テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 一瞬の《異世界》 ~

2021-12-21 23:40:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぎゃわわァ~ッ! こわいィ~ッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!怖過ぎ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 久しぶりにやってまいりましたよ、
 怖さに膝がガクブル……
 冷や汗がじわ~り……な御本について
 真剣に語らうときが。
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらのMOOK本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 日本の異世界 ――


 
 監修は松閣オルタさん、2021年11月に発行されました。
 『行ってはいけない禁忌の場所』
 『ガイドブックに載らない怪奇探訪ルポ』
 と副題が付されています。

「うううッ、くわばらッくわばらッ!」
「ぐるるがる~…!」(←訳:寒気がする~…!)

 21世紀になり、
 Googleさんの衛星カメラが
 地上のすべてをパシャッと写し取る時代になっても、
 《謎》や《不思議》は
 決して無くならない――

 この御本で紹介されているのは、
 《安易に足を踏み入れてはいけない場所》
 《私たちの常識が通用しない場所》
 といった、いわゆる
 “ミステリースポット“
 なのですが、
 まず注目していただきたいのが、
 65ページの
 『数字で学ぶ日本の異世界』の章です。

「うむッ? これはァ~…」
「がる??」(←訳:統計??)

 監修者・松閣さんが取り組んだのは、
 『心霊スポット統計学』。

 さまざまな書籍や雑誌、
 Web媒体から厳選した
 《心霊スポット》2579件を
 データベースに取り込んで
 分析を敢行したのです。

 《心霊スポット》と聞いて、
 心当たりがあるのは?

 よく噂に上るのは
 トンネル……っていいますけど?

「とんねるゥ~でスねッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:たぶんトンネル!)

 分析の結果は……
 微妙です。

 確かに、
 トンネルは1位!でした。

 けれど、予想したほどの
 断トツの1位ではなかった……
 全2579件のうち、
 トンネル系は16.17%。

 2位となった
 公園の15.59%とは、
 まさに僅差!

「ふァ? こうえんッ??」
「がるるぐるがるっる?」(←訳:公園が心霊スポット?)

 1位はトンネル系、
 2位は公園系、
 3位は商業施設系、
 4位は道路系、
 5位は橋梁系、
 6位は湖沼系、
 7位は自然系、
 8位はダム系、
 9位は神社仏閣系、
 10位は墓所系……

 数字が指し示す《心霊スポット》順位は、
 人間の心のゆらぎ、
 迷い、
 そしてダークサイドをも
 示しているかのようです。

 私たちが、
 どこに、
 どんな空間に
 《闇》の入り口を感じ取っているのか。

「とんねるもォ、こうえんもォ~!」
「ぐるる!」(←訳:御用心!)

 この統計結果を知ってから、
 御本本文の、
 『日本の異世界』を探る文章を読んでゆくと、
 読後の感想は、
 怖い!
 だけでは終わりません。

 ヒトの想像力。
 土地の歴史。
 時代ごとの意識の変化。

 表紙のデザインは、
 おどろおどろしい雰囲気が
 にじみ出ていますが、
 中身はいたって真面目な
 《異世界》検証。

 近現代史が好きな活字マニアさんには
 特におすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♫
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ エンタ映画の山脈を ~

2021-12-20 23:36:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あちゃちゃッ! みのがしィ~ちゃッたでス!」
「がるる!ぐるるっる~!」(←訳:虎です!見たかった~!)

 こんにちは、ネーさです。
 M-1グランプリを見逃してしまい、
 がっかり……しちゃってるんですけど、
 錦鯉のお二人に心から拍手を送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
  ―― 007 ジェームズ・ボンド All Missions ――



 宝島社から2021年9月に発行されたMOOK本では、
 シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
 を中心に、
 過去に製作された《007》作品が大特集されています。

「すぱいのォ、おうさまッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:王子様かも!)

 前回記事で御紹介した
 『建築の物語』では、
 英国ロンドンの『MI6 本部ビル』が
 堂々と掲載されていて、
 ええっ?
 スパイさんたちの総本山が
 こんなにオープンでいいの?
 と、驚くよりも心配になったものの。

 現役《007》さんも、
 いったんはスパイを引退したボンドさんも、
 今日もMI6を拠点に、
 元気に諜報活動中です。

「あらたなァ、みッしょんッ!」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:映画界を復活させよ!)

 コロナ禍のため
 休業を余儀なくされた
 世界各地の映画館、
 映画産業の再生を目指して
 闘うボンドさん。

 派手ハデなアクションシーン満載の
 『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を始め、
 このMOOK本では、
 
 ダニエル・クレイグさんや
 フクナガ監督へのインタビュー、
 《007》全作品徹底ガイド、
 歴代のボンド役者さんや
 ボンドさんの愛車アストンマーティン、
 困難な任務を援けてくれる
 様々なガジェット、

 などが取り上げられていて、
 感心したり、
 笑っちゃったり、
 いや~楽しいわ♪

「あくやくさんッ、かッこいいィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:良い面構え!)

 そうなのよね、
 なぜか、
 全員美女!脚長い!
 惚れ惚れ!なボンドガールさんたちよりも、
 悪役――
 近年は《ヴィラン》という呼称が定着した
 敵役の俳優さんたちの佇まいに
 惹きつけられます。

 カルト俳優として知られる
 ドナルド・プレザンスさん。

 強面なバビエル・バルデムさん。

 そして、
 悲し気な眼差しのラミ・マレックさん。

 また、
 悪役さんたちとは
 別の意味合いで
 作品のアクセントになっているのが、
 『M』と『Q』!

「あはァ! はつめいかさんッ!」
「がるるるる!」(←訳:いいよねQ!)

 シリーズの長い歴史の中で、
 『Q』を演じたのは、
 たった3人。

 デズモンド・ルウェリンさん、
 ジョン・クリーズさん、
 ベン・ウィショーさん。

 彼ら『Q』の
 知識と技術力があってこそ、
 ボンドさんもムチャな諜報活動が
 出来るってもんです。

「じかいィさくでもォ~」
「ぐるがるるる!」(←訳:期待してます!)

 映画の、
 わけてもエンターテイメント作品の
 頂点とも言える
 《007》シリーズの、
 はたして、
 次代ボンドさんの座を射止めるのは……?

 あの役者さんかな?
 この人かな?
 などと想像しながら、
 映画好きな皆さま、
 ぜひ、ボンドさんの世界を
 覗いてみてくださいね~♪
 

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 眺めて愉しき《建築》の旅 ~

2021-12-19 22:03:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やややッ! これはァ、めのォさッかくゥ??」
「がるる!ぐるがぅるるる!」(←訳:虎です!錯覚じゃないよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 スーパーマーケットの果物売場で、
 ルビーのように輝いているのは……
 南米はチリから到来した
 アメリカンチェリー♪♫
 そうかぁ南半球はいま夏だよねぇと感心しながら、
 さあ、本日の読書タイムは
 世界旅行へと出発してみましょう~!

  


 
   ―― 絵本のようにめくる 建築の物語 ――



 監修は田所辰之助(たどころ・しんのすけ)さん、
 川嶋勝(かわしま・まさる)さん、
 2021年11月に発行されました。
 世界各地の近代・現代建築63作品が
 紹介&解説されています。

「わァおッ! えいがァみたいでスゥ!」
「ぐるるがるるぅる?」(←訳:特撮のミニチュア?)

 これ本物なの?
 映画用のセットじゃないの?

 と驚かされるのは、
 メキシコシティの
 『ソウマヤ美術館』(2011年)……
 上空から見ると、
 巨大な椅子?
 ロダンさんの『考える人』の、
 椅子部分を建築にしちゃった?

「ぷふふッ♪」
「がるるっ♫」

 リオデジャネイロの
 『二テロイ現代美術館』(1996年)は、
 《サンダーバード》の基地?

 英国コーンウォールの植物園
 『エデン・プロジェクト』(2001年)は、
 ”王蟲の群のよう” 
 と形容されていて。

「ぷくぷくのォ~」
「ぐるがるるる?」(←訳:泡のかたまり?)

 まったく正体不明!
 何なのコレ?
 スライムの親戚かしら?
 なのは、
 英国バーミンガムの
 『セルフリッジズ・ビル』(2003年)で、
 ……え?
 百貨店さんですって?

「わはははッ♫」
「がるるる~!」(←訳:へんてこ~!)

 同じ英国でも、
 パッと見は質実剛健、
 しかし、
 やはりどこか雰囲気がおかしい?
 と怪しんでしまうのは、

 『MI6 本部ビル』(1994年)。

「それはァ、あのッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:ボンドさんの!)

 えへん、
 現代モノばかりでなく、
 近代モノにも
 目を向けてみましょう。
 はい、本文140~141ページをご覧あれ。

 んまあ♪
 まるでムーミン谷のようだわ♫
 メルヘンチックね~♩
 と言いたくなる
 ドイツのポツダムに在る建物は、

 『アインシュタイン塔』(1922年)、
 ”相対性理論はここで検証された”……って!

「そうたいせいィ??」
「がるるぐるがるる!」(←訳:理系の殿堂なんだ!)

 美術館・博物館、
 オフィスに商業ビル、
 宗教施設に、
 劇場、ホテル、
 駅や空港と言った交通機関、
 研究施設……。

 日本の建築物では、
 『国立西洋美術館』、
 『銀座メゾンエルメス』、
 『光の教会』、
 『築地本願寺』、
 『新国立競技場』や
 『中銀カプセルタワービル』
 なども取り上げられていますよ。

 また、
 53~55ページと
 98~101ページのコラムには、
 建築家さんについての記述もあります。

 建築だ~い好き!な方々に、
 建築史好きな活字マニアさんにも
 おすすめの一冊です。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね♪
 
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 遠く《古都》を想ふ ~

2021-12-18 23:34:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほぼォ~まんまるゥ?」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!眩しい~!)

 こんにちは、ネーさです。
 夕暮れの空には、
 まばゆいお月さまが、ぽっかりと。
 明日19日は2021年ラストの満月だそうですよ
 美しい冬のお月さまを待ちながら、
 さあ、読書……をサボって、
 本日は、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  


 
        ―― ポンペイ ――



 東京・上野の東京国立博物館 平成館にて、
 会期は2022年1月14日~4月3日
 (月曜休館、ただし3/21と3/28は開館し、3/22は休館)、
 『POMPEII』と伊語題名が付されています。

「おおッ! これはァ~…!」
「ぐるがぅるるるる!」(←訳:模型じゃないんだ!)

  

 はい!
 ナポリ国立考古学博物館から
 ここ日本にやって来るのは、
 ポンペイ遺跡からの出土品150点!

 フレスコ画や、
 大理石像、
 モザイク、
 装身具から、
 炭化したパンも!

「ぱぱぱッ?」
「がる~!」(←訳:パン~!)

  

 会場には、
 ポンペイ最大の邸宅『ファウヌスの家』、
 『竪琴奏者の家』、
 『悲劇詩人の家』
 の一部が再現され、
 遺跡の高精細映像の上映など、
 ポンペイ遺跡を体感できる展示空間が
 造られます。

「こだいのォなぽりィにィ~」
「ぐるがる!」(←訳:時間旅行!)

  

 そして、
 フライヤー(チラシ)に掲載された
 出展作品の中で、
 最も目を惹いたのは、
 ↑上の画像の、
 通称『青の壺』。

「きれいィ~でスゥ!」
「がるるるるる!」(←訳:なんという青!)

 宝石のような青色の壺……
 ただただ溜め息です♪

  

 もっちろん、
 スペシャルなオリジナルグッズも
 ミュージアムショップにて
 販売予定!

 サンリオさんのキャラクター
 『ポムポムプリン』くんが
 モザイクになって
 『ポンペイ展示』をアピールしますよ。

「わほゥ!」
「ぐるるっ♪」

 紀元後79年、
 ヴェスヴィオ火山の噴火によって
 灰に埋もれた都市ポンペイ。
 
 アート好きさんだけでなく、
 建築好きな方々や
 歴史好きさんも、
 ぜひ、2022年1月から始まる特別展を
 チェックしてみてくださいな♫




    では、ここで美味しいオマケ画像も!
   
   「ほゥ? これはッ?」
   
   「がるるる!」(←訳:お菓子だ!)
   
   『プレスバターサンド』
   というお菓子をいただきました♪
   カリッとした食感のサブレ風生地の焼き菓子に、
   バターを使ったらしい2層のクリームが
   サンドされています。
   「なかなかァおいしィ~!」
   「ぐるるがるる!」(←訳:個性派洋菓子!)
   お菓子パワーで寒波を乗り切り、
   皆さま、どうか穏やかな休日を。
   


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 探偵たちの《昔話》 ~

2021-12-17 22:22:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ううゥ! にしゅうゥかんッ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!2週間だなんて!)

 こんにちは、ネーさです。
 2021年も残りは2週間……
 いやいや、2週間あれば
 けっこう色々なことが出来るかも!
 と気合を入れ直しつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
 ―― むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。 ――


 
 著者は青柳碧人(あおやぎ・あいと)さん、
 2021年10月に発行されました。
 『むかしむかしあるところに、死体がありました。』
 に続く、
 《日本昔ばなしミステリ》第2弾ですよ。

「ちからわざッ!」
「ぐる~!」(←訳:荒業~!)

 『一寸法師』や『桃太郎』、
 『浦島太郎』といった昔話を
 パロディ化した作品は、
 珍しくない……と言えるかもしれませんが。

   昔話を本格ミステリに
   仕立ててしまおう!
 
 というのは、
 大胆かつ知力を要する
 難行ですよね。

「こんかいィはァ~」
「がるるぐるるーる!」(←訳:探偵がサブテーマ!)

 著者・青柳さんの手にかかると、 

 『かぐや姫』は、
 『竹取探偵物語』に。

 『おむすびころりん』は、
 『七回目のおむすびころりん』に。

 『わらしべ長者』は、
 『わらしべ多重殺人』で。

 『猿蟹合戦』は、
 『真相・猿蟹合戦』。

 そして、『ぶんぶく茶釜』は、
 『猿六とぶんぶく交換犯罪』へ。
 
「むむむむッ?」
「ぐるっる……がるる!」(←訳:猿六って……もしや!)

 あら、気付きました?

 そうなんです。
 『ぶんぶく茶釜』を
 ミステリ化した物語に登場するのは、
 お猿の猿六さんと
 その友人の綿さん。

 猿六……さるろく……しゃーろっく?
 綿さん……わたさん……わとすん?

 つまり、猿六さんと綿さんとは。

「ほォーむずゥさんッ?」
「がるるるぐる?」(←訳:ワトスン博士?)

 おっとと、
 これ以上のネタばらしは許されません。

 『竹取探偵物語』
 から幕を開ける
 《昔話界の探偵譚》が
 『猿六とぶんぶく交換犯罪』で
 どのような結末を迎えるのか――

 ミステリ好きさんにも
 昔話好きな方々にも
 激おすすめの力作です。
 2021年のうちに、ぜひ~♪
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ いまも色濃く、江戸文化 ~

2021-12-16 22:30:22 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃわゥ! はッけェ~んッ!」
「がるる!ぐるるるるがっる!」(←訳:虎です!嬉しいけど困った!)

 こんにちは、ネーさです。
 古い雑誌類を処分しようかなぁ……と、
 お片付けを始めてみれば、
 本棚の死角にあったのは
 月刊誌『モデル・グラフィックス』!
 それも宮崎駿さんの《雑想ノート》掲載号!!
 ………今日はもう、潔く断捨離を諦めることにして、
 さあ、読書タイムと参りましょう。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 江戸・ザ・マニア ――



 著者は浅生ハルミンさん、
 2021年10月に発行されました。
 前回記事からの《江戸》つながり!
 現代へも受け継がれている
 《江戸趣味の世界》を探る
 エッセイ作品ですよ♫

「えどのォ、しゅみィ??」
「ぐるる?」(←訳:例えば?)

 著者・浅生さんは御本冒頭の
 『はじめに』でこう記しています。

   趣味文化の流行発祥は、
   多くが江戸時代にさかのぼる。

 そうして、
 その“趣味”の魅力を理解すべく、
 愛好家さんや技術者さんたちのもとを
 たずねることにしたのです。

 おもと(万年青)、
 盆石、
 雛人形、
 盆栽、
 お香や、古地図……。

「うむむッ! ぼんさいィにィ、おひなさまッ!」
「がるるる~!」(←訳:シブいね~!)

 《江戸趣味の世界》は、
 そうね、どちらかというと、
 ギラギラピカピカのミラーボールとは違って、
 いぶし銀のような渋い輝き。

 けれど、
 一度ハマっちゃうと、
 脱け出せない魅力があるんです。

 《金魚》愛好家の、
 渋川さんも、“ハマっちゃった”おひとり。

 精密機械をつくる会社に
 お勤めしている渋川さんにとって、
 《金魚》は趣味……いえいえ、
 趣味以上の存在です。

 ただ単に鑑賞するのではなく、
 卵を孵すところから、
 じっくり育て上げてゆくまでの、
 全行程が、金魚愛。

 《蝶尾(ちょうび)》
 と呼ばれる、
 尾びれが蝶のような形の金魚育成に
 取り組んでおられます。

 ちなみに、
 《金魚》は2歳以上を成魚とみなす、んですって。

「しッぽがァ、ひらひらりィ~♫」
「ぐるがるる♪」(←訳:風流だねえ♪)

 また一方では、
 植物にハマっちゃう方々も
 おられます。

 江戸の風物として、
 かつて、花譜に描かれ、
 書物などにも登場したのは、
 《変化朝顔(へんげあさがお)》。

 奈良時代に中国からやって来た朝顔は、
 江戸後期に2度、
 《変化朝顔》ブームを巻き起こしました。

 現在は、
 全国に百数十人の
 『変化朝顔研究会』会員さんがいて、
 毎夏の開花時期には、
 がっかりしたり、
 うれしくてニコニコしたり。

「おはなをォ、そだてるゥのはァ~」
「がるぐるるる!」(←訳:大変だもんね!)

 刀剣、
 縁起熊手、
 古地図、
 鷹匠さん――

 その道の名人さん&専門家さんとの
 著者・浅生さんのお話しぶりが楽しく、
 イラストレーターである浅生さんが描く
 風情ある画の数々も必見です。

 江戸文化好きな活字マニアさんに、
 歴史好きな方々にも、
 おすすめの一冊ですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 《雪》への挑戦! ~

2021-12-15 23:26:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おおッ? しろいィ~かもッ?」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!白いね!)

 こんにちは、ネーさです。
 富士山の山肌が、
 すっきり白へと変わってきました。
 霊峰の冬姿を遠望しつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
        ―― 雪旅籠 ――



 著者は戸田義長(とだ・よしなが)さん、
 2020年7月に発行されました。
 先日ご紹介しました『恋牡丹』に続く
 《八丁堀の鷹 父子》シリーズの第2作です。

「ふァいッ! きたまちィさんッ、でスねッ」
「ぐるるるがるるぐる!」(←訳:お江戸の捜査員さん!)

 江戸の町の治安を守る、
 北町と南町の奉行所。

 戸田惣佐衛門(とだ・そうざえもん)さんは、
 『八丁堀の鷹』と呼ばれるほど
 キレ味するどい町廻り同心さんです。

 この御本には、
 惣佐衛門さんと、
 その後継たる
 清之助(せいのすけ)さんが活躍する
 短編8作品が収録されています、が……

 ふっふっふ♫
 何が愉しいといって、
 表題作品『雪旅籠』の愉しさは、
 また格別でございますよ♪♫

「……もしかしてェ~…?」
「がる??」(←訳:雪が??)

 はい、そうです!
 雪!

 建物を取り巻く、
 真っ白な雪……
 足跡ひとつない、白い雪……
 そう、外から侵入した者の痕跡は
 どこにもない……

 なのに、
 建物の内部では
 不可解な事件が……!

「おおッ! それはァ!」
「ぐるがる~!」(←訳:横溝先生~!)

 まさしく、
 横溝正史さん著『本陣殺人事件』(1946)、
 J・D・カー(ディクスン・カー)さんの
 『テニス・コートの殺人』(1939)や
 『白い僧院の殺人』(1934)
 を彷彿とさせるのは、
 《足跡のない事件》のジャンルに属する
 とびっきりの意欲作!

「わくわくわくッ!」
「がるるるるるるる~!」(←訳:どうなるんだろう~!)

 古今東西、
 数多の作家さんたちが挑んできた
 《足跡のない》難事件の、
 お江戸版とは。

 はからずも
 事件に巻き込まれてしまったのは、
 惣佐衛門さんの後を継ぎ、
 同心のお役目に就いた
 清之介さんでした。

 雪が降る中、
 とある旅籠の、
 離れの一室に投宿した清之介さん。
 ぐっすり眠って、
 あぁ~よく寝たぁ~と
 目覚めた翌朝。

「とどろくゥ~ひめいィ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:大騒ぎだよう!)

 清之介さんと同じ
 離れの棟に泊っていた人物の身に
 起きた異変……!

 雪の上に足跡がなく、
 自分以外に
 投宿者がいない、となれば。

「うううむゥ! ここはァ、やぱりィ!」
「がるぐるるるぅ!」(←訳:証明しなくちゃ!)

 我が身の潔白を証明しようと、
 清之介さんが取った手立ては?
 
 雪乃密室をめぐる謎が
 ピカリと光る『雪旅籠』、
 また、
 桜田門外の変をテーマにした
 『逃げ水』も、
 ミステリ好きさん&時代小説好きな方々に
 おすすめの快作です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
  

  ↑2作品を並べてみました。
  西山竜平さんによる
  カバーイラストの美しさに拍手です♫


  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 王様は旅をする ~

2021-12-14 23:39:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うううゥ! ちゃむいィッ!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!凍えてます!)

 こんにちは、ネーさです。
 12月の寒波に打ちのめされて、
 手足はブルブル、
 歯はガチガチ……
 そんな日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


  
        ―― 時間の王 ――



 著者は宝樹(パオシュー)さん、
 2021年9月に発行されました。

 ええ、そうです、SF!
 家から一歩も出ずに、
 この寒さから逃れて
 何処か遠くへ行ってみたい……と思ったら、
 SF!ですよ~♫

「じかんのォ、かなたへェ~」
「ぐるぅーる!」(←訳:バビューン!)

 巻末の解説によれば、
 『宝樹』とは、
 名字と名前に分割せず、
 これでひとまとまりのペンネーム、
 なのだとか。

 宝樹さんが一躍有名作家の仲間入りをしたのは、
 或る世界的なベストセラー作品が
 きっかけでした。

 劉慈欣さん著
 『三体』。

 宝樹さんが手掛けた
 『三体』の二次創作作品が
 出版社の目にとまり、
 さらに、
 著者・劉慈欣さんからも公認されたのです。

「わほゥ! らッきィ~!」
「がるーるるぐる!」(←訳:ユニークな経歴!)

 宝樹さんの日本初の短篇集となる
 この御本には、

 『穴居するものたち』
 『三国献麺記』
 『成都往事』
 『最初のタイムトラベラー』
 『九百九十九本のばら』
 『時間の王』
 『暗黒へ』

 という7作品が収録されています。

 その中で、
 私ネーさのいちばんのおすすめは、
 表題作品の
 『時間の王』(2015年発表)!

「じかんのォ、おうさまッ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:驚異のチカラだよ!)

 俺は時間の王だ――

 俺は飛ぶ。通り抜ける。
 自分の人生の
 あらゆる時間に、
 あらゆる瞬間に、
 “戻る”ことが出来る。

 パリの公園。
 大学のバスケットコート。
 上海の地下鉄。
 どこへでも、
 時間の壁をすり抜けて、
 ”戻る”ことが出来る。

 でも。

 俺の望み、
 真に願うことは、ただひとつ。

 十歳の頃、
 病院で出会った少女。

 彼女に会う。
 彼女とともに生きる。
 彼女とともに、ずっと。

 でも。

「ううゥ! うまくゥゆかないィ~!」
「がるるるぐるる!」(←訳:時間の王なのに!)

 時間を支配する王――俺。

 けれど、王にも出来ぬことがある?
 王の手でも、
 届かぬ場所がある?

 短編作品でありながら、
 長編を読んでいるかのような
 深遠な《時間の旅》は、
 SF好きさんのみにとどまらず、
 全活字マニアさんに激推ししたい傑作です。
 他作品と併せて、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ 江戸の花影 ~

2021-12-13 23:33:39 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むッ? ふたござァりゅうせいぐんッ??」
「がるる!ぐる~る!」(←訳:虎です!見た~い!)

 こんにちは、ネーさです。
 三大流星群のひとつである
 《ふたご座流星群》の見頃は、
 今日13日から15日にかけて。
 国立天文台からのライブ配信を待つ間は、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


 
       ―― 恋牡丹 ――



 著者は戸田義長(とだ・よしなが)さん、
 2018年10月に発行されました。
 短編4作品から成る連作ミステリの舞台は……
 はい、お江戸の町の奉行所の――

「きたまちィ~でスかッ?」
「ぐるがる?」(←訳:南町かな?)

 戸田惣佐衛門(とだ・そうざえもん)さんは、
 北町奉行所に勤める同心さんです。

 若かりし頃は、
 《八丁堀の鷹》
 と呼ばれちゃったりするほど
 キレキレだった惣佐衛門さんが、
 久しぶりに
 《鷹》らしさを発揮するのは。

「はんにんはッ、だれだッ!」
「がるる」(←訳:動機は?)

 季節は、春。

 桜が咲いて、
 うち揃って
 お花見に出かけたのは、
 藤兵衛店(とうべいだな)という長屋の
 住人さんたち。

 生憎と、
 お貞さんという女性と、
 その子の平吉くんは
 都合が悪くて、
 お花見に同行できなかったのですが。

 花の下での宴を終え、
 長屋の住人さんたちが
 帰ってきてみると……

 お貞さんと平吉くん母子が
 借りている部屋で、
 異変が??

「じけんでスゥ!」
「ぐるるがる~!」(←訳:お役人さま~!)

 惣佐衛門さんの推理方法は、
 黙って座ればピタリと当たる、ではなくて、
 足で探して、
 質疑を重ねて、
 ひとつずつ可能性を潰してゆくやり方です。

 もどかしいような、
 ハラハラするような
 捜査のはてに、
 惣佐衛門さんが行き着いた
 《答え》とは……?

「そうさはァ、しんちょうゥにッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:結論は大胆に!)

 《八丁堀の鷹》が登場する第一話
 『花狂い』に始まり、

 第二話の
 『願い桜』、

 表題作品『恋牡丹』、

 “終幕“となる『雨上がり』、
 
 の全4話は、
 連作ミステリであり、
 時代小説でもあります。

「えどからァ、ばくまつゥへッ!」
「がるるぐる!」(←訳:激変の時代!)

 短編ミステリならではの
 “良さ”が
 ピカリと光る文庫オリジナル作品を、
 皆さま、ぜひ♫

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~ ロマンの記憶を ~

2021-12-12 23:08:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うわわァ~んッ! おわらないィでェ~ッ!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!寂しい~!)

 こんにちは、ネーさです。
 大河ドラマ『青天を衝け』も、
 残すところあと2回……
 もっともっと観ていたいと涙ぐみながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、ドラマとちょっぴり縁がなくもない
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  


  
     ―― 大正ロマン手帖 ――



 著者は石川桂子(いしかわ・けいこ)さん、
 2009年12月に発行されました。
 『ノスタルジック&モダンの世界』
 と副題が付されています。

 江戸から明治に次ぐ
 大正という時代は、
 西暦にすれば1912年~1926年。

 15年間……とは、
 長いとはいえない年月ではありますが、
 濃密であり、
 ”独特”な時代であったことは確かですね。

「つかのまのォ、へいおんッ?」
「ぐるるがーる!」(←訳:ラブ&ピース!)

 そう、時代はおそらく
 愛らしいもの、
 穏やかなもの、
 を求めていたんでしょうね。

 御本の表紙には、
 大正期を代表するアーティスト
 竹久夢二さん、
 高畠華宵(たかばたけ・かしょう)さんの画が
 効果的にデザインされていて、
 見る者の目を惹きつけます。

 そして本文では、
 《知られざる抒情画家》として、
 井伊梅子さん、
 平井房人(ひらい・ふさんど)さん、
 久保田清春さん、
 月岡由美さん、
 等々力愛路さんの名も挙げられ、
 紹介されています。

「くわしくゥ~しりたいィ!」
「がるるぐるるるがる!」(←訳:どれもステキな作品!)

 画家さんたちが表現する
 独特な《大正の美》と並行して、
 う~む!
 と唸らされるのが、
 本文38~39ページの、
 『大正浪漫の流行色』
 というコラムです。

   大正期には
   年ごとに流行色があった!

   流行が計画的に
   作り出されるようになったのは
   この時代から!

   流行色を仕掛けていたのは
   百貨店!

 って、そうだったの?
 知らなかったわ!

「しぶいィ~いろあいィ!」
「ぐるーるがるーぐる!」(←訳:スモークカラーだね!)

 大正3年(1914年)の薄曙(うすあけぼの)色、
 大正5年(1916年)の那須紺(なすこん)色、
 大正7年・8年・10年の納戸(なんど)色……
 レトロ着物好きな方々には、
 あ、これね♪
 とピンと来る色じゃないかしら。

「あはッ! これもォ!」
「がるぐるるがる?」(←訳:大正ロマン文化?)

 本文92~93ページ、
 《ハイカラおやつ》のコーナーに載っているのは、
 『森永ミルクキャラメル』と、
 『カルピス』。

 『ミルクキャラメル』は大正2年、
 『カルピス』は大正8年に、
 発売されまたのだそうよ。

「そんなころからのォ~」
「ぐるるがるー!」(←訳:ロングセラー!)

 洋服へのきざし、
 女学生さんたち、
 宝塚少女歌劇団、
 蓄音機、
 フルーツパラー…

 儚いような、
 それでいて
 どこか逞しくもあるような、
 大正という時代に生まれた
 美しさ、
 愛らしさ。

 歴史好きな方々に、
 アート好きな方々にも
 おすすめのアートブックです。
 書店さんで、図書館で、
 探してみてくださいね~♪


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする