「こんにちわッ、テディちゃでス!
ちょッぴりィ~しょんぼりィ~…」
「がるる!ぐるるがぅるるる!」(←訳:虎です!だいぶしょんぼり!)
こんにちは、ネーさです。
黒川紀章さんが設計した《中銀タワービル》の
解体工事が始まりました。
老朽化のためやむなし、とのことですが、
建物の一部は再利用が検討されているとの報に
少しだけホッとしながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 愚かな薔薇 ――
著者は恩田陸(おんだ・りく)さん、
2021年12月に発行されました。
『Rose that blooms through all eternity』
と英語題名が付されています。
「ずしりとォ、おもたいィ~!」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:力作にして大作!)
長大な物語の冒頭は、
真っ青な夏の空、電車、
キャンプに参加する少年少女、
麦わら帽子、緑を湛えた山……と、
さながら夏休みの見本帳のような趣きです。
主人公の高田奈智(たかだ・なち)さんは、17歳。
“キャンプ“に参加するため、
磐座(いわくら)という
都市部からは遠く離れた土地に
やって来ました。
「たッたひとりでェ?」
「がるるぐる!」(←訳:心細いよう!)
駅で奈智さんを迎えてくれたのは、
高校生の深志(ふかし)くん。
奈智さんの親戚にあたる深志くん、
深志くんの母・久緒(ひさお)さんたちに
見守られながら、
奈智さんは“キャンプ“へと出発します。
ただ……“キャンプ“とはいっても、
それはいわゆるサマーキャンプとは違って。
適性を見極める儀式のようなもの、
と言えましょうか。
「なんだかァ、ふあんッ!」
「ぐるがるるるるるる!」(←訳:暗雲たちこめてます!)
地球と外宇宙をつなぐ
宇宙船――《虚ろ船》。
この“キャンプ“の目的は、
《虚ろ船》の乗組員となる
《虚ろ船乗り》の適性を持つ子女を見つけること。
奈智さんは、しかし、
《虚ろ船乗り》について殆ど何も知らぬまま、
“キャンプ“に来てしまったのでした。
いったい、あたしはここで何をしている?
何になろうとしている?
変質。船乗り。木霊。
さまざまなキーワードが、
奈智さんを困惑の只中に追い込んでゆきます。
《虚ろ船乗り》とは、
はたして何ものなのか――
「それはァ、もしかしたらァ~…?」
「がるぐるるるるがる?」(←訳:あのヒトたちのこと?)
御本の帯などには、
《虚ろ船乗り》の本質に関して
そのものズバリの言葉が記されていたりするのですが、
読む愉しみを奪いたくないので、
ここでは、敢えて、秘密のままにしておきますよ。
最良の児童文学を想わせる
ミステリアスな叙事詩は、
SF好きさんにも
ミステリ好きさんにもおすすめです。
できるだけ予備知識を持たず、
「えいやッ!」
「がるぅっ!」(←訳:とりゃっ!)
と、物語の世界へ、
飛び込んでみてくださいね~♪