第3535回などで取り上げたように日本の太陽光発電の設置はジリ貧に陥っていましたが、今年の政府による固定買取制などの打ち出しや世界の景気後退により流れが変わりそうな予感があります。
そんな流れを表す数字が発表されていました。
半導体業界・FPD業界の出版社 EDR,LLCより 2009年6月18日
太陽光発電およびディスプレイ市場に関する韓国の専門リサーチ会社Displaybankは、2009年6月17日、09年の世界太陽光発電設置量の統計を発表した。それによると、09年の太陽光発電設置量は約4.8GWで、前年の5.5GWから大幅減になる見通しである、と予測した。同社はは、09年2月時点では、09年の予想設置量を前年比6%減の5.2GWと見ていたが、さらなる需要減の現状を反映し、4.8GWに下方修正した。
この原因として、世界同時不況の予想を上回る深刻な影響、また、これまで太陽光発電に積極的だった各国の支援策の大幅な縮小などを挙げている。米国、日本、中国などは支援制度の強化を進めているが、2008年に2.3GWを設置して世界需要を牽引したスペインの今年の設置量が0.4GWへと大幅に縮小するなど、景気低迷の影響を受けるのは避けられない状況である、としている。
All about Display Industry - Displaybank
ドイツやスペインは固定買取制の価格設定が高すぎたと言う反動で見直しがされ、それが景気の後退と相まって設置数の激減と言うことになっているようです。
それでは、日本はどうなっているのでしょうか。これも面白い数字が発表になっていました。
ECO JAPANより 2009年06月23日
「太陽電池パネルの設置は月8000件で,去年の2倍」,経産省が報告
経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課課長の渡邊昇治氏は2009年6月22日,産業技術総合研究所が開催した「第5回太陽光発電研究センター成果報告会」で講演した。講演の中で渡邊氏は,「(復活した補助金の効果で)太陽電池パネルの住宅などへの設置件数が好調に伸びている。現在8000件/ 月のペースで,昨年の2倍になった」ことを明らかにした。
このほか,渡邊氏は,次世代の太陽電池として「波及効果が大きい」有機系太陽電池に注目していることや,太陽電池,蓄電池などといった単体での普及促進ではなく,「太陽電池と蓄電池を組み合わせたシステムの導入」(同氏)を,同省として進めていくことを明らかにした。
去年の2倍ですか。まだ固定買取制が実施されていない時点で補助金があるとはいえこの数字は期待できるものじゃないでしょうか。実際に固定買取制が実施されれば採算も取りやすくなることが理解され一気に設置が進むと期待します。
世界の設置量の減少を喜ぶような狭い了見ではないですが、この機会に日本が世界のエネルギー大国への道を歩みだすことを期待したいものです。
いよいよ面白くなりそう!