テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ バスが目指すは ~

2022-04-14 23:30:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 めざめたらァ~そこはッ?」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!目的地です!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 じわじわ~っと近付いてくるGW……

 前回記事の《駅弁》に続いて、

 本日の読書タイムも《旅》をテーマに

 お送りいたしますよ。

 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― バスクル新宿 ――

 

 

 著者は大崎梢(おおさき・こずえ)さん、

 2021年8月に発行されました。

 『BUSKURU SHINJUKU』と英語題名が付されています。

 

「ちょうきょりィばすにィ、のッてェ~」

「ぐる~!」(←訳:出発~!)

 

 新幹線に、飛行機、そして長距離バス。

 旅の“足“の種類は多々あれど、

 網のように路線(ルート)が発達していて、

 お値段は安いし、と

 人気なのは長距離バスですよね。

 

 5つの物語から成るこの御本の主役は、

 長距離バスやバスターミナル、

 そして、

 長距離バスに乗り込む旅行者さんたち。

 

「しんやのォ~まちあいしつゥ!」

「がっるるるがるる?」(←訳:けっこうな賑わい?)

 

 第一話『バスターミナルでコーヒーを』は、

 山形から東京・新宿へと向かう長距離バスでの

 群像劇……と言えましょうか。

 

 23時30分発のバスを予約し、

 山形駅の待合室にやって来た

 北川葉月(きたがわ・はづき)さんの注意を引いたのは、

 垢抜けた雰囲気の若い女性でした。

 

 なぜ注意を?というと――

 

  《今、函館ですよ》

 

 彼女が電話の相手にそう言っているのを

 聞いてしまったから。

 

「ふわァ??」

「ぐるがるぐぅるるる!」(←訳:ここ函館じゃないよ!)

 

 ええ、葉月さんも驚きました。

 ここが函館?

 なんでそんな嘘を?

 

 何かの悪だくみかと疑ったものの、

 その後、待合室で言葉を交わしてみると、

 榎本(えのもと)と名乗った女性は、

 気さくで、優しい人柄のようです。

 

 そうなるといっそう、

 函館云々の嘘が気になりますが、

 あら、バスの発車時刻が迫ってきました。

 

「のりこみィましょうゥ!」

「がーるるぐる!」(←訳:シートに着席!)

 

 夜行の長距離バスですから、

 出発したら、はい、寝てしまうに限りますね。

 背もたれを倒して、毛布を掛けて、

 朝になったら新宿に到着していて。

 でも。

 

「……あれッ??」

「ぐるる?」(←訳:あれれ?)

 

 終点のバスターミナル、

 『バスクル新宿』に到着した葉月さんは、

 見つけられなかったのです。

 

 朝の光の中、

 バスを降りてゆくお客さんたちのどこにも、

 榎本さんを。

 

「あれれれれッ??」

「がるるぐる??」(←訳:彼女はどこ??)

 

 榎本さんはどこに?

 バスに同乗していた一組のご夫婦といっしょに、

 葉月さんは『バスクル新宿』内を探しますが……?

 

「いませんよゥ!」

「ぐるるがる!」(←訳:不思議千万!)

 

 長距離バスが、旅が、

 人間が生み出す5つの《謎》。

 

 少し違った角度からバス旅を語る

 第3話『犬と猫と鹿』もおすすめですよ。

 ミステリ好きな活字マニアはもちろん、

 旅好きさん&乗り物好きな方々も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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