「こんにちわッ、テディちゃでス!
おひさまがァ~こいしいィでスよゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!関東は天候不順!)
こんにちは、ネーさです。
八重桜が満開だというのに、
青空はどこ?と嘆きたくなる4月中旬……
やわらかな春の陽射しに恋いこがれながらの
本日の読書タイムは、
さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― ミス・サンシャイン ――
著者は吉田修一(よしだ・しゅういち)さん、
2022年1月に発行されました。
『Miss Sunshine』と英語題名が付されています。
杉本博司さんによる
シックかつ雅やかなカバー写真に導かれ、
表紙を捲れば……
「どッ、どうしようゥ~??」
「ぐるがるるる!」(←訳:足がガクブル!)
メモを片手に、
とあるマンションの門前で立ち竦んでいるのは、
岡田一心(おかだ・いっしん)くん。
立ち竦んでしまうのも無理からぬことで、
このマンションというのが、
皇居に近い都心に位置し、
敷地は広くて緑も豊かな、
ヴィンテージマンション――
そこらへんのタワマンなど相手にならぬ風格があります。
一心くんがここにやって来たのは、
アルバイトのため、でした。
大学院生の一心くん、
ずっとバイトしていた書店さんが
ビルの建て替えで閉店となり、困っていたんです。
「そこでェ、でばんッでスよッ!」
「がるぐ~る!」(←訳:教授さ~ん!)
ゼミの担当教授・五十嵐先生いわく。
君に紹介したいバイトがあるんだけど、
興味ある?
「ありまスゥ!」
「ぐるるがるるぐるるっ??」(←訳:どんなバイトですかっ??)
家の中の力仕事をしてくれる
若い人を探しているのは、
和楽京子(わらく・きょうこ)さん。
その名を聞いて、一心くんは思い当たります。
昭和の女優さん――
人気時代劇で
旅役者の女座長を演じていた人だ……!
いえ、正確を期すなら、ちょっと違うわね。
和楽さんは、昭和の女優さん、ではなく、
昭和を代表する大女優さん!
いえいえ、実は、
20世紀の日本演劇界を代表する世界的な女優さん!
なのでした。
そんなスゴイひとのお家で、
古い資料の片付けを手伝うアルバイト……
一心くんの膝がガクブルになるのも
無理はありません、が。
「よいひとォ、みたいィ~♫」
「がっるぐるぅ~!」(←訳:ホッとしたぁ~!)
威張ったり、
過去のキャリアを自慢するでもなく、
一心くんに接してくれる大女優さんの本名は、
石田鈴(いしだ・すず)さん。
鈴さんの業績、記録、記憶が詰まった
幾つもの段ボール箱を開け、
整理や仕分けを進めてゆく一心くんは、
そこにどんな物語を読み取ることになるのか――
「ふァいッ! そこまでェでスゥ!」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:ネタバレ回避だよ!)
鈴さんのモデルは、あの女優さんかな?
それとも別の御方かしらん?
などと想像したりするのも楽しいこの御本からは、
著者・吉田さんの映画への愛、造詣の深さが
窺われます。
映画好きな活字マニアさんには
特におすすめですので、
どうかぜひ、手に取ってみてくださいね~~♫