキを販売するブースが並んでいますね。
 流れるクリスマスソングを聴きながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 犬神家の戸籍 ――



 著者は遠藤政敬(えんどう・まさたか)さん、
 2021年10月に発行されました。
 『《血》と《家》の近代日本』
 と副題が付されています。

「むむむッ! きんだいちィさんッ!」
「ぐるーるるるがる!」(←訳:シリーズ中の名作!)

 今秋、BSプレミアムのドラマ
 『獄門島』を見たことがきっかけとなり、
 横溝正史さんの作品再読に
 ハマる羽目になった私ネーさですが、
 まさに、グッドタイミング!

 『犬神家の一族』の歴史背景を
 主題とするこの御本が刊行されるとは!

「いぬがみィいちぞくのォ、ひみつゥ!」
「がっるぅるぐるる!」(←訳:探っちゃうのです!)

 犬神佐兵衛さんが
 信州の地に築いた犬神財閥。

 横溝さんが描く物語は、
 佐兵衛さんが遺した巨額の財産を、
 いえ、財産の受益者をめぐる
 複雑な事件です。

 そう、複雑。
 何がどう複雑かというと、
 佐兵衛さんの《家》の、
 家系図というか相関図というか、
 人間関係が
 エラいこっちゃ!
 になっていて。

「おおぜいィ~だしィ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:入り組んでるし!)

 系図を見ながら読まないと
 ストーリーについて行けない、
 といっても過言ではないカオスなミステリの
 中心にいるのは。

 謎の人物・佐兵衛翁。

「しょうたいィ、ふめいィ!」
「がるるぐる!」(←訳:来歴も不明!)

 佐兵衛さんは実質的に
 “捨て子“であったと
 著者・遠藤さんは推定します。

 どの家にも属さない、
 《戸籍》を持たぬ存在として
 登場した佐兵衛さんが、
 成長し、
 富豪となって、
 《家族》を形成してゆく――

 それは、
 美しい物語になる可能性も
 充分にあったはずなのに、
 なぜ、
 惨劇へと変わってしまったのか。

「かなしいィのでスゥ~…」
「ぐるる~…」(←訳:切ない~…)

 近現代の日本社会を
 静かに支配する
 《戸籍》。

 佐兵衛翁は、ひそかに、
 《戸籍》というIDシステムへの反抗を、
 いえ、反逆を企んでいたのでしょうか。

「しょうたいィ~だけでなくゥ!」
「がるるぐる?」(←訳:真意も不明?)

 《戸籍》に視点を据えて、
 眺め直してみる
 『犬神家の一族』。

 佐兵衛翁の物語に留まらず、
 犬神家の本拠となった
 信州地域の特産や
 明治の生糸産業についての記述もあり、
 ノンフィクション好きな活字マニアさんにも
 おすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 
コメント
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