写真:月ヶ瀬は、美しい梅林を背景の名張川が引き立てる
この冬<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="29:奈良県奈良市;" Address="奈良市">奈良市</st1:MSNCTYST>ではしんしんと冷える寒い日が続きましたが、そういえばたいてい1~2度は降る雪を全く見ませんでした。やっと雨が次第に暖かさを運んできています。
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少し前から期待に胸をふくらませて、<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="29:奈良県奈良市;" Address="奈良市">奈良市</st1:MSNCTYST>の東部山間地にある「月ヶ瀬梅渓」に何度か通っています。でも「いつもより2~3週間は遅いです」と売店の方が言うように、どうも様相が違います。
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写真:一番の景勝地「一目八景」。撮影日3/21は若い枝の梅のみ。
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全体につぼみが少なく、色もぼんやりしているうえに、場所によってはばっさりと剪定されてしまって見るも無残な光景も・・・・。これは「梅公園」を造るためもあるそうでが、去年から年初にかけての異例の気候が、植物に与える大きさを実感します。
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奈良県の三大梅林はここと<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="29:奈良県五條市;" Address="五条市">五条市</st1:MSNCTYST>西<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="29:吉野町;" Address="吉野町">吉野町</st1:MSNCTYST>「賀名生(あのう)梅林」、吉野郡<st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="29:下市町;" Address="下市町">下市町</st1:MSNCTYST>「広橋梅林」です。先日賀名生(あのう)梅林にも行きましたが、やはりいまいちで、訪れる人も少なかったです。
<o:p>写真:同じく「一目八景」</o:p><o:p>撮影日4/2、古木の八重梅が。</o:p>
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月ヶ瀬で造られる「烏梅(うばい)」をご存知でしょうか? <st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="29:月ヶ瀬村;" Address="月ヶ瀬村">月ヶ瀬村</st1:MSNCTYST>の中西喜祥さんは、全国でただ1人伝統的な烏梅つくりを伝えていて、国選定文化財保存技術「烏梅製造」者に認定されています。大正7年生まれの同氏は「黒梅のおやじ」とも呼ばれているそうです。
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烏梅は600年の昔、室町時代から紅染め(紅花染めなど)の触媒に使われてきました。また腫れ物や下痢の薬として珍重されており、今は漢方薬として注目されています。その製法を簡単に紹介すると・・・。
写真:4/2には遅いしだれ梅も咲きそろい
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①梅拾い:半夏生(はんげしょう・7/2)過ぎ 頃、木から落ちた完熟梅を朝早く拾い集める
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②煤(スス)まぶし:かまどやなべの底からススを集め、梅の実に水を打って、ススをまんべんなくまぶし塗りつける。この作業を5~6回繰り返す。
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③燻蒸(くんじょう):真っ黒になった梅を畳二畳ほどのせいろに一粒づつ並べる。かまどの底には籾殻を蒔き、割り木を積み上げて燃やし、その上にも籾殻を重ねてさらに燃焼。
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④せいろ全体に莚(むしろ)をかけて、水をかけながら焚き具合を調整しながら、24時間燻蒸する。<o:p></o:p>
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⑤乾燥:1週間~10日間天日で乾燥し、さらにせいろで乾燥すると、カラカラと良い音を発するようになり完成。
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<o:p>写真:「梅古庵」で製造販売される烏梅
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</o:p>あいよっこはこのブログでも「後醍醐天皇」の紹介をしていますが、月ヶ瀬地区や月ヶ瀬の梅とも、密接なつながりがあったようです。この地は後醍醐天皇が最初に逃れた京都府「笠置山」と意外に近く、笠置山も北側は厳しい断崖ですが、奈良に続く道はゆるやかとなっています。
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天皇が元弘の乱(1331)の時に笠置から落ち延びたときに、女官たちがこの地に逃げ、停留しました。その1人である「姫若」が、お世話になったお礼に烏梅製法を教えたと伝わっています。このお話は絵本「梅と姫のものがたり」にもなっていますよ。
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ただ一軒製造している「梅古庵」の方は、「全国各地、特に京都の老舗や宮内庁などからも引き合いがあり、烏梅を使った紅染めのピンクは美しく、化学的な触媒では出せない色のようです」と話していました。
写真:梅古庵の店内にある説明・展示。
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