テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 旅せよ、フィルムの国を ~

2022-04-20 23:46:01 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おひさまがァ~こいしいィでスよゥ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!関東は天候不順!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 八重桜が満開だというのに、

 青空はどこ?と嘆きたくなる4月中旬……

 やわらかな春の陽射しに恋いこがれながらの

 本日の読書タイムは、

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― ミス・サンシャイン ――

 

 

 著者は吉田修一(よしだ・しゅういち)さん、

 2022年1月に発行されました。

 『Miss Sunshine』と英語題名が付されています。

 

 杉本博司さんによる

 シックかつ雅やかなカバー写真に導かれ、

 表紙を捲れば……

 

「どッ、どうしようゥ~??」

「ぐるがるるる!」(←訳:足がガクブル!)

 

 メモを片手に、

 とあるマンションの門前で立ち竦んでいるのは、

 岡田一心(おかだ・いっしん)くん。

 

 立ち竦んでしまうのも無理からぬことで、

 このマンションというのが、

 皇居に近い都心に位置し、

 敷地は広くて緑も豊かな、

 ヴィンテージマンション――

 そこらへんのタワマンなど相手にならぬ風格があります。

 

 一心くんがここにやって来たのは、

 アルバイトのため、でした。

 

 大学院生の一心くん、

 ずっとバイトしていた書店さんが

 ビルの建て替えで閉店となり、困っていたんです。

 

「そこでェ、でばんッでスよッ!」

「がるぐ~る!」(←訳:教授さ~ん!)

 

 ゼミの担当教授・五十嵐先生いわく。

 

 君に紹介したいバイトがあるんだけど、

 興味ある?

 

「ありまスゥ!」

「ぐるるがるるぐるるっ??」(←訳:どんなバイトですかっ??)

 

 家の中の力仕事をしてくれる

 若い人を探しているのは、

 和楽京子(わらく・きょうこ)さん。

 

 その名を聞いて、一心くんは思い当たります。

 

   昭和の女優さん――

   人気時代劇で

   旅役者の女座長を演じていた人だ……!

 

 いえ、正確を期すなら、ちょっと違うわね。

 和楽さんは、昭和の女優さん、ではなく、

 昭和を代表する大女優さん!

 いえいえ、実は、

 20世紀の日本演劇界を代表する世界的な女優さん!

 なのでした。

 

 そんなスゴイひとのお家で、

 古い資料の片付けを手伝うアルバイト……

 一心くんの膝がガクブルになるのも

 無理はありません、が。

 

「よいひとォ、みたいィ~♫」

「がっるぐるぅ~!」(←訳:ホッとしたぁ~!)

 

 威張ったり、

 過去のキャリアを自慢するでもなく、

 一心くんに接してくれる大女優さんの本名は、

 石田鈴(いしだ・すず)さん。

 

 鈴さんの業績、記録、記憶が詰まった

 幾つもの段ボール箱を開け、

 整理や仕分けを進めてゆく一心くんは、

 そこにどんな物語を読み取ることになるのか――

 

「ふァいッ! そこまでェでスゥ!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:ネタバレ回避だよ!)

 

 鈴さんのモデルは、あの女優さんかな?

 それとも別の御方かしらん?

 

 などと想像したりするのも楽しいこの御本からは、

 著者・吉田さんの映画への愛、造詣の深さが

 窺われます。

 映画好きな活字マニアさんには

 特におすすめですので、

 どうかぜひ、手に取ってみてくださいね~~♫

 

 

コメント
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