「こんにちわッ、テディちゃでス!
めざめたらァ~そこはッ?」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!目的地です!)
こんにちは、ネーさです。
じわじわ~っと近付いてくるGW……
前回記事の《駅弁》に続いて、
本日の読書タイムも《旅》をテーマに
お送りいたしますよ。
さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― バスクル新宿 ――
著者は大崎梢(おおさき・こずえ)さん、
2021年8月に発行されました。
『BUSKURU SHINJUKU』と英語題名が付されています。
「ちょうきょりィばすにィ、のッてェ~」
「ぐる~!」(←訳:出発~!)
新幹線に、飛行機、そして長距離バス。
旅の“足“の種類は多々あれど、
網のように路線(ルート)が発達していて、
お値段は安いし、と
人気なのは長距離バスですよね。
5つの物語から成るこの御本の主役は、
長距離バスやバスターミナル、
そして、
長距離バスに乗り込む旅行者さんたち。
「しんやのォ~まちあいしつゥ!」
「がっるるるがるる?」(←訳:けっこうな賑わい?)
第一話『バスターミナルでコーヒーを』は、
山形から東京・新宿へと向かう長距離バスでの
群像劇……と言えましょうか。
23時30分発のバスを予約し、
山形駅の待合室にやって来た
北川葉月(きたがわ・はづき)さんの注意を引いたのは、
垢抜けた雰囲気の若い女性でした。
なぜ注意を?というと――
《今、函館ですよ》
彼女が電話の相手にそう言っているのを
聞いてしまったから。
「ふわァ??」
「ぐるがるぐぅるるる!」(←訳:ここ函館じゃないよ!)
ええ、葉月さんも驚きました。
ここが函館?
なんでそんな嘘を?
何かの悪だくみかと疑ったものの、
その後、待合室で言葉を交わしてみると、
榎本(えのもと)と名乗った女性は、
気さくで、優しい人柄のようです。
そうなるといっそう、
函館云々の嘘が気になりますが、
あら、バスの発車時刻が迫ってきました。
「のりこみィましょうゥ!」
「がーるるぐる!」(←訳:シートに着席!)
夜行の長距離バスですから、
出発したら、はい、寝てしまうに限りますね。
背もたれを倒して、毛布を掛けて、
朝になったら新宿に到着していて。
でも。
「……あれッ??」
「ぐるる?」(←訳:あれれ?)
終点のバスターミナル、
『バスクル新宿』に到着した葉月さんは、
見つけられなかったのです。
朝の光の中、
バスを降りてゆくお客さんたちのどこにも、
榎本さんを。
「あれれれれッ??」
「がるるぐる??」(←訳:彼女はどこ??)
榎本さんはどこに?
バスに同乗していた一組のご夫婦といっしょに、
葉月さんは『バスクル新宿』内を探しますが……?
「いませんよゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:不思議千万!)
長距離バスが、旅が、
人間が生み出す5つの《謎》。
少し違った角度からバス旅を語る
第3話『犬と猫と鹿』もおすすめですよ。
ミステリ好きな活字マニアはもちろん、
旅好きさん&乗り物好きな方々も、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪