団塊の世代のつぶやき

誇れる日本を取り戻そう

★ヒズボラ攻撃のポケベルは誰が造ったのか?

2024年09月24日 | 国際

 

ポケベル爆発事件は何とも不気味です。身の回りの何に爆弾が仕掛けらているいか分からない時代になるかも。
  スマートフォンの爆発がバッテリだけでなく爆弾もありえるかも。嫌な時代になるかも。

  宮崎さんが取り上げてくれて今す。本当にそんなことにならないことを願うのみです。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)9月21日(土曜日)
  通巻第8420号   

 ヒズボラ攻撃のポケベルは誰が造ったのか?
  ハンガリーもブルガリアも製造元はペーパーカンパニーだった

 レバノンでヒズボラ戦闘員が使用中だったポケベルとウィーキートーキーで一斉に爆発して数千が死傷した。特に戦闘部隊長クラスが十名死亡したことが分かった(『エルサレムポスト』、9月20日)。

 ヒズボラは、それまで使っていた携帯電話がイスラエルの監視・傍聴の対象となり、戦闘員の居場所が把握される可能性が高いと判断し、使用を厳しく制限 し、ポケベル購入を始めた。組織内でのメッセージ送信はポケベルの使用となり、これがヒズボラの「最も脆弱な部分」になっていた。ヒスボラの通信システム は喪われた。
そのうえで9月19日、イスラエル空軍はレバノン南部からベッカー高原に点在するヒズボラ基地を空爆した。およそ100ヶ所、ヒズボラの戦略は半壊した。

 これらの機器の製造元が台湾と日本と言われた。
ポケベルの場合、製造元は台湾のゴールドアポロ社だったが、ハンガリーの企業のOEM生産とされた。そのハンガリーの「BACコンサルディング」という ペーパーカンパニィが浮かび挙がり、調べると実態は幽霊会社、イスラエルの諜報機関がダミー会社として設立したとニューヨークタイムズがつたえた。

 BACコンサルティングはクリスティーヌ・バーソノニー・アルシネイアコノ女史(49歳)が経営しており、彼女はイタリアとハンガリーの混血、博士号をも ち、七ケ国語をあやつる。パステル画でヌードをえがく画伯でもある。彼女は「なにも知らない」とメディアに解答している。

 台湾のポケベル製造元は『ゴールドアポロ』で新北市に本社がある。世界のメディアが殺到した。

 ポケベルの製造元が台湾企業とされたことに対して、顧立雄・国防部長は「各国と軍事・情報交流を行っているが、今回の事件や台湾の関与については承知して いない。海外からの認知作戦の痕跡があり、関係部隊が発見したデータはそのような状況が存在することを示している」と答えた。

 台湾のゴールドアポロは過去2年間に26万セットのポケベルを輸出した。爆発事故は一度もなかった。また部品は比較的ローエンドのICとバッテリーであり、爆発の可能性は低い。

 すると今度はポケベル製造がブルガリアではないかとされた。
このためブルガリア当局は9月19日に、ソフィアを拠点とする企業の捜査を開始した。疑惑の「ノルタ・グローバル」社がヒズボラにポケベルを販売したとさ れ、捜査当局が向かうと、この会社もまたソフィアの「住宅地」に所在するペーパーカンパニーで、ノルウェー国籍のリンソン・ホセが経営。このノルタ・グ ローバルは、2022年4月に設立されたばかり、まったくの幽霊企業とみられる。

 ブルガリアの国家安全保障機関(DANS)は「ブルガリア領土内でポケベルの輸送は確認されていない」とした。

 つまりこうした複雑な構造で背後関係を曖昧としたのは「ポケベルを製作したイスラエル諜報員の正体を隠すため」であり、多くのダミー会社を設立し正体を隠す煙幕を予め用意していたことになる。
 事実は小説より奇なり。


  ヒズボラの軍事組織が壊滅だそうです。何とも、意志理数、

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)9月23日(月曜日)
  通巻第8422号  <前日発行>

 ヒズボラの軍事組織「ラドワン軍団」の指導部ほぼ壊滅か
   部隊長、訓練部長、作戦部長ら15名の指導者が死亡

 イスラエル軍の発表ではヒズボラの武装組織『ラドワン軍団』の最高司令部およそ15名が9月17日のポケベル、18日のウォーキートーキー爆破と、19日からのレバノン南部空爆によって死亡したと発表された。
 現時点でポケベルとウォーキートーキーの爆発による死者は37名、負傷者は3200名に及ぶ。

 ヒズボラの指導者はハッサン・ナスララ(現地読みはハサン・ナスルツラーフ)で、三代目の書記長である。
彼はベイルートで育ち、15歳の時にアマルへ加盟した。指導力を見出されイラクへ留学し、22歳のときにアマルが分裂したため、ヒズボラに加入し、イスラエルとの多くの戦闘に参加した。

 アマルは1974年にシーア派イスラム協会の軍事組織として結成され、親シリア色が濃く、またファタハから資金援助を得ていた。
 ナスララはベイルート南部の秘密要塞で健在と言われる。

 ラドワン軍団で指揮を執った軍司令官モハマド・カセム・アルアダール。作戦部長だったハッセン・ユセフ・アバダルタール。訓練部長だったアブ・ハッサン・ナミール。武器調達責任者だったフセイン・アーマド・ダーラジらが死亡した。

 中東の武装組織の特色は指導者が不在となると軍隊としての機能をうしなう。ヒズボラは著しい戦力低減となって、以後、イスラエルとの戦争に決定的に不利となる可能性が高いとされる。

  こんな戦術が当たり前になると通信機器を使うのが恐ろしくなる時代の到来かも。


★今度は日本製トランシーバーが爆発

2024年09月22日 | 国際

 

ポケベルの次は日本製のトランシーバが爆発だそうです。製造は日本ではないようです。

  宮崎さんが取り上げてくれています。トランシーバーもまだいきのこっていたんですね。こうなると、スマホもいずれはこんな仕掛けが当たり前になるのかも。恐ろしい時代になりそう。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)9月19日(木曜日)弐
 通巻第8418号   

 二度あることは三度ある
  今度は日本製トランシーバーが爆発、死傷450

 9月18日、レバノン各地で今度はヒズボラ戦闘員らが使用していたウォーキー・トーキー(トランシーバー)がベイルートの葬儀会場などで爆発した。死者20,重軽傷が450名で、ポケベルより爆発力が強かった。

これは「ICOM IC─V82」で、日本のメーカー「アイコム」が欧州子会社で製造したもの、ただし数年前に電池の不具合が見つかり、製造を打ち切って いた。このウォーキー・トーキーはイランの革命防衛隊とヒズボラが共有していたところからイランからの配給品ではないか。

 アイコムは京都が拠点の通信機器メーカーで最新のウォーキー・トーキーや個人のハム無線などの機器大手である(2023年から京都と東京の本社二社体制)。

 9月17日のヒズボラ戦闘員の2800名の死傷の「武器」となったポケベルは、台湾のゴールドアッポロ社がハンガリーの提携先にOEMで製造させたもの で、「AK924ペイジャー」と呼ばれる。台湾本社CEOの許清光は「ハンガリーのBAC社が製造、これまでに10万台が出荷されているが、レバノンへ輸 出された記録はない」とした。

 さてイスラエルはなぜこの時期に大規模な、遠隔操作によるヒズボラ攻撃に打って出たのか。英米筋はタイミングの読み違えであり奇襲攻撃を受けた直後なら合法性を問われることもなかったから「イスラエルの失敗、フライングだ」と批判している。

 だがイスラエルから見れば、北部国境からすでに住民六万人を待避させており、ヒズボラの攻撃は近いと踏んでいた。奇襲直前の状況だとネタニヤフ政権は軍事的に判断しており、総合的作戦の承認を9月17日の閣議で決定していた。

 もう一つの疑問はなぜヒズボラだけにイスラエルは攻撃対象を絞り込んだかである。
 レバノンは嘗てのフェニキア、首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれた。地政学的には中東の要衝であるため列強の侵略、植民地化、信託統治が続き、宗教も入り乱れている。

 大統領はキリスト教マロン派から、首相はスンニ派から、国会議長はシーア派から選ばれる政治構造となっており、ほかにギリシア正教、アルメニア教会、イスラム教ドルーズ派がある。後者はイスラエルとの連携があるとされる。

 ヒズボラの強敵はおなじくシーア派の武装組織は「アマル」だ。
しかしこの間の動静は伝わっていない。アマル(レバノン・レジスタンンス=「希望」の意味)はヒズボラより古く1974年に親シリア派世俗イスラム団体として発足しており、各派との内ゲバを繰り返しながら、いつしかヒズボラが急進、勢力を二分していた。

 アマルは国会活動を重視して武装闘争をやめ、国会128議席のうち、13議席を占める。 ヒズボラ軍事部門の壊滅的な打撃を、アマルはいかに評価しているのだろうか?

 ともかく「二度あることは三度ある」。
次はいつ、どこで??
  
  ポケベルも製造元はハンガリーのようです。こうなると、どこで何が仕掛けられているか分からないですね。大量生産品には何が仕掛けられているか分かりません。

     令和六年(2024年)9月20日(金曜日) 通巻第8419号   

 ボケベルOEM製造のハンガリー企業は幽霊会社だった
  贋物はブルガリアで生産、爆薬が仕掛けられたらしい

 ヒズボラの通信網壊滅、主力戦闘員数百が死傷した。このようなハイブリッド軍事作戦が、これからの戦争の特色となる。ハッッカー、フェイク情報のレベルを超えた、実験的な戦法が普遍化する兆しかもしれない。
 ヒズボラの主力軍事力を混乱に陥れたのち、9月19日からイスラエル空軍はレバノン南部へ大規模な爆撃を始めた。

 9月17日、レバノンのおけるポケベル一斉爆発は、台湾「ゴールド・アポロ」社の製品と言われた。台湾企業は三年前にハンガリーのBAC社とライセンス契約を結び、名義貸しの立場だったとCEOが記者会見した。

 世界のメディアは一斉にブタペストへ飛んだ。
BACの登記住所は、ペーパーカンパニーが何社も入っている幽霊会社だった。NYタイムズは「この会社はイスラエルの諜報機関が設立した」と報じた。またハンガリーのメデイアはポケベルのOEM生産はブルガリアの工場で製造されたと報じた。

 日本のアイコムが製造したとされるウォーキートーキーは、すでに十年前に製造中止となった旧世代に属する製品だった。9月18日に一斉に爆発したトランシーバーである。
アイコムは偽造品対策のため、製品に特殊シールをはっており、それが無ければ贋物だろうと言う。おそらく精巧な偽造品、あるいは何処かで爆薬を仕掛ける改造工場があると想定される。

 さて稲妻のように名前がでてきたブルガリア? ヨーグルトと薔薇と「リラの僧院」で有名だが、じつはNATO加盟以来、ブルガリアの軍事産業は2000倍もの大飛躍をとげており、ウクライナへの武器供給でも主力になっていた。

 その上、ブルガリアは、イスラエルとの関係が良好である。
 2018年三月、ルメン・ラデフ大統領はイスラエルを訪問した。この時、イスラエルは外国人が立ち入り禁止の「CERT」(コンピュータ・エネージー・ レスポンス・システム)の視察を許可している。さらに同大統領はイスラエルのシリコンバレーと言われるサイバーパークも訪問した。

 同年6月、ブルガリアのボリコ・ボリソフ首相がイスラエルを訪問し、ドローンの共同開発で合意した。ちなみに同年一月にブルガリアを訪問した安倍晋三首相(当時)をソフィアの首相官邸に迎えたのもポリソフだった。

 イスラエルは第二次大戦の最中にホロコーストを逃れたユダヤ人を救ってくれたブルガリアに近親観をもっているとされる。ブルガリアは古代スキタイの黄金文化が栄えた地域である。

  やはり、スマホに爆弾なんてありそうです。それでなくてもバッテリーの爆発があるのですから。
  もう通信機器を手放す時かも。その点、携帯を止めた極貧の私は安全かも。嫌な時代ですね。


★ヒズボラ戦争員のポケベルが一斉に爆発

2024年09月20日 | 国際

 

ポケベル何てまだ使われているところがあることに驚かされます。何と爆弾としてつかわれているようです。
  今やSスマホに取って代わられたと思っていたら世界では結構使われているようです。

  宮崎さんが取り上げてくれています。色んな使い道があるものです。それにしても、爆弾とは想像もしませんでした。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)9月19日(木曜日)
 通巻第8417号   <前日発行>

 ヒズボラ戦争員のポケベルが一斉に爆発
  テロリストの通信網が寸断されレバノンは混沌状態に

 9月17日、レバノン各地で連続爆発があり、死傷者が2750名(ワシントンポスト、NHKなど)~3000名(BBC)。ヒズボラ戦闘員に配給されて いたポケベルが同時にあちこちで鳴った一瞬、爆発し、これによってヒズボラの軍事指揮系統は寸断された。レバノンは混沌に陥った。カルロス・ゴーンは大丈 夫?
 死者は即死が九名、重症が200名を超え、しかも駐レバノンのイラン大使も負傷した(これでイランとヒズボラの強い関係が鮮明になったともいえる)

 TIKTOKやインスタグラム世代は訳が分からないだろう。ポケベルは二世代前の技術、いまごろ何で、この旧時代のシロモノをヒズボラは通信に使っていたのか。
理由は簡単で第一に遠隔地でも受信できる。ヒズボラの戦闘員はレバノン各地に散在しとくに南レバノンのイスラエル国境地帯に分散している。

 第二に戦闘員との相互通信はない。一方的な指令を待つだけだからポケベルで十分なのだ。
 筆者がポケベルを愛用したのは1974年頃で、当時は革命的な技術的進歩といわれた。出先で、電車の中でポケベルが鳴ると近くの公衆電話から連絡し、緊急案件を片付けた。いつも小銭入れには10円玉を沢山入れていたっけ。

 これが自動車電話にかわり、初期の携帯電話(重装備で警視庁などがつかっていた)が登場するとポケベルは姿を消した。そして携帯電話が小型化され、スマ ホとなり、デジタルカメラを、ヴィデオを駆逐するほどに多機能を備えた。なにしろアップルの新型iPhoneを大量に買い占めて転売しようと中国のヤクザ 「ドラゴン」が動くほどにスマホ万能時代である。

 ヒズボラは1982年に設立され、胴元はシリアとイラン。表向きは社会奉仕組織で、裏へ回ると軍事組織がある。なかでも「ラドワン部隊」なる特殊部隊はイランの革命防衛隊から軍事訓練をうけた。
ヒズボラはガザに陣取るハマスとも連携しており、ハマスのトップだったハニヤ政治局長がテヘランの宿舎で暗殺されたため、連絡網が一時絶たれた。
またイスラエル軍の諜報組織「アマン」のハッカー部隊「8200部隊」は、つねにテロリスト集団幹部らの居場所を探っていた。

  ヒズボラの使用したポケベルは「テレトリム」と呼ばれ、『ポケベル改良型、リチウム電池使用』である。これは現在も医師、救急隊員、警備陣などが重宝する。ビーブ音だけではなく数字以内のメッセージを送信できるからだ。
 イスラエルとの戦闘でヒズボラは過去11年間に450人の戦闘員が死んでいる。

 ポケベルの爆発はマルチメウエアが予め組み込まれていたためリチウム電池が発火した説が有力である。
世界各地で中国製EVが爆発事故を起こしているほか、2024年6月24日には韓国のリチウム電池工場で発火爆発事故がおこり、22人が死亡した。
 ヒズボラのポケベルは、この半年以内に戦闘員に配給された新型だったという。
 異説もあって、英国軍事筋によれば、ヒズボラのポケベルには電子装置のフェイク部分に10~20グラムの爆薬が仕掛けられていたのだという。
誰が仕掛けたのか。ポケベルの製造元ではなく、ヒズボラが兵士に配る前に、下請け業者が仕掛けたのか、或いはヒズボラ自身が、戦闘現場で自爆攻撃のためか?

 類似戦法は2009年から2010年にかけて米国とイスラエルが共同した作戦があり、イランの核分離機千台をマルチウエアで破戒した。
 2021年にはイラン全土で4300ヶ所のガソリンスタンドが機能停止となった。いずれもイスラエルの遠隔操作によるものとされる。

 ▼テレグラムはハマス、ヒズボラばかりか「ルフィ」も悪用していた

 「テレグラム」の通信アプリが、その秘匿性の高さ、確認後の自動的な消去などから世界のテロリスト、犯罪集団が悪用していた。フィリピンの刑務所から犯罪を指令していた「ルフィ」も活用していたことが警視庁の調べで分かった(2024年9月18日、産経新聞)

 2018年から通話を傍受される暴力団関係者がテレグラムを使い始めた。特殊詐欺や強盗、フィッシング詐欺の「詐欺ツール」の売買などで使われるようになった。

 2022年頃からは広域強盗だ。逮捕者らの供述によると、X(旧ツイッター)などの「闇バイト」募集に応じた犯行メンバーは、「ルフィ」などと名乗る指示役からテレグラムのチャットを使い、やりとりをするよう指示された。

 警視庁はルフィ事件の解明が「ごみ箱に広がった小さい破片を1つ1つ組み合わせていく捜査だった」という。電子記録や防犯カメラ画像など「証拠」重視となり、警察が扱うスマホの解析件数が増加し、同時に解析技術が向上した。
 フランスで拘束されたテレグラムのCEOデュロスは、こうなると法的に犯罪者となる。

  どんな便利なものも悪用されると恐ろしい武器になるんですね。今にスマホ爆弾も登場するのかも。物騒な世の中です。
  不便でも、何も利用しないのが一番安全かも。


★テレグラムCEO逮捕、フランス情報機関との密約に違反したか

2024年09月12日 | 国際

 

ネットの時代になって、益々情報を握ったものの力が膨大になってきて、国家との戦いが酷くなってきたようです。
  対に、国家が動き出したのでしょうか。それとも、何か他の力でしょうか。

  宮崎さんが取り上げてくれて今す。それにしても、情報を握った者の恐ろしさが巨大になっているのは間違いないようです。果たして、どんな世界になるのでしょうか。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)9月10日(火曜日)
  通巻第8402号   <前日発行>

 テレグラムCEO逮捕、フランス情報機関との密約に違反したか 
  逆にロシアは西側の検閲を外交問題に 欧州の次の狙いはXだろう

 グーグルの発明家はふたりのロシア人である。セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジだ。
 米司法省から独禁法違反と問われ、解体論の話まで進んでいる。グーグルばかりか、司法省はアップル、エヌビディアも提訴しており、FTCはアマゾン、メタ、マイクロソフトを提訴もしくは調査している。
 マグニフィシエントセブンのもうひとつ、イーロンマスクのXはブラジル政府と禁止か否かで争っている。ドイツの極左政権はつぎにXの封じ込めを画策している。

 暗号通信の新興企業テレグラムの発明もふたりのロシア人。ニコライ・ドゥロフとハベル・ドゥロフ兄弟である。
最初はロシアを中心に、西欧から香港、中東に拡がり、とくに反政府の民主活動家達が利用したので十億人のアクティブ・ユーザーがいた。「いた」と過去形で書くのは、CEO逮捕以来、利用が急減したからだ。
香港では当局の弾圧に抗した民主活動家たちが暗号による連絡網として駆使し、とくに米国からの支援、資金の受け皿の通信に使った。イランの反体制派もテレグラムを愛用した。

 2024年8月24日、テレグラムCEOのハベル・ドゥロフはプライベートジェット機でパリに着陸したところ、突然、フランス官憲に逮捕され、プラットフォームの杜撰な管理が犯罪者との共謀を含むとされ、起訴された。

これは児童性的虐待コンテンツの配布を可能にするなどの犯罪への共犯、麻薬密売と詐欺、そして法執行機関への協力の拒否を含む容疑だ。
逮捕から三日後にドゥロフは500万ユーロ(8億円)の保釈金を支払い、フランスからの出国禁止と週に2回警察署に出頭することを条件に釈放された。

 背後に何があるか。世界の諜報機関も利用していたプラットフォームゆえに、様々な憶測、それこそロシアとの秘密の関係、アメリカの妨害、世界の民主活動家は何か一連の暗い密約があるとみて、利用を止めた団体が多い。

 もともとロシア連邦政府はテレグラムに規制をかけたのだ。
2018年4月、ロシア当局はテレグラムの使用を禁止した。するとモスクワで大規模な抗議デモが起きた。対抗手段を講じたテレグラムはロシア向けサービスを継続し、ロシア政府のネット検閲に抵抗する象徴的存在とみなされた。コロナ禍がおこり、むしろ国民への情報提供ツールとして利用する公的機関があらわれ、規制は形骸化した。

 ▼ドゥロフはロシア生まれ。プーチン政権の監視に嫌気してドバイに移住した。

 フランスで唐突に逮捕されたハベル・ドゥロフはメッセージを寄せた。
「フランス検察側の立場は驚くべきものだ。国がインターネットサービスに不満を持っている場合、そのサービス自体に対して訴訟を起こすのが慣例となっているが『スマートフォン以前の法律』を使って当該プラットフォーム上で第三者が犯した犯罪で我々を訴えるのは誤ったアプローチだ」

 ドゥロフは、こう続けた。
「テクノロジーを構築することは非常に困難です。ツールの潜在的な悪用に対して個人的に責任を問われる可能性があるとわかっている場合、革新者は新しいツールを開発することはありません」

このドゥロフはロシア生まれだが、2010年代後半にプーチン政権の監視とデータ提供の強要に嫌気してドバイに移住した。フランス、アラブ首長国連邦、カリブ海諸国のセントクリストファー・ネイビスの国籍も持つ。フランス国籍はマクロン大統領との昼飯会で特例が認められた。

 ところでドゥロフとともにフランスの飛行場で拘束されていた謎の美女の正体が分かった。ドバイ在住のユリア・ヴァビロヴァは、プライベートジェットに同乗していた。彼女も3日後に釈放された。

 9月5日に彼女はインスタグラムにメッセージを寄せ、「私は多くの人から支援されました。多くの誤った情報が流通していますが、それは今後の話題です」と曖昧な言葉を並べた。
ヴァビロヴァ女史はドゥロフとカザフスタン、キルギスタン、アゼルバイジャンなどに同行していた。

 そこでヴァビロヴァは「ハニーポット」タイプの諜報員であり、ドゥロフをフランスに連れ出す任務を負っていたのではないかという憶測が広がった。最も有力な陰謀説の一つは、彼女がイスラエルのモサドのために働いていたというものだった。漫画的な発想の飛躍だが、スパイ小説ではよくあることだろう。

 このテレグラムの創設者は独身だが、精子提供によって100人以上の子どもをもうけたと主張しており、フランス警察に対しは、エマニュエル・マクロン大統領と夕食をとる予定だったと話した。マクロン大統領はこれを否定している。
虚言症なのか、誇大妄想型の人間なのか、つかみどころがない。

  いよいよ、世界は混沌としてきたようです。庶民の知らないところで恐ろしい戦いが繰り広げられているのかも。
  やはり、人類は滅亡にムカッているのかも。不気味です。


★プーチン大統領は特別機でモンゴルのチンギスハーン国際空港に降り立った。

2024年09月05日 | 国際

 

国連を筆頭とする世界組織なんて、やっぱり役に立たないようです。プーチンがモンゴルをほうもんしたそうです。

   宮崎さんが取り上げてくれて今す。プーチンの逮捕劇があるかもと期待されていたようですが、やはり、なかったようです。
  世界組織何て完全にコケにされているようです。  

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)9月4日(水曜日)
  通巻第8394号  <前日発行>

 プーチン大統領は特別機でモンゴルのチンギスハーン国際空港に降り立った。
 制裁も何のその、ルワンダから2,921万ドル米紙幣とユーロ紙幣を輸入した

 2024年9月2日、ロシアのプーチン大統領は特別機でモンゴルのチンギスハーン国際空港に降り立った。首脳会談とハルハ河戦争85周年記念式典に列席 のためである。ハルハ河戦争とは日本でいうところのノモンハン事件。歴史書は日本が負けたと書いているが、ソ連崩壊後にでてきた機密文書により、日露の犠 牲はソ連側の方も甚大で、引き分けだったことが判明している。

 それはともあれ、国際メディアが騒いだのはプーチン逮捕の可能性だった。ロシア制裁によって国際刑事裁判所(ICC)がは逮捕状を発行している。
しかしクレムリン報道官は「モンゴル当局がプーチン大統領の入国を拒否したり、到着後に逮捕したりする懸念が報じられているが、何の心配もしていない。モンゴル訪問は慎重に準備された」と記者団に語った。

 ICCは「モンゴルは締約国としてプーチン大統領の逮捕状を執行する義務がある」とし、プーチン大統領を逮捕しなければ「2002年に批准したローマ規程第86条と第87条に基づく義務の遵守が疑問視される」と指摘した。
 日本のメディアもこの論調で報じている。

 プーチン大統領は「令状には困惑していない。ICCの西側加盟国といわゆる南半球諸国との間に裂を入れる機会を得ることになる」と強気の弁を述べた。

 制裁は多方面に亘って影響がでているが、ロシアは西側諸国の制裁にもかかわらず、ルワンダから2,921万ドル以上の米ドル紙幣とユーロ紙幣を輸入していた(ドル札はすべてが100ドル紙幣だった)。

 米国とEU(欧州連合)は、ロシアのウクライナ侵攻直後から、制裁を強化していたが、2022年3月にはロシアへの自国紙幣の輸出を禁止した。
それ以来、トルコやアラブ首長国連邦など制限を設けていない国々から22億7000万ドル相当のドルとユーロがロシアに送金されたことも判明している。
 制裁破りは意表を突く方法で想定外の国々が絡んでいる。

  世界組織なんて欺瞞と言えば言い過ぎでしょうか。世界組織がまっとうに働くことを期待するのが間違っているのでしょうか。
  所詮人間なんてこの程度か。


★第3次大戦リスクは絵空事にあらず イラン報復宣言

2024年08月09日 | 国際

 中東からの第三次世界大戦は有り得るのじゃないでしょうか。青山さんが。「ぼくらの国会」で渓谷を発してくれて今す。
  宗教がからんでいるだけに面倒そうです。それにしても、世界はまさにいつ、どこから戦争が始まるかわからない状態のようです。
  人間て、本当にバカのようfrす。


  さて、人類は生き残るのでしょうか。戦争の無いせかいなんて夢でしかないのかも。


★バングラデシュは暴動から政権転覆。

2024年08月09日 | 国際

 

中東が危ないと思っていたら、今度はバングラディッシュで暴動から政権転覆だそうです。世界は益々混沌としてきたようです。本当に来年を迎えることができるのでしょうか。

  宮崎さんが取り上げてくれて今す。こうなると、もう何が起きるか分からない。人類滅亡も有り得るのかも;地球に取って絵はそれが最高だったりして。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)8月7日(水曜日)
 通巻第8359号  

 バングラデシュは暴動から政権転覆。「黒幕はパキスタンと中国」とインド
  インド紙は「イスラム過激派のテロリストが政変を計画していた」と報道

 8月5日、ハシナ首相はヘリコプターにとりあえずの財宝(スーツケース数個)を積んでパキスタン空軍基地からインドへ脱出した。嘗て「民主主義のイコン」といわれた彼女も15年間、権力の座にいるうちに“腐った”林檎になったのか。

 他方、自宅監禁になっていたジア前首相は自由の身になった。ジアは大統領未亡人で1991年に夫が暗殺されると首相となり五年間、バングラ国政を担っ た。BNP(バングラ・ナショナル党)党首でもあり、反ハシナ路線を唱え、2014年と2024年の総選挙をBNPはボイコットしてきた。

 学生による暴動で死者は430名以上、負傷者数千。幕切れは呆気なくハシナ逃亡とともに軍が暫定的に権力を掌握し、新政府顧問にムハメド・ユヌス(2006年度ノーベル平和賞、84歳)を迎える。ユヌスは”亡命先“のフランスからダッカへ戻る。
 当面は陸軍司令官のウエイカー・ウズ・ザマンが暫定政府を舵取りし「早い時期に総選挙を実施する」としている。

 学生たちの最初の要求は公務員枠の撤廃だった。これは建国の英雄(アブドラ・ラーマン)が主導した独立戦争で犠牲となった遺族の子供達が公務員の枠で優 遇され、これが不公平というものだった。ハシナはラーマンのむすめである。なにしろバングラでは1800万人の若者に職がなく、数少ない輸出産業の繊維産 業もコロナ禍以後、ZARAなどが工場を縮小したため不況に陥っていた。若い女性の500万人が繊維産業に従事しているが、中国資本の人使いの荒さにも不 満が昂じていた。

 暴動は公務員枠の不公平が原因とされるが、これは口実でしかなく(すでに数年前にハシナ政権が撤廃を声明)、実際の狙いは政権転覆にあった。

 中核となったのは「ジャマート・エ・イスラミ」というテロリスト集団だ。現在の指導者は不明。だが、インド情報部によればアフガニスタンで軍事訓練を受けた形跡があるという
「ジャマート・エ・イスラミ」は1975年に結成され、一時期はBNPと連携していたが、ヒンズー撲滅などを唱えて過激化し、非合法とされて地下に潜った。
「ジャマート・エ・イスラミ」の過激学生セクトが「シャハトラ・シビル」と呼ばれ、イスラム同胞団、イスラムジハードならびにハマスと連携している。この「シャハトラ・シビル」が暴動を煽ったプロ活動家である。


 ▼習近平は「貸したカネを取り戻せるのか」と心配

 インドのメディアは政変の黒幕はパキスタンと中国とした。しかし中国は、むしろハシナ政権との癒着、巨額の汚職が問題であり、政権転覆でメリットはない。

 中国のBRI(一帯一路)は、合計1兆3400億ドルを世界165ヶ国に投じて、合計20000件のプロジェクトを展開している。

 ハシナ首相が訪中はつい先日、24年7月10日のことである。
北京の人民大会堂でバングラデシュのハシナ首相と会談し、両国関係を「包括的戦略協力パートナーシップ」に格上げしたばかり。中国はバングラデシュに50 億ドルを投じ、さらにハシナ政権は追加50億ドルを訪中時に要請した。習近平は、とりあえず10億ドルでどうかと打診していた。

 またハシナは23年4月に訪日しており、独立以来バングラへの支援は巨額に登る。バングラ進出の日本企業はすでに340社、在留邦人は千名を超えており、安全確保が急務とされている。

 バングラデシュは世界銀行から195億ドルを借りており、年間の利払いだけでも2・5億ドル。日本のバングラデシュ援助は

 バングラデシュのテロ組織は、ほかにJMB(ジャマトゥル・ムジャヒデン・バングラ)がISILの影響下にあって、その分派が2016年に日本人7名を殺害したテロ事件を起こした。他にAAI(アンサール・アル・イスラム)がアルカイーデの流れを組むとされる。

  人間て、どうしてこんなに争いが隙なのでしょうか。これぞ、欲望が齎すもだとしたら、人類に未来はないのかも。


★ハマス大幹部暗殺はドローンではなく建物に仕掛けられた爆弾だった

2024年08月04日 | 国際

 

中東が、ますます混沌としてきたようです。やはり、宗教がらみでしょうか。いよいよ第三次世界大戦も有り得るのかも。

  宮崎さんが取り上げてくれています。それにしても、中東は何が起きるのやら。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より  令和六年(2024年)8月2日(金曜日)弐
  通巻第8352号   

 ハマス大幹部暗殺はドローンではなく建物に仕掛けられた爆弾だった
  イラン情報部と革命防衛隊の対立関係が警備の手抜かりを招いた(らしい)

 ニューヨーク・タイムズが報じた。
7月31日のハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ暗殺は「空爆」ではなく、彼の宿舎に密かに持ち込まれた爆発物によるものだった、という。
 爆弾は6月に建物の中に隠され、イランの核開発責任者モフセン・ファクリザデ殺害にも使われた最先端の遠隔技術が駆使されたと、こんどはワシントンポストが報じた。宿舎は高級住宅地にあって警備担当はイスラム革命防衛隊(IRGC)だった。

 攻撃が「空爆」であり、ドローン攻撃だったとした第一報は、ハニヤを守れなかった責任をIRGCから空軍などの他の組織に転嫁するためだった。ハニヤはテヘランを何回も訪問しており、同じゲストハウスに滞在していた。この機密を知るのはIRGCである。

 ハニヤはイスラエルとの人質取引交渉でハマス軍事部門トップのシンワールより実務的だとされたが、最近はハニヤが交渉進展の障害となっていたため、ハニヤの排除によって合意が成立する可能性が高まったともいう。真偽のほどは分からない。

イラン軍とイラン情報省とIRGCは、整合性に乏しく、競合関係にあって事前に爆弾を検知できなかった。警備の責任はIRGCにあることは明瞭である。

 さはさりながらイスラエルの状況は緊迫しており、イランや中東の過激派はハニヤ暗殺をイスラエルと断定しているため、大規模なテロが計画されている。
ルフトハンザ・グループは、ユナイテッド航空、デルタ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、フライ・ドバイ、ブリュッセル航空などがテルアビブ発着のすべての旅客便と貨物便を停止した。  

  アメリカもおかしなことが起きているようです。これも宮崎さんがとりあげてくれています。

  何と、ソロス親子が変な動きをしているようです。何がしたいのでしょうか。
 
 猛暑のなかの怪談
  ソロスの息子がヒラリー側近の年上女と婚約
 
 夏の夜の夢! 極左運動を支援するジョージ・ソロスは93歳、息子のアレックス(38歳)が、財団を引き継ぎ、バイデン就任以後、21回もホワイトハウ スを訪問していることが判明している。アレックスはカマラ・ハリス副大統領とも親しく、彼女の私邸も訪問し、深夜まで作戦を練った。

 バイデン引退後、ソロスがまっさきにカマラ・ハリス支援に動き、流れが変わった。その影の演出家がアレックスだったわけだ。『フォーブス』誌によると、ジョージ・ソロスの資産は推定67億ドル。ソロスの財団運営はアレックスが引き継いだ。

 カマラ・ハリスは「カメレオン政治家」である。スタッフが過去三年で24人もやめ、副大統領就任以来のこっているのは僅か四名。人徳のなさを物語る。ちなみにBLMはハリス支持をまだ打ち出していない。
 ハリスの得意技は、
(1)スポンサーの意思を実現する政策を遂行する。つまり思想的信念はない。
(2)ころころ立場を替えるが、それを正当化する雄弁術(詐話)に長ける。

 さて冒頭ジョージ・ソロスの息子、アレックスがフマ・アベディン(47歳)と婚約を発表したため、醜聞が大好きなメディアが大きく報じた。

 アベディン女史はホワイトハウス、上院、国務省、そして私生活でヒラリー・クリントンと数年間にわたり一緒に働いてきた。彼女の元夫はウォーナー元下院議 員で、「ミスター・スキャンダル」の異名がある。トランプは「あの変態野郎」と言ったほど、セックススキャンダル、ロリコン、暴露趣味が昂じて社会的に失 脚、アベディンとは2011年に離婚した。

 そのフマ・アベディンだが、彼女もまた醜聞に事欠かず、ヒラリーが追求された私的メールは彼女との間になされ、捜査当局は夫君のセックス暴露メールを調 べている裡に、発覚したのだった。ワシントン政界はウクライナ、ハマスのことより、このスキャンダルのことで持ちきりだという。

  やはり、民主党は何かをやりそうです。まさに油断大敵です。トランプさん大丈夫でしょうか。いよいよアメリカも終わりか。


★英国選挙、保守党は惨敗したが、労働党が大勝したわけではない

2024年07月11日 | 国際

 

フランスやドイツでの保守の台頭はイギリスでは起きなかったようです。そういう日本でも都知事選挙は相変わらず田母神さんの当選はありませんでした。
  保守の怪奇はどこの国もまだまだむずかしいようです。

  宮崎さんがとりあげてくれています。世界が正常になるのはまだまだ先のようです。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)7月8日(月曜日)
  通巻第8322号   

 英国選挙、保守党は惨敗したが、労働党が大勝したわけではない
   ウクライナ支援派継続、移民政策はより厳格な規制

 結果を見れば労働党の大勝利である。
 労働党412,保守党121、自由党72、緑4(定数650)
 スターマー率いる労働党は211議席増。スナクの保守党は251議席減。

 やや絶望の空気と刷新への期待が有権者に広がり、そのくせ投票率は伸びず、保守主義は健全であり、要はスターマーがひとこと標語にした「CHANGE」が一人歩きした。
国民の多くが「所得減」を実感しており、「保守党」の看板が飽きられたということだろう。日本の与党に対する失望感の拡がりに酷似する。

 もう一つの要因は同時に進行中のアメリカの大統領選挙とプランスの「国民連合」の躍進、ドイツにおける左翼の顕著な退潮をよこめにしながら行われた選挙 だったこと。「労働党にいれた有権者は党に忠誠心をもっているわけではない」との解説が目立つのも、次の選挙ではまた与野党が入れ替わる可能性が高いこと を示唆している。

 第一に英国のウクライナ支援の姿勢には「毫も変更がない」として、合計一六〇億ドルの支援(既存九七億ドルに新規六三億ドルの合計)をゼレンスキーに約 束している。政権発足直後、外相をドイツ、ポーランド、スウェーデンに派遣し、ウクライナ戦争支援継続を再確認させている。

 第二に労働党が掲げた政策実現のための雇用である。
 「2029年までに、6500人の教員を増やし、5000人の税務署査察官、3000人の警官の増員、そして8500人を病院のメンタルヘルスに投じる」とした。五年計画の目標値だが、予算審議でもめるだろう。

 第三に環境、クリーンエネルギーへの取り組むだが、これも薔薇色の粉飾ではないか。
風力発電を二倍に、太陽光パネル発電を三倍に、洋上風力発電を四倍に。そしてスナクが改正したガソリン車全廃の見直しの再検討と、北海油田開発の増設を、再検討するとしている。このために消費者ローン、補助金を拡大すると唱っている。
 現在、英国は発電の三分の一がガスによる。

 「問題は、それより移民対策が優先だ」とブレア元首相がスターマー新首相に助言したそうな。

  それにしても、世界はどうしてこれ程に保守の元気がないのでしょうか。やはり、極左の長い間の企みが効いているのでしょうか。
  やはり、世界の人たちの目覚めが必要なのでしょう。はたいて、目覚めることができるのか。


★フランス下院選挙、与党惨敗。ルペンが第一党へ

2024年07月05日 | 国際

 

いよいよ欧州で保守の台頭が確実になってきたようです。長い間期待されていたルペンが、フランス下院で第一党になったようです。
  フランスもこれで少しはまともになるのでしょうか。

  宮崎さんが取り上げてくれています。アメリカのトランプさん復活も実現すれば、世界も少しはまともになりそうです。
  日本の青山さんの総理も期待したいものです。

   「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)7月1日(月曜日)弐
 通巻第8313号 

 マクロン仏大統領、失政の連続で『自爆』
  フランス下院選挙、与党惨敗。ルペンが第一党へ

  マクロンが自爆した。
 6月30日に行われたフランス下院総選挙では出口調査速報で、ルペンが率いる国民連合が34%、ついで左派連合の「新人民戦線』が29%、肝腎のマクロン与党連合が23%となった。保守政党がフランスで第一党になったのだ。

 フランス下院選挙の仕組みは、候補者多数の選挙区で、より正確に民意を反映させるために行われ、7月7日の第二回投票で確定する
 仕組みは第一回投票で25%以上の得票は当選が確定するが、12・5%以上』得票があった候補、殆どが上位二位の決戦投票となるが、12・5%以上が複数の事もある。とくに激戦区では四人~五人が候補者として残っている選挙区もある。

 マクロンの人気が急落した理由は沢山あるが、そもそも初期のマクロン人気なるものは婦人層に支えられた現象的なものでしかなく、24歳年上の夫人とのラブストーリーが、艱難辛苦を乗り越え、悲恋を克服したドラマのように語られたからだった。
就任後の廊下鳶外交は殆どすべてが失敗、くわえて軍事予算をめぐる対立、年金と農業問題で長期のストライキ、とくに移民対策の不手際が「国民連合」への急傾斜に繋がった

 いずれにしてもフランスの政治で左翼の体調は顕著である。6月6日からのEU議会選挙でマクロン与党は惨敗を喫したが、「これは何かの間違い」といきなり下院解散、総選挙に打って出た。このマクロンの賭けは大失敗だった。

 ドイツでも保守の『ドイツのための選択肢』(AfD)が各地で躍進を続けている。 
 西側先進国でまだ左翼が健在、むしろ影響力を維持しているのがアメリカ、カナダ、そして保守が次の選挙で負けそうなのが英国と日本だ。

  やっと、極左の恐ろしさに国民が目覚めてきたというところでしょうか。この傾向が本物になって、世界が安定することを願いたいものです。 


★「ウクライナのNATO加盟は、まずロシアとの戦争に勝たなければならない」

2024年06月25日 | 国際

ウクライナ戦争はどうなるのでしょうか。追い込まれたプーチンは北やベトナム訪問。何をたくらんでいるのか。
  NATOは完全に沿線気分。何かがおきそう。

  宮崎さんが、取り上げてくれています。それにしてrも、ウクライナはどうなるのうあら。

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より    令和六年(2024年)6月20日(木曜日)弐
 通巻第8297号   

 米、
 プーチン「モスクワが領有する領土からウクライナ軍の撤退、NATO放棄」

 スイスで開催されたゼレンスキー主導の「ウクライナ平和会議」は無残な失敗に終わった。
バイデンが欠席し、代理のカマラ・ハリス副大統領もそそくさと帰国し、ドイツのショルツ首相も予定を早めて帰国した。不協和音が鳴り響いた。

 そのうえ「次のウクライナ平和会議は西側諸国では開催されない」と、スイス大使ガブリエル・ルッヒンガーが述べた。
 それもこれもロシアを招かず、中国は早々と欠席を表明したため、最初から開催の意義が希薄であり、そのうえインドはゼレンスキー大統領の「平和会議」宣言への署名を拒否した。
ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、UAE、メキシコ、タイ、インドネシア、ヨルダン、イラクなど12カ国は最終声明に署名しなかった。

 会議前の6月7日にロシアのプーチン大統領は停戦の条件を概説した。それは「モスクワが領有権を主張するすべての領土からのウクライナ軍の撤退、およびキエフのNATO加盟への野心の放棄」が条件だった。

 米国ではホワイトハウス国家安全保障会議報道官ジョン・カービーが6月18日に記者会見を開き、「ウクライナがNATOに加盟するには、まずロシアとの 戦争に勝たなければならない。NATOと米国は当該要件を協議した。バイデン大統領はウクライナの将来はNATO加盟国になると信じている」と味も素っ気 もない空論を付け加えた。

 ウクライナが戦争の勝つ? NATOが全面的にロシアと戦端を開くなら話は別だがマクロン仏大統領がフランス部隊をウクライナへおくりこんだことにスペ イン、イタリア、ハンガリーなどは露骨に反対した。したがってNATOの全面参戦はあり得ず、ということはウクライナが勝つ展望はほとんど考えられない。
アジアタイムズが「冷静」に報じた
「ウクライナは 崩壊の危機に瀕している。ウクライナ軍は兵力が不足しており、軍の死傷者が多い。状況は日に日に悪化している。ロシアによれば、ウクライナは 5月に3万5千人の兵士を失った。ウクライナは兵士を補充できず、強制徴兵プログラムでは訓練を受けた人員を補充することができない。
 NATO の指導者たちはウクライナの崩壊を恐れている。彼らはロシアが次に何をするかを推測しているが、ウクライナを救う選択肢はほとんど残っていない。比較的少 数の NATO 兵士を派遣することは解決策ではない。それはヨーロッパがすぐに遺体袋でいっぱいになることを意味する」(6月3日)。
 
  令和六年(2024年)6月22日(土曜日)  通巻第8299号   

 「米国はゼレンスキーをスケープゴートにするつもりだ」とプーチン
  北朝鮮と越南訪問、プーチンの目的は孤立からの打開だけ?

 北朝鮮訪問からベトナムへ向かったロシアのプーチン大統領は、ハノイで記者会見に臨んだ。
「ウクライナは事態が悪化している。西側メディアがゼレンスキー大統領に反発している。ウクライナの指導者は不人気な意思決定により、まもなく交代するだろう。ワシントンはゼレンスキーをスケープゴートにするつもりだ」と示唆した。

「西側諸国は、まだ後任を望んでいない。誰の目にも明らかだと思うが、(欧米は)徴兵年齢の引き下げを含め、不人気な決定のすべてを彼のせいにするだろう」とプーチン大統領は発言した。
「ゼレンスキー更迭(プーチンは「交代」の語彙を選んだ)は来年の前半に起こる」。

 徴兵担当官が路上で男性を暴力的に捕らえるなど、ウクライナ国民の間に大規模な反対運動の兆候があるとプーチンは付け加えた。
ドイツでも兵役を逃れたウクライナ男子の難民が25万人いることが分かっている。
 プーチン大統領は記者団に対し、「我々は水面下で協議を行ってきたが、期待は外れた」と語った。

 さてプーチンの北朝鮮と越南訪問の成果は何か?
 6月18日、プーチン大統領は北朝鮮を24年ぶりに訪問し、攻撃を受けた場合には相互に援助し合う戦略協定に署名した。両国は第二次世界大戦後の北朝鮮建国以来の「同盟国」であり、ウクライナ侵攻でプーチン大統領が孤立して以来、むしろ緊密になっている。
 金正恩はプーチン大統領を「朝鮮人民の最も親しい友人」と呼び、ウクライナ戦争に対する「全面的な支持と連帯」を誓った。
米欧ならびに日本はロシアと北朝鮮の新たな協定について「深刻な懸念」を表明した。

 6月20日、プーチンはハノイに飛んでベトナムの首脳四名と会談した。
 ウクライナ戦争によるロシアの孤立化は深刻である。プーチンの目的は同盟関係を強化することにあり、12の協定、なかでも両国の相互防衛協定に署名した。
「双方は地域と世界の平和と安全のため、防衛と安全保障、国際法に基づいて安全保障上の協力を強化したい」とハノイ側が発表した。
 ロシアは数十年にわたりベトナムの主な武器供給国であり、1995年から2023年までにベトナムの武器供給の八割を締めていた。

 バイデン米大統領はすでに2023年9月にハノイを訪問し、関係強化を図った。バイデン政権は、米国の中国依存を減らすため、ベトナムを主要なハイテク部品の代替供給国として育成する方針である。
 慌てた北京は3カ月後には習近平国家主席が公式訪問を行った。

 ベトナムはロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議では棄権に廻った。
プーチン大統領はベトナム共産党の機関紙『ニャンダン』に寄稿し、ベトナムの「バランスのとれた姿勢」を評価した。
外交上の成果があがったというより孤立打開の宣伝演出の側面が強い。
 
  令和六年(2024年)6月22日(土曜日)弐 通巻第8300号   

 いまごろカスペルスキーのウイルス対策ソフトを禁止したところで
  TIKTOK禁止措置があまりにも手遅れだったように

 バイデン政権はロシアのサイバーセキュリティ企業「カスペルスキー」製のウイルス対策ソフトを米国内での一般販売を禁止する。
{?}。なんで今頃?
カスペルスキーはウイルス対策ソフトの開発で世界的に有名な企業、日本を含む世界200ヶ所に拠点がある。

 カスペルスキー社とロシア政府とは密接な関係があるとされ、米国に「重大なリスクをもたらす可能性がある」というのが、バイデン政権の言い分である。ファーウェイ,TIKTOK排斥理由と似ている。
なぜならカスペルスキーのソフトが広範囲なコンピューターシステムにアクセスすることで、米国のユーザーから機密情報を盗んだり、マルウェアを紛れ込ませたりする可能性があるからだ。

 とはいえ、すでに民間企業や個人の間に普及し、日常使われている。これまで禁止対象だった政府、連邦機関、軍、警察、情報機関はとうの昔から使用は制限さ れてきた。国家の中枢の機密は厳密に守られてきた筈であり、いまさら一般使用を禁止したところで、どれほどの効果が望めるのだろうか?

 当時、ユージン・カスペルスキーCEOは「根拠のない妄想」と非難し、訴訟を起こした、ものの裁判所はこれを却下した。
制限、もしくは禁止措置は2024年9月29日に発効し、カスペルスキー社は、それから30日後に米国で禁止される。

 カスペルスキーは、1997年に設立。モスクワに本社を置き、英国の持株会社によって運営されている。英国系企業というイメージを付帯させ、200を超える国と地域で事業を展開している。

 世界中に4億人のユーザーを抱え、「カスペルスキー JAPAN」は東京神田に日本支社が、大阪に関西営業所があって、日本人ユーザーも多い。
 したがって、このバイデン政権の措置は、「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」の類いではないか。
「中国政府と繋がっているから」と言って、TIKTOK禁止に踏み切ったが、アメリカでTIKTOKユーザーはすでに1億7000万人もいる。

 トランプはTIKITOK禁止に反対意見をのべ、「この禁止措置で喜ぶのは(ビジネスが増える)フェイスブックだ」と言った。言外にフェイスブックはもっと左翼的だと示唆しているのである。


  ▼ハッカー攻撃に脆弱きわまりない日本

 2023年3月に、遅れに遅れたが自衛隊に「サイバー防衛隊」が発足した。規模は僅かに540人。中国は17万5000人のサイバー戦部隊、北朝鮮は6800人。ランサムウェアでハッカー攻撃を仕掛け、数十億円の身代金を稼ぐ専門部隊である。

 最近の被害はニコニコ動画のKADOKAWA、そして宇宙航空の大本JAXA(宇宙航空研究開発機構)だ。とくにJAXAは2023年から複数回のサイバー攻撃を受けていた。
中国系ハッカーによる攻撃で、大量のファイルが閲覧された形跡があり、なかには秘密保持契約を結ぶ外部の企業や機関の情報も含まれていたという。

 KADOKAWAドアンゴの場合は、桜チャンネルなど保守系の発信に支障がでており、しかも復旧が七月末になるというから大きな被害がもたらされた。
サイバー戦争に於いて、日本の専守防衛という退嬰的な発想が限界にきていることを物語っている。

 これまでにも発電所、緊急医院や水道局、変電所、港湾ターミナル、空港、鉄道駅など社会のインフラを狙う恐喝ハッカーが猖獗し、民間企業でも大手銀行、菓子製造メーカーや就中、トヨタなどは全工場が操業停止に追い込まれたほど。

 おそらく米国は中国系ハッカー部隊への攻撃を仕掛けてきたと推測されるが、中国は自分たちが受けたダメージについては発言をしない。

  今年こそ人類の最終戦争で消滅なんてバカなこともありえるのかも。やはり、地球にとって人類は必要ないのかも。
  地球も、それを望んでいるのじゃないでしょうか。


★赤いヨーロッパよ、さようなら。EU議会選挙

2024年06月13日 | 国際

 

アメリカの赤化も酷いですがEUの酷さも恐ろしい者があります。これが日本も大差はないようです。
  そのEUにも保守の津波が押し寄せて来ているようです。保守の巻き返しもやっと本物になってきたようです。この流れが本物になってほしいものです。

  宮崎さんが取り上げてくれています。保守政権が欧州を押さえる日は来るのでしょうか。そうあってほしいものです。  

   「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024年)6月10日(月曜日)
 通巻第8285号  

 赤いヨーロッパよ、さようなら。EU議会選挙
  保守の津波、ルペンがマクロンの二倍、独シュルツ与党惨敗

 EU議会選挙、欧州も「トランプ劇場」となった。
極左路線はEU庶民から嫌われ、フランスとドイツの政治主導権は失速した。ショルツとマクロンが、それぞれの国内で政治的に弱体化し、EUの共通のビジョンに信頼を抱かせることができないため、レームダック化していた。

 マクロンとショルツの個人的な関係が冷え切っていることは有名だ、フランスとベルリンが互いを非難し合い、フランス側は「ドイツが視野が狭く、連立政権 に縛られている」と非難し、ドイツは「フランスはウクライナ問題でナンセンスなことばかり言っている」と非難しあってきた。

 あまつさえ仏独両国はともに景気低迷に悩まされている。
6月6日から9日の欧州議会選挙は10日夜に結果が出るが、出口調査の速報では保守政党の大躍進となっている。

 とくにマクロン与党はマリーヌ・ル・ペンも16パーセントポイントの大差で負けた。ショルツ社会党も3位に転落した。「ドイツのための選択肢」は二位につけた。
ヨーロッパに「保守」の津波が押し寄せた。

 パリとベルリンが影響力を失う危機に瀕する一方で、他のEU首脳は影響力を高める機会をうかがってきた。
とくにウクライナ戦争と仏独枢軸の弱体化の中、ポーランドのドナルド・トゥスク首相、エストニアのカヤ・カラス、イタリアのジョルジャ・メローニといった政治家がEUの舞台で大きな実力者として台頭した。

 メローニ伊首相は欧州のキングメーカーの立場に就いた。5年間の任期を続けるためには、フォンデアライエン委員長が欧州理事会と議会の両方での支持を必要とする。

  やっと、世界の赤化収まるのでしょうか。一日も早く赤い世界が変わる日が来て欲しいものです。
  しかし、奴等は狡猾なだけに簡単には行かないのでしょう。まだまだ、道は遠そうです。そんな日は来るのでしょうか。


★大統領の墜死が暴くイランの闇

2024年05月27日 | 国際

 イランの大統領のヘリコプター事故死について青山さんが「ぼくらの国会」で解説してくれています。
  どうやら暗殺ではなく事故のようです。何と、50年前のアメリカ製で部品の供給もないのだそうです。
  やはり、イランも追い詰められているようです。暗殺でなかったのは朗報でしょう。


  そrにしても、そんなヘリコプターを使わざるを得ないイランは想像以上においつめられているようです。
  Chinaと同じで追い詰められて自棄糞の戦争を起こすのじゃないかと心配ですね。


★エルドアン、クーデター準備情報に先制攻撃

2024年05月23日 | 国際

 

トルコで又、クーデター騒動があったようです。今度もエルダオアンの勝利のようです。それにしても、世界はもうどうなるか分からなくなってしまっているようです。

  これも、宮崎さんが取り上げてくれています。それにしても、ここまで混沌としてくると何が掟も不思議ではなさそうです。
  いよいよバカな人類は大惨事世界大戦を起こして滅びるのかも。地球にとっては祖の方が良いのかも。バカな人類は滅びた方が宇宙にとっても最良化も。 

  「宮崎正弘の国際情勢解題」より   令和六年(2024)5月22日(水曜日)
  通巻第8261号  <前日発行>

  エルドアン、クーデター準備情報に先制攻撃
  米国亡命のギュラン師が反政府運動の黒幕?

 トルコで再びクーデター未遂があった。
 エルドアン大統領は新たなクーデター準備の動きに予防的先制攻撃をしかけ、「共謀者は米国在住のギュレン師の支持者だ」とする声明を発表した。

 2024年5月14日のことだった。
トルコの法執行機関はアンカラ治安総局と高官らの自宅を強制捜査し、複数の警察官が拘留された。またイェルリカヤ内務相臣は、トルコ国内62ケ所を大規模に手入れし、ギュレン師と関係がある544人を拘束したと発表した。

 ギュレン師とは何者なのか?
 1941年生まれのギュレンは、1960年代後半に『ヒズメット運動』を創設した。穏健なイスラム教、教育、社会奉仕を重視しており、160 ケ国以上で学校や文化センターを展開した。この遣り方はヒズボラ、ハマスの組織化と似ている。

 ギュレンとエルドアンとには蜜月時代があった。
 「イスラム主義福祉党」の党員だったエルドアン大統領は2001年に「正義発展党」(AKP)を共同で設立した経緯がある。ギュレン師のヒズメット運動 は穏健なイスラム教と宗教間対話に重点を置いた。エルドアン大統領とギュレン師は、軍と司法制度に深く根付いた世俗体制には反対という共通点があった。イ スラムへの回帰、アタチュルク以来の急激な近代化には距離を置いたのである。

 近代化よりイスラム回帰を穏健な方法で行うとし、イスラムによる統治を推進する目的が共通していたのだ。両者の蜜月関係、協調態勢はしばらく続いた。ギュランは有権者を動員し、国家機構のなかに支持者を増加させ、AKPを支援した。
 一方で、エルドアン政権は学校や報道機関などギュレン師関連機関の設立を認め世俗イスラム国家を嘗てのイスラム体制へ回帰させようとする姿勢を鮮明にしていた。トルコのすべての大學キャンパスにモスクを建てた。

摩擦が生じたのはエルドアン大統領への過度の権力集中がおき、司法、警察、メディアにおけるギュレン師の影響力と対立がおこった。関係は悪化した。
エルドアン大統領は、ギュレン派が政府を弱体化させるためにさまざまな画策を展開したと非難した。ギュレン支持者らは警察や司法から大規模に粛清された。エルドアン大統領はギュレン運動への弾圧強化に方向を転じた。

 ギュレン師は1999年以来、米国ペンシルベニア州で亡命生活を送っている。 
エルドアンはギュレンに関連する報道機関、学校、企業を閉鎖し、ギュレン支持者の数千人を公職から追放した。

 ▼エルドアンはギュレン派の弾圧に方針を転換

 エルドアン大統領はギュレン師が政府転覆を目的とした闇の組織を主導していると非難し。テロ組織を率いたとして起訴に踏み切った。そして米国にギュレン師の引き渡しを求めた。トルコと米国の関係が悪化した。

 経済的困難と社会不安が不満をさらに高めた。失業率の上昇、インフレ、クルド人問題やシリア難民危機など問題が一斉に吹き出し、エルドアン政権は不安定となり、体制に不満を持つ政治的雰囲気が醸し出された。

 2016 年 7 月 15 日の夜を迎えた。
軍が行動を起こした。大規模なクーデターとなって、ギュラン派の軍閥がイスタンブールの橋、アンカラの政府庁舎、報道機関などの主要な機関やインフラを掌握し、戒厳令を布告した。
 アメリカはこのクーデターの予兆を知っていた。しかしエルドアンには知らせなかった。オバマ政権はエルドアンを憎んでいた。
リゾートのマルマリス島で休暇中だったエルドアンに危機を知らせたのはロシアの諜報機関である。

 エルドアン大統領は危機一髪でクーデター部隊の急襲を逃れた。イスタンブールに現れたエルドアンはCNNに出演し、クーデター陰謀者に抵抗するために街頭に出よ、と国民に呼びかけた。数千人の国民が町へ出て軍と対峙し、7月16日朝までに反乱は鎮圧された。
エルドアン大統領はクーデター支持者とされる人物の大規模な粛清を開始した。
その対象は十万人以上に及んだ。反革命である。軍人だけでなく、数千人の裁判官、公務員、教師、警察官も含まれていた。政府は非常事態を宣言し、国家への 脅威とみなされる個人を逮捕、拘束、官吏は公職を解雇するなどの権限をエルドアン大統領に与えた。クーデター未遂により、エルドアン大統領はさらに権力を 強化することができた。

 その後も、地下でギュレン主義者のエルドアン大統領打倒の動きが続いていた。西側諸国はクーデター未遂を非難した。しかし米国はギュレン師を引き渡さず、トルコと西側の関係は悪化した。

 ▼ぎくしゃくとNATOとトルコの関係は軋んだ

 トルコと西側諸国との緊張は継続し、トランプの登場で一時的に雪解けとなったが、バイデン政権でまた悪化した。トルコはNATOの枢要なメンバーであ り、NATO海軍はトルコのイズイミールに本部を置く。だから欧米にとってトルコはじつに扱いにくいうえ、エルドアンはロシア寄りの姿勢を強くしている。

 2023年6月には、トルコがスウェーデンのNATO加盟に反対した。理由はクルド人武装組織「クルド労働者党」(PKK)がスウェーデンに拠点を持っ ているが、スウェーデン政府の対応が生ぬるいと批判し、対策の強化を求めていた。PKKは欧州連合(EU)と米国からテロ組織に指定されている。
 トルコはNATO加盟国として、新規加盟に関して拒否権をもっている。スウェーデンはしぶしぶクルド族への締め付けを強化した。

 最後まで反対したのはハンガリーで、土壇場での加盟承認との引き替えはスウエーデンのSAABジェット機のリースだった。

 トルコは通貨下落によるインフレに襲われ、コロナ禍で観光客も激減した。国内の経済問題などが、新しい、複雑な政治環境を生み出した。現在のトルコはクルド族問題も抱えており、治安は悪化し、政治的、社会的、経済的問題は深刻である。

かくして2016 年と 2024 年のクーデター未遂は、経済的不安定、社会的緊張、政治的闘争が爆発的に組み合わさり、次の危機を招きかねないと、「中東研究センター」所長のムラド・サディグザデ(HSE大学客員講師)がRT(5月21日)に寄稿している。

  それにしても、世界はどうなるのでしょうか。人間って本当にバカですね。


★プーチン大統領 ショイグ国防相を交代✕ 追放〇

2024年05月19日 | 国際

 プーチン大統領も足掻いているのでしょうか。Chinaへの訪問もそのあがぉですぴぁ・青山さんが、国防相を変えたことを「ぼくらの国会」で解説してくれています。
  やはり、独裁者の生後は違いのでしょうか。

  
  それにしても、プーチン・習皇帝・金ちゃんと独裁者に囲まれた日本はもっと真剣に国防を考えるべきでしょう。
  それをしないのはやはり国会議員の殆どが奴等の手下ということでしょうか。何とも恐ろしい。