テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 光と影の、ラブレター ―

2018-12-21 22:18:11 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えッ? たんぽぽッ??」
「がるる!ぐるっ!がるるる!」(←訳:虎です!わあっ!たんぽぽ!)

 こんにちは、ネーさです。
 寒い~寒いわ~とボヤいていると、
 庭の片隅に何やら黄色いモノが……?
 近付いていってみれば、
 タンポポのお花が!!
 暖冬って本当なのね?
 いやキツネかタヌキに化かされているのかも?と疑いながら、
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



        ―― 文豪たちのラブレター ――



 編者は別冊宝島編集部の皆さん、2018年9月に発行されました。
 SNS発のヒット作となった
 『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』に続いて
 別冊宝島編集部さんが放つ《文豪たち》案件は、
 ご安心ください、マジメです。

「おわらいィ、じゃないィのでス!」
「ぐるるぅるがる!」(←訳:パロディもなし!)

 ここで取り上げられているのは、
 明治から昭和にかけて
 “文壇”という夜空で輝いた星さんたち19人。

 その19人の文豪さんを、
 いえ、文豪さんたちのラブレターを、

   第一集《君のことを愛しています。――愛する手紙》

   第二集《君のためなら何でもする。――赤裸々な手紙》

   第三集《あなたを、好きになれてよかった。――切ない手紙》

   第四集《お前は、私の妻であればよい。――想う手紙》

 に分けて、紹介しています。
 
 (お手紙の内容は、
  原文そのままではなく、
  歴史的仮名遣いや旧漢字は
  現行の仮名遣い、新字体にほぼ改められています)

「むむゥ~! さすがァ、ぶんごうゥさんッ!」
「がるぐる~!」(←訳:個性強烈~!)

 良い意味での個性というか、
 隠しようもない文才というべきか、
 書き手の感情が吐露された文章は……

「じわわァ~んとォ!」
「ぐるる!」(←訳:予想外!)

 あら? 
 この御方、こんなにワガママだったの?
 こちらは意外にあっさりしてるわね~…?
 堅苦し~い御方もいれば、
 書簡純文学の高みに達しちゃってる御方も?

「このォおてがみィにはァ~…」
「がるる~…」(←訳:溜め息~…)

 静かな熱を秘めた漱石さんのお手紙、
 どこかおっとりしている中島敦さんのお手紙、
 人間関係が大混乱気味の谷崎潤一郎のお手紙にも、
 すごいなぁ、と
 私たち読み手は唸らされますが。

 どこか“突出”しているのは、
 太宰治さんのお手紙でしょうか。

 私信、というより、詩歌。
 こころの波の、ありのままのかたち。

「さみしィようなァ~…」
「ぐるるるがるる~…」(←訳:まぶしいような~…)

 上記の作家さんの他に、
 芥川龍之介さん、高村光太郎さん、
 若山牧水さん、北原白秋さんといった文豪さんのお手紙と、
 解説文、人物相関図なども併載されている
 活字マニアさんにおすすめの御本は、
 歴史好きな方々も、一読してみてくださいね。
 レブレターの行間からは
 濃く滲み出ている“時代”の光と影、
 その息遣いを、ぜひ♪



 
 追記:Twitter更新いたしましたので、
    お時間があったら

     こちら

    を覗いてみてくださいね。
    今回は私ネーさが今イチ推しの俳優さんを描いてみました~♪
 
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~ 夜空に、鳴琴 ~

2018-12-20 21:52:33 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わいんッうりばァ、しゅつげんッ!」
「がるる!ぐーるがるるる!」(←訳:虎です!チーズ売り場も!)

 こんにいは、ネーさです。
 デパート&駅ビルのイベントスペースに
 ワインやチーズなどパーティーフードの売り場が出現しました。
 ここにケーキ売り場が加われば、
 クリスマスシーズンの盛り上がりもピークに??
 この週末のにぎやかな光景を想像しながら、
 さあ、今日も読書タイムです。
 本日は、こちらのSF作品を、どうぞ~♪

  


           
             ―― 零號琴 ――



 著者は飛浩隆(とび・ひろたか)さん、2018年10月に発行されました。
 『零號琴』は、『れいごう きん』とお読み下さいね。

「むゥ~? かわッたァおなまえェでスゥ!」
「ぐっるがるるぐるぐる?」(←訳:琴って楽器の琴のこと?)

 題名になっている《零號琴》とは、
 或る“秘曲”を指すものです。

 昔むかし、ではなく、
 はるかな未来――

 特殊楽器技芸士のセルジゥ・トロムボノクさんと
 相棒のシェリュバンさんが
 宇宙を旅しておりますと。

 もの好きな大富豪さんに
 目を付けられてしまいました。

「ええッ? なにもォしてないィのにィ~?」
「がるるるぐるる?」(←訳:人間違いだよね?)

 居住化された惑星《美縟(びじょく)》。

 《美縟》の首都には、
 いえ、首都を中心とする大陸全土には、
 古(いにしえ)の楽器《美玉鐘(びぎょくしょう)》が
 埋もれている――

 大富豪さんはそう言って、
 思わせぶりにセルジゥさんを見やります。

「ふァ~、なァるほどォ!」
「ぐるるるる!」(←訳:スカウトだ!)

 バラバラになって地中に眠っていた《美玉鐘》は、
 首都《磐記(ばんき)》が
 ちょうど開府500年になるのを機に
 再建されようとしています。

 そして、再建の暁には、
 伝説の秘曲《零號琴》を鳴らしたい……!

「だからァ、すかうとォ、されちゃッたのでスねッ!」
「がるぅ~…?」(←訳:でもぉ~…?)
「うらがァありそうゥ!」

 秘曲《零號琴》。

 こんな機会は二度とない。
 この宇宙で、一度きりしか鳴らない音だ――

 そんな風に誘われたら、
 用心深いセルジゥさんとて
 否、とは言えませんが。

 私たちは、知っています。
 音とは、ときに危険なもの。
 黒板とキーと擦る高音に眉をひそめ、
 硝子が割れる音にキャッと叫び、
 濁流の轟音には戦慄させられる……

 《美玉鐘》は
 いかなる音色を発し、
 《零號琴》は
 いかなる事象を引き起こすのか。

「おとをォめぐるゥ、ぼうけんッ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:スリルとサスペンス!)

 さながら“SF版雨月物語”な導入部に対し、
 頁が進むにつれ
 物語にはシュールな笑いも侵入してきます。
 多国籍パーティーフードのような
 《零號琴》の宴の、行方は……?
 技能を見込まれた、セルジゥさんたちの身の上は……?

 2010年から2011年にかけ《SFマガジン》誌上に連載され、
 今回の単行本化に際して
 大幅な加筆訂正が為された長編作品は、
 SF好きさんに、
 ミステリ好きさんにもおすすめです。
 連休の読書タイムに、ぜひ、一読を~♪



  
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いまこそ、《北斎展》!

2018-12-19 21:52:03 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♪どれがァ~いいかなァ~♪」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!可愛いのがいい!)

 こんにちは、ネーさです。
 はーい、2019年のカレンダーを探して
 ロフトさんをウロウロしてみました。
 日めくりか、週めくりか? 動物ものかキャラクターものか?
 あれかこれかと楽しく迷いながら、
 本日は読書をサボり、
 こちらの展覧会情報に目移りしてみましょう~♪
 
  


          
           ―― 新 北斎 展 ――



 東京・港区六本木の森アーツセンターギャラリーにて、
 会期は2019年1月17日~3月24日
 (休館日は、1/29、2/19、2/20、3/5)、
 『HOKUSAI UPDATED』と英語題名が付されています。

「しんしゅんッはァ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:北斎さんだ!)

  

 日本はもちろん、
 世界中にその名を知られる
 画師・葛飾北斎さん(1760~1849)。

 2019年春、
 森アーツセンターギャラリーで開催されるのは、
 北斎さんの作品450件が集結する
 大規模な《北斎展》です。

「どきどきィしまスゥ!」
「がぅるるる~!」(←訳:ウェルカム~!)

  

 この展覧会では、
 北斎さんが用いた画号ごと、6つの期間――

  ①春朗(20~35歳頃)期
  ②宗理(36~46歳頃)期
  ③葛飾北斎(46~50歳頃)期
  ④戴斗(51~60歳頃)期
  ⑤為一(61~74歳頃)期
  ⑥画狂老人卍(75~90歳頃)期

 に分けて、
 デビュー作から《北斎漫画》、《富嶽三十六景》、
 初公開となるシンシナティ美術館所蔵の
 『かな手本忠臣蔵』『向日葵図』などが出展されます。

「ほくさいィさんのォ、ひまわりィ??」
「ぐるる~!」(←訳:超貴重~!)
 
   

 展示品の基幹となっているのは、
 北斎さんの研究者であった故・永田生慈さんが収集した
 《永田コレクション》から選りすぐられた名作たち。

 この展覧会終了後、
 《永田コレクション》は
 島根県でのみ公開されることが決まっています。

「じゃァ、とうきょうでェ、みられるのはァ~…」
「がるるぐるる!」(←訳:これがラスト?)

 既に前売り券は発売されていますが、
 会期中には展示替えが予定されているので、
 お出掛けする際にはご注意くださいね。

 2019年の初アート散歩にもおすすめの企画展へ、
 皆さま、ぜひ♫


  



    では、ここでオ美味しいマケ画像も!
   
    『シャトレーゼ』さんの
    《生クリームどら焼き》は、
    クリーム&餡をたっぷりサンド!
    「おやつにィ、ぱくりィ!」
    「ぐるるるがる!」(←訳:食べ応えあり!)
    「ふゥ!ごちそうゥさまァでしたでスゥ~♪」


    
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声に、耳を。

2018-12-18 22:32:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……うんッ? くんくんッ、このォかおりィはッ?」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!お餅の香り~!)

 こんにちは、ネーさです。
 街角でふわりと漂ってきたのは、もち米を蒸す香り……?
 もうお餅作りの仕度が始まっているのかなぁ?と
 夕空を見上げながら、
 さあ、私たちは読書タイムの準備完了です。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


  
         ―― ムンクの世界 ――



 監修は田中正之(たなか・まさゆき)さん、2018年9月に発行されました。
 『魂を叫ぶひと』と副題が付されています。
 前々回、前回に続き、アートジャンル本の登場となりましたが、
 今秋冬の書店さんでは、
 エラいことになっちゃってますね。

「ふぇるめーるゥさんとォ~」
「ぐるるぅがるっ!」(←訳:むんくゥさんっ!」
「たいけつッ!」
「がる!」(←訳:決闘!)

 ええ、本屋さんの平台は、

   勝負だ!

 と形容したくなるほど、
 二人の巨匠さんの画集や、美術雑誌の特集号、
 おまけ付きのMOOK本、新書などなど、
 関連の書籍群に占拠されています。

 パッと見たところでは、
 フェルメールさん優勢……?

 いや、ムンクさんも負けてませんよね?

「むむゥ! どッちもォ、がんばれェ~!」
「ぐっるるがるるる!」(←訳:どっちもすごいよ!)

 ヨハネス・フェルメールさんが生まれたのは、
 1632年、オランダの都市デルフト。

 エドヴァルド・ムンクさんが生まれたのは、
 1863年、ノルウエーのヘドマルク県。

 オランダとノルウェー――
 どちらもヨーロッパの北部に数えられる国ですが、
 二人の画家さんには決定的な相違点があります。

 フェルメールさんの生涯が
 おぼろにしか判っていないのに対し、
 ムンクさんの方は
 細部まで分かっているし、
 証言や資料も残っているし、
 ご本人が自撮りした写真まで現存しているんですから、
 目鼻立ちから服の趣味まで
 隠しようがありません。

 そして、この御本の主題もまた、
 ムンクさんの生涯に重きが置かれています。

「びょうきィとのォ、たたかいィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:別れとの闘い!)

 ムンクさんの作品すべてから
 こぼれ出、にじみ出るのは
 病の記憶であり、死の気配です。

 失った家族に、
 さらには自分の中に、
 常に“あちら”を意識するムンクさんが、
 画家になろううと決意し、
 批判を受けながらも
 留学のための奨学金を得て
 パリへと旅立ち、
 ドイツに赴き、
 やがて故国へ帰還する――

 その過程と、
 試行錯誤を重ねながら生み出された作品たちの数々。

「みどころはァ~…」
「ぐる!」(←訳:版画!)

 有名な『叫び』、
 油彩やテンペラの他に
 ムンクさんは版画制作にもチカラを入れています。

 この御本では
 ムンクさんの版画について詳しく言及されていて、
 もっともっとムンクさんの版画を知りたい!
 版画展も開催して欲しい!
 と思わされましたよ。
 
「うえののォ、」てんらんかいィはァ~」
「がるぐるるがる!」(←訳:1月20日まで!)

 『叫び』以外の、ムンクさんのこころの声を、
 アート好きな活字マニアさんは、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 おすすめです!!

 
  

 
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― 細部に、宿る ―

2018-12-17 22:15:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あとォ、にしゅうかんッ??」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!2週間だよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2018年のカレンダーも残り2週間分となって、
 ハッ!と気付きました。
 しまった! 2019年の手帳は確保したけれど、
 カレンダーはまだだったわ!
 明日はカレンダー探しに行かなくちゃ!
 おっと、その前に読書タイム♪ですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



   ―― フェルメール原寸美術館 100% VERMEER! ――



 監修は千足伸行(せんぞく・のぶゆき)さん、2018年10月に発行されました。
 小学館の《100% ART MUSEUM》シリーズは、
 以前に御紹介しました『若冲原寸美術館100%Jakuchu!』、
 他に『ゴッホ原寸美術館100%Van Gogh!』
 『北斎原寸美術館100%Hokusai!』などが刊行されていますが……

「このォあきィ、わだいィのォ~!」
「ぐぅるるーるるるるがる!」(←訳:フェルメールさんも来た!)

 はい、上野の森美術館で現在開催中の
 《フェルメール展》に合わせて、
 フェルメールさん版の『100%VERMEER!』も
 こうして登場いたしました。

 えっ♪ フェルメールさんの作品が原寸大で見られるの?
 なんてステキ!
 と感激しつつも……

 作品がまるごと100%サイズで収められているのではないので、
 その点はご留意くださいね。

「ぶぶんてきィにィ~」
「ぐるるる!」(←訳:100%!)

 たとえば、御本の表紙になっている
 『真珠の耳飾りの少女』に関しては、

 ・作品の全体図
 ・解説のページ
 ・喉やや下からターバンを含む頭部を原寸大(100%)で。
 ・顔を中心とする拡大サイズの図版(150%)。

 という具合に、4ページが割かれています。

 これが『牛乳を注ぐ女』になると、
 見開き2ページ分で原寸大(100%)、
 牛乳を注ぐ手元とテーブル上も
 2ページを費やして拡大(なんと200%で)!

「これはァもうゥ!」
「がる?」(←訳:執念?)

 作品の保存や修繕の状態によっては、
 絵の具に走るヒビが拡大されていたがっかり……もしますが、
 よくぞこの大きさで見せてくださった!と
 嬉しくなるページもあります。
 特に、

 本文67ページ
 『信仰の寓意』の地球儀の部分(原寸大)、

 106~107ページの
 『眠る女』のテーブル上の果物と布地の模様(原寸大)、

 124ページの『2人の紳士と女』の
 150%に拡大されているステンドグラスの図柄は
 必見~!!

「こッちもォ、すごいィ~でス!」
「ぐるるがるる、ぐるるる!」(←訳:音楽の稽古の、楽器の蓋!)

 嘆息しながら見入ったのは、184~185ページ、
 『天文学者』の原寸図と拡大図でした……

 六本木の展覧会でこの作品を観賞したときは、
 照明が暗くて細部が判別しにくい、
 柵があって近付けない、
 混雑していて作品前で立ち止まれない、
 のナイナイ尽くしだったもので、
 悲しかったんですよね……

 そうかぁ、こうなってたのねえ、原寸大では……
 いつかルーヴル美術館で再見できるかしら……

「ぜんぶゥ、みてェみたいィ~でスゥ!」
「がるるぐっる!」(←訳:世界を巡って!)

 御本の巻末には、
 『フェルメール全作品サイズ比較』というページもあり、
 35点の作品がどれくらいのサイズで描かれていたのか、
 一目で分かるようになっていて、
 ここでも考えさせられました。

 フェルメールさん自身が
 手許に置きたいと思ったのはどれ?
 最も愛していたのは、どの作品?

「こたえはァ~…」
「ぐるる!」(←訳:謎です!)

 展覧会にこれからお出掛けする方々、
 もう観てきたわ!という御方、
 そしてフェルメール大好きな全アートマニアさんは、
 神が宿る細部の美を、
 この一冊で、ぜひ♪

 
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モノクロゆえに、深く、美しく。

2018-12-16 22:01:11 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでッス!
 ふゆゥはァ、ばてばてェ~でス!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!冬バテなんです!)

 こんにちは、ネーさです。
 夏と同じく、気温差のある室内と戸外を行き来する冬も
 けっこう身体に負担がかかり、
 疲労が溜まってバテるのだそうです。
 今日はことのほか寒さ厳しい日曜日でしたから、
 じゅうぶん温まって手足もほぐれてきたら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♫

  

 
 
     ―― おとぎ話のモノクロームイラスト傑作選 ――



 解説・監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2018年11月に発行されました。
 『FAIRY TALE ILLUSTRATIONS IN BLACK AND WHITE』と
 英語題名が付されています。

 海野弘さん監修のもと、
 シリーズ化されて人気の“読むビジュアル・ブック”最新刊は、
 モノクロームのイラスト250点以上を収録する
 挿絵マニア諸氏待望のレアな一冊ですよ♪

「ありそうでェ~なかッたァのでス!」
「ぐるがるる!」(←訳:貴重なんだ!)

 19世紀から20世紀前半にかけて刊行された
 美しい挿絵本――

 少数(たぶん)ながら熱狂的なファンを持つ
 それら《絵のある本》は、
 どうしても華やかなカラー画が目立ってしまうのですが、
 黒インクとペン一本だけで描かれた
 モノクロームの挿絵も
 独特の味わいがあります。

「つめたいィのにィ、あたたかいィ~!」
「がるぐるるがるるるる!」(←訳:素朴だけどエレガント!)

 白地に黒い描線、というのは
 中世の修道院などで用いられた手法であり、
 北斎漫画など日本の版画の影響も感じられる図像たちを、
 監修者・海野さんは
 3つのパートに分けて紹介しています。

 1860年代のイラストレーターさんによる
 《第1の黄金時代》。
 
 世紀末(19世紀末)を、《第2の黄金時代》。

 20世紀初頭から第一次世界大戦までは《第3の黄金時代》。

 例を挙げると、
 『アリス』の画家ジョン・テニエルさんは、
 1860年代を代表する挿絵画家さん。

 ビアズリーさんによる不朽の名作『サロメ』は、
 世紀末を象徴する作品。

 『ピーター・パン』『テンペスト』他で知られる
 アーサー・ラッカムさん、
 E・デュラックさん、カイ・ニールセンさんたちは
 20世紀最高の挿絵画家さんであり、
 大人も子どもも楽しめる最高の絵本作家さんでした。

「どのォ、じだいィにもォ~♪」
「ぐるるるるがるぐるるる!」(←訳:素晴らしい本がザクザク!)

 この御本の中で
 活字マニアさんにじっくり見ていただきたいのは、
 本文102~109ページに掲載されている
 シドニー・ハーバート・シームさんの章です。

 名門貴族出身の詩人・作家である
 ダンセイニ卿(ロード・ダンセイニ)著『ペガーナの神々』の挿絵は、
 シームさんの名をアートブック史に刻む傑作!!!

「うゥッ、ほんものォ、みたいィ~!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:原画を見たいよう!)

 現代の日本のマンガにも通じるモノクロ線画の、
 シンプルであるがゆえに
 いかようにも奥深くなる挿絵の世界――

 クラシカルな絵本が好きな御方、
 アート好きさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 冬休みの読書タイムにも、おすすめです♪
 
 
 
 
  
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映ゆる、その色。

2018-12-15 22:19:49 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ! ねんまつゥ~しょうせんッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!といえば福引き!)

 こんにちは、ネーさです。
 駅ビルでお買い物をしてチケットを貰って、
 よぅし!福引きのガラガラマシンをガララ~っと回し……
 思いっ切りハズレました♪
 ハズレたぶん、次はいいことありますようにと祈りながら、
 さあ、週末の本日は読書をサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~!
 
  



           ―― 石井林響 展 ――



 千葉県千葉市の千葉市美術館にて、
 会期は2018年11月23日~2019年1月14日
 (12/3と12/29~1/3の年末年始は休館)、
 『千葉に出づる風雲児』と副題が付されています。

 ↑上の画像はチラシ(フライヤー)の表側、
 そして、裏の側は、
 ↓下の画像なんですけど……

「わほゥ! たいしょうゥてきィでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:色彩と白黒と!)

  

 朱色が印象的な『童女の姿となりて』(明治39年)。

 墨一色……と見えて、
 目を凝らすと枝にとまる小鳥たちの羽根と
 水中の鯰や小魚にほんのりと色が挿してある『野趣二題』(昭和2年)。

 作者の石井林響(いしい・りんきょう)さん(1884~1930)は、
 千葉県山武郡土気町(現千葉市)に生まれ、
 明治大正の時代に活躍した日本画家さんです。
 昭和も、と言い切れないのは、
 1930年つまり昭和5年、
 45歳の若さで石井さんが急逝したため――

「おしまれェまスゥ……」
「がるぐる……」(←訳:無念です……)
  
  

 この展覧会は、
 代表作『木華開耶姫』『王者の瑞』をはじめ、
 新たな資料を加えて
 石井さんの生誕135年を記念する回顧展です。

「やぱりィ、いろづかいィ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:凄腕だよねえ!)

 千葉市美術館では
 1月5日の開場時(10:00)には
 新春の獅子舞がお客さまをお迎えしたり、と
 イベントも予定されていますので、
 アート好きな御方は、
 ぜひ、お出掛けを♪
 
 



   では、ここでオマケ画像なんですが、今回はスペシャルで!
   
   そろそろ来年の手帳を、ということで
   私ネーさが入手しましたのは……    
   
   『ほぼ日手帳2019』の《ブイヨン さんぽ》!
   
   本体にカバーを装着すると、↑こうなりました♪
   
   『ほぼ日』さんの直営SHOPで購入したので、
   可愛いグッズもオマケにいただいちゃったのですが、
   《机上安全》
   《混乱退散》
   の文字が……う~ん、耳が痛いわ……。
   「ぷふふッ♫」
   「がるるっ♪」

   バタバタ度も右肩上がりの12月中旬です。
   どうか皆さま、しっかり着込んで、穏やかな休日を。


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~ 歌う花たち ~

2018-12-14 22:15:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむむゥ~…ぎぶゥあッぷゥでスゥ!」
「がるる!ぐるがる~…」(←訳:虎です!挫折です~…)

 こんにちは、ネーさです。
 はいっ、双子座流星群がやって来ました!
 さっそく夜空を……って、ムリだわ……寒すぎます……
 玄関のドアを開けて10秒で挫けました。
 大急ぎで暖かな室内に引き返して、
 さあ、読書タイムにいたしましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 京都の花屋プーゼの花日誌 ――



 著者は浦沢美奈(うらさわ・みな)さん、2018年10月に発行されました。
 京都の中京区寺町二条にお店を構えるお花屋さん《プーゼ》
 (藤井大丸店内にも出店、
  また夷川通にもアトリエがあります)さんによる
 “二十四節気の花暦”写真集です。

「ひゃわァ♫ あざやかァ~むらさきィ~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:冴えた色だね!)

 御本の表紙になっているのは、
 本文9ページでも紹介されている
 《立春》のアレンジメント。

 ヒヤシンス、アスター、スイートピー、
 ムスカリ、ハイドランジア、といった花々のバランスに
 もう陶然ですねえ……。

「ふむむッ! これがァ、りッしゅんッ、ならばァ?」
「がるぐるる?」(←訳:次の節気は?)

 ええ、そこがこの御本の醍醐味と申せましょうか。

 二十四節気は、

  立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨

  立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑

  立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降

  立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒

 に分けられます。

 今日12月14日は、冬至の手前の、大雪(たいせつ)に当たりますね。

「あつかッたりィ~さむかッたりィ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:季節はそれぞれ!)

 著者・浦沢さんは時節ごとに感じる色や形を 
 花で表現してゆきます。
 それも、浦沢さんが生まれ育ち、いまも暮らしている町――
 日本の中でも特別な意味を持つ
 京都という都市のエッセンスを取り入れながら。

「なァるほどッ、だからァ~」
「がるるるる!」(←訳:洋なのに和!)

 ねこやなぎ、
 あせび、八重桜、芍薬、
 とらのお、おだまき、
 弁慶草、水引草、ぐみ、
 ひば、さつま杉、など“和”の草花が
 カーネーションやラナンキュラス、
 大輪のバラの花と一緒に
 仲良く花器に納まっているのは、
 不思議なようであり、
 当たり前のようであり、
 でも、見惚れます。
 惚れ惚れいたします。

「おはなのォちからでェ~!」
「ぐるるがるぐぅーる!」(←訳:年末も栄養チャージ!)

 年の瀬で忙しくって、
 長編小説を読む余裕はとてもないけれど、
 ああ、本なしには生きてゆけない~…
 とお嘆きの活字マニアさんは、
 この御本で元気を復活させてくださいな。
 花に関する解説文、
 花の豆知識等、
 実は読み応えもある御本なんです。

 旧暦と現代の暦に思い馳せ、
 昔ながらの草花と
 最新の品種・新色のお花の対比にも目を瞠らされる
 豊潤な一冊を、皆さま、ぜひ♪
 

 

 追記:Twitter更新いたしましたので、
 おヒマでしたら、

  こちら

 を覗いてみてくださいね~♫
 

 
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― かがやく、海辺のまち ―

2018-12-13 22:00:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ふゥ~…こうようゥもォ、おわりィ~…」
「がるる!ぐるがるぐるるる~…」(←訳:虎です!ほぼ真冬だもんね~…)

 こんにちは、ネーさです。
 季節は秋から冬へと変わり、
 観光もオフシーズンへ……と思ったら、
 いやぁ、世の中にはあるんですね、季節とは無縁の観光地が♪
 本日の読書タイムは、
 そんな人気観光地を舞台にしたこちらの御本を、
 さあ、どうぞ~!

  


 
       ―― ツバキ文具店の鎌倉案内 ――



 著者はツバキ文具店の皆さん、2018年8月に発行されました。
 小川糸さん著『ツバキ文具店』と
 続編の『キラキラ共和国』に登場する実在のお店や、
 神社仏閣をご紹介するガイドブック……であると同時に、
 鎌倉をテーマとするエッセイ作品でもあります。

「かまくらッ、だいィ~すきィでス!」
「ぐるる~!」(←訳:江ノ電~!)

 観光地って、
 例えば富士山のように、
 冬季は封鎖されて立ち入りも出来ない、
 山裾から眺めるだけ……といった場所もありますが、
 冬? 寒い?
 そんなの関係ないわ!な場所もあります。

 東京でいうなら、明治神宮さん&原宿周辺。
 神奈川県でいうなら、川崎大師さんや寒川神社さん。
 京都では、もうあっちもこっちも!

「おしょうがつゥにはァ、ゆかなくちゃッ!」
「がるるる!」(←訳:初詣に!)

 鶴岡八幡宮さんに押し寄せる初詣客さんは
 軽く数万人を超え、
 近隣の街路も人で埋めつくされるお正月。

 けれど、この御本の中にあるのは、
 穏やかで、物静かな、
 “地元のひとの鎌倉”です。

 鎌倉の、小高い山のふもとにある
 古くて小さな文房具店《ツバキ文具店》――

 店主の鳩子さんは、若い女性。

「はとこさんッ、ぐるめェなのでス!」
「ぐっるがるるぐるるる!」(←訳:だって鎌倉は美食の町!)

 『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』では、
 鳩子さんと友人知人さんたちは、
 鰻屋さんへ、
 洋食屋さんへ、
 バーへ、
 カフェへ、
 あるいはドイツパンのお店へ、と出掛けてゆきます。

「おとうふやさんッもォ~」
「がるーるるるるぐるるるる!」(←訳:カレー屋さんも出てくるよ!)

 そして、お食事や、
 お買い物に行く道すがら、
 ごく自然に、視界に入ってくるのは、
 鎌倉の要といえる古刹、地所。

 農協連即売所、
 鎌倉五山一位の建長寺さん、
 長い石段の妙本寺さん、
 洋風建築の文学館。

 ツバキ文具店の入り口にあるツバキの母株、
 藪椿(やぶつばき)の樹が花を咲かせる
 由比若宮さん。

「ふァ~…ここはァ、くうきがァきれいィ~…」
「ぐるがるる~…」(←訳:緑が深いね~…)

 鳩子さん、
 友人のバーバラ婦人は、
 男爵さん、あるいはQPちゃんは、
 何を想いながら鎌倉の町を歩き、
 買い物の荷物を手に家路に就いたのでしょうか。

 そうして、
 鎌倉を愛した文豪さんたち――
 小林秀雄さん、中原中也さん、
 川端康成さんたちに
 この町はどんな言葉を囁いたのでしょう?

「はまかぜェとォ~…」
「がるる~…」(←訳:砂の歌~…)
 
 コートのポケットに
 余裕で納まりそうな文庫本ですから、
 鎌倉へお出掛けするときは、
 旅行会社発行の旅ガイド本もいいんですけど、
 できればこの御本をお供にして
 古都の小路巡りをしてみてくださいね。

 フィクションと
 現実の町が重なってキラめく
 『ツバキ文具店』ファンさん必読の一冊を、
 皆さま、ぜひ♪
 

 
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~ アートを、冬のリゾートで ~

2018-12-12 22:11:57 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァいッ! かんりょうゥしましたでス~!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!なんとかね!)

 こんにちは、ネーさです。
 やったわ! 新年の御挨拶のハガキを完成させて、
 あとは投函するだけ!となりました。
 満腹、いえ、満足気分の本日は、
 読書をサボってこちらの展覧会情報を、さあ、どうぞ~♪
 
  


 
          ―― モダン美人誕生 ――



 神奈川県足柄郡のポーラ美術館にて、
 会期は2018年12月8日~2019年3月17日(会期中無休)、
 『JAPAN'S MODERN BEAUTY』と英語題名が、
 『岡田三郎助とl近代のよそおい』と日本語副題が付されています。

「うむッ! めいさくゥなのでスゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:美女の後姿!)
 
  

 明治、そして大正の時代、
 《女性像》は大きな変貌を遂げました。

 和装のみの江戸時代から、
 序映画社会進出し、
 和と洋の装いが混在する時代へ。
 華やかなファッション、
 新しい生活スタイルを謳歌する
 “モダン美人”の時代へ。

 そう、浮世絵の美女から、
 油彩画や水彩画の美女の時代へ。

 この“新たな美のイメージ”の生成に
 多大な影響を与えたのが
 岡田三郎助さん(1869~1939)さんでした。

「おめめェ、ぱッちりィ!」
「がるぐるる~!」(←訳:瞳が大きい~!)

 この展覧会では、
 絵画、ポスター、写真、化粧道具、染色資料などから
 近代女性の美意識の変遷を辿ってゆきます。

 ↑いちばん上の画像の、
 『あやめの衣』(1927)、
 その下の画像にある
 『ダイヤモンドの女』(1908)、
 『支那絹の前』(1920)他、
 岡田さんの代表作が出展されるんですよ。

 なお、同時開催されるのは――
 
  



  ―― ポーラ美術館コレクションによる 名画の時間 ――



 会期は『モダン美人誕生』と同じですが、
 こちらの出展作品も豪華絢爛!

  

 クロード・モネさん、
 ゴッホさん、アンリ・ルソーさん、
 ルノアールさん、シスレーさん、デュフィさん、
 高橋由一さん……と、
 ポーラ美術館所蔵の名品が年末~新春の展示室に花を咲かせます♪

 なお、1月30日は展示替えのため
 『モダン美人誕生』展は休室となるので
 御注意くださいね。

「ふゆやすみのォ、はこねェでェ~!」
「ぐるがるーるぐる!」(←訳:贅沢リゾート時間!)

 冬の休暇は箱根で温泉三昧さ♫という方々は、
 アート散歩も、ぜひ♪
 



    では、ここで美味しいオヤツタイム……わっ!
   
   「ひゃわッ!」
   「がる!」(←訳:大箱!)
   
   はぁ……大きな箱入りのお菓子が届きました……
   なんというか、ここにも年末の雰囲気がひしひし……?


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