テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 薔薇は、薔薇。 ~

2022-04-12 22:39:25 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ちょッぴりィ~しょんぼりィ~…」

「がるる!ぐるるがぅるるる!」(←訳:虎です!だいぶしょんぼり!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 黒川紀章さんが設計した《中銀タワービル》の

 解体工事が始まりました。

 老朽化のためやむなし、とのことですが、

 建物の一部は再利用が検討されているとの報に

 少しだけホッとしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 愚かな薔薇 ――

 

 

 著者は恩田陸(おんだ・りく)さん、

 2021年12月に発行されました。

 『Rose that blooms through all eternity』

 と英語題名が付されています。

 

「ずしりとォ、おもたいィ~!」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:力作にして大作!)

 

 長大な物語の冒頭は、

 真っ青な夏の空、電車、

 キャンプに参加する少年少女、

 麦わら帽子、緑を湛えた山……と、

 さながら夏休みの見本帳のような趣きです。

 

 主人公の高田奈智(たかだ・なち)さんは、17歳。

 

 “キャンプ“に参加するため、

 磐座(いわくら)という

 都市部からは遠く離れた土地に

 やって来ました。

 

「たッたひとりでェ?」

「がるるぐる!」(←訳:心細いよう!)

 

 駅で奈智さんを迎えてくれたのは、

 高校生の深志(ふかし)くん。

 

 奈智さんの親戚にあたる深志くん、

 深志くんの母・久緒(ひさお)さんたちに

 見守られながら、

 奈智さんは“キャンプ“へと出発します。

 

 ただ……“キャンプ“とはいっても、

 それはいわゆるサマーキャンプとは違って。

 

 適性を見極める儀式のようなもの、

 と言えましょうか。

 

「なんだかァ、ふあんッ!」

「ぐるがるるるるるる!」(←訳:暗雲たちこめてます!)

 

 地球と外宇宙をつなぐ

 宇宙船――《虚ろ船》。

 

 この“キャンプ“の目的は、

 《虚ろ船》の乗組員となる

 《虚ろ船乗り》の適性を持つ子女を見つけること。

 

 奈智さんは、しかし、

 《虚ろ船乗り》について殆ど何も知らぬまま、

 “キャンプ“に来てしまったのでした。

 

 いったい、あたしはここで何をしている?

 何になろうとしている?

 

 変質。船乗り。木霊。

 さまざまなキーワードが、

 奈智さんを困惑の只中に追い込んでゆきます。

 《虚ろ船乗り》とは、

 はたして何ものなのか――

 

「それはァ、もしかしたらァ~…?」

「がるぐるるるるがる?」(←訳:あのヒトたちのこと?)

 

 御本の帯などには、

 《虚ろ船乗り》の本質に関して

 そのものズバリの言葉が記されていたりするのですが、

 読む愉しみを奪いたくないので、

 ここでは、敢えて、秘密のままにしておきますよ。

 

 最良の児童文学を想わせる

 ミステリアスな叙事詩は、

 SF好きさんにも

 ミステリ好きさんにもおすすめです。

 できるだけ予備知識を持たず、

 

「えいやッ!」

「がるぅっ!」(←訳:とりゃっ!)

 

 と、物語の世界へ、

 飛び込んでみてくださいね~♪

 

 

コメント
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