「こんにちわッ、テディちゃでス!
どォれェをォ~みィよォうゥかァなァ~♪」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!期待値MAX!)
こんにちは、ネーさです。
冬季のドラマが放送を終え、
春季の新ドラマが始まる4月上旬……
今期は『ミステリと言う勿れ』に匹敵する
快作と巡り会えるでしょうか?
TV局の制作スタッフさんたちにエールを送りつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♫
―― モンタギュー・エッグ氏の事件簿 ――
著者はドロシー・L・セイヤーズさん、
2020年11月に発行されました。
英国で出版された作品をもとに
日本で独自に編まれたこの短編集には
『The Casebook of Montague Egg』
と英語題名が付されています。
先日はセイヤーズさんの代表作ともいえる
『ピーター卿の遺体検分記』を御紹介いたしましたが、
こちらの『モンタギュー・エッグ氏の事件簿』には、
ピーター・ウィムジー卿ものが1作、
モンタギュー・エッグ氏ものが6作、
ノンシリーズもの6作、
と計13の短編ミステリが収録されていますよ。
「おしゃれェなのでス!」
「ぐるるっるがるる!」(←訳:クラシックなんだ!)
英国ではアガサ・クリスティーさんと並ぶ
《ミステリの女王》として愛されている
ドロシー・L・セイヤーズさん(1893~1957)。
セイヤーズさんの作品で最も有名なのは、
前術しましたように、
貴族であるピーター・ウィムジー卿が
名探偵ぶりを発揮するシリーズです。
が、この御本で
ピーター卿に比肩する活躍をみせてくれるのは……
モンタギュー・エッグさん。
「おしごとはァ、はんばいいんッ!」
「がるるるぐるがる!」(←訳:歴とした庶民です!)
モンタギューさん、いえ、
モンティさんをお呼びしましょうか。
えへん、モンティさんのお仕事は。
プラメット&ローズ酒造ピカデリーの、
訪問販売員さん、です。
つまり、
ワインやブランデーなどの酒類を販売するひと、
現代で謂う、営業さんであり、
外商さんでもあるような役どころ。
優雅な暮らしの貴族さまと違って、
今日もまたモンティさんは、
ロンドン市内で、郊外で、
馴染みのお客様やパブ、レストランに、
お酒を販売しております。
そんなモンティさんが事件に遭遇したのは、
ロンドンの中心街を
車で流していたときのこと――
「おやッ? あれはァ~…?」
「ぐるがる?」(←訳:何の騒ぎ?)
街路樹の下、
一団の人びとが枝を見上げて、そわそわ。
何ごとだろうかと近付いたモンティさんも、
一緒に枝を見上げてみれば。
にゃ~ん。
「あはァ! にゃんこォ!」
「がぅるるがる!」(←訳:ニャン救だね!)
街路樹の枝に登ったはいいものの、
降りられなくなってしまった猫一匹を、
持ち前の機転で救出したモンティさん。
猫の飼い主の女の子から、
不思議な話を聞かされます。
《求む。勤勉で優秀なネコ(性別問わず)》
それは、新聞の広告でした。
優秀なネコが欲しい、
お代として10シリング出しましょう、
という広告に応じて
ネコを連れてゆくのだという彼女に、
モンティさんは同行を申し出ます。
販売員の血が疼く、
いえ、第六感が囁きます。
ネコが欲しくて、
わざわざ広告? 10シリング?
何か、おかしくないか……?
「むふふッ!」
「ぐるる!」
題名は、
『マヘル・シャラル・ハシュバズ』――
コナン・ドイル卿の『赤毛組合』や
『ぶなの木屋敷の怪』を彷彿とさせるこの物語で、
モンティさんの炯眼は何を見抜くのか。
ネタバレ回避のため、
これ以上はお喋りできませんけれども、
全13作品、
どれもセイヤーズさんらしさが溢れんばかり!
「これぞォ、みすてりィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:エンタだよね!)
古き佳き時代の英国ミステリが大好きな方々に、
短編好きな方々にも
おすすめの作品集です。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪