第4273回で太陽光発電のコストが3-5年以内に化石燃料と原子力による発 電を下回るという話題を取り上げました。しかし、その中でも、本当のコストが分からないのが原子力じゃないでしょう か。公式に発表されている単価はどうにも信用できそうにありません。果たして本当の所はどれくらいなのでしょうか。 そんな疑問に答えてくれる記事がありました。
何時ものサイト順路の環境の世紀より 2011.07.03
6月23日の週刊東洋経済に「原子力発電は安価?」という常識を覆す記事が掲載された。それを見れば、いかに 欺瞞に満ちた情報提供がこれまでされてきたかが分かる。…以下略
やっぱり怪しそうです。早速東洋経済のサイトに飛んで見ました。
原発「安価」神話のウソ、強弁と楽観で作 り上げた虚構、今や経済合理性はゼロ(1) - 11/06/21 | 06:00
「原発の電気は安い」
国をはじめとする原子力発電推進派の、これが決まり文句だった。
1キロワット時の電力を作るのに、水力は約12円、石油11円。 そこへもってくると、原子力なら半分の約5円で済む――。傑出した経済性は、ウラン燃料 が比較的入手しやすい、燃料がリサイクルできる、CO2を排出しない、と並ぶ、「原発の4大 美点」だった。
しかし、安全神話を一瞬で吹き飛ばしたのと同様、福島第一原発事故によって、「安価神話」の信憑性にも、疑惑の まなざしが向けられている。
過小評価と抜け穴だらけ「公式試算」のいいかげん
原子力の発電コストは、三つの要素で成り立つ。
第1が、燃料費や人件費など、電気を作るうえでかかる「発電費用」。第2が、発電に伴って出る使用済み燃料を再加工したり、廃棄物を処理する費用だ。後 工程という意味で「バックエンド費用」と呼ばれる。
これに、「立地費用」が加わる。原発を誘致した地元自治体に対する補助金や交付金がこれに当たる。
驚くべきことに、国が言う「原発5円」は、1と2のコストしか含めていない。しかも、不備がある。…中略
再び大島教授の試算によると、1キロワット時当たりの開発単価と立地単価の合計は揚水を含む原子力が2・1円、火力と水力が各0・1円(1970~2007年度)だった。これを足した同期間の「総コスト」は、揚水を含む原子力が12・23円、火力9・9円、水力3・98円となった。原子力発電は、最も割高な発電 だったことになる。神話は虚構だった。…以下略
かなり長いので全部は引用できません。興味のある人はリンク元を見てください。
それにしても、怪しいとは思っていましたが、これほどに粉飾されたコストだとは思いませんでした。これだって もしかしたらまだ一部なのかもしれません。結局は、原子力発電を採用することにより余禄に預かれる人たちが寄って 集って利益をむさぼってきたと言うことのようです。気が付いたらとんでもないコストになっていたが今更その恩恵を手 放す気になれずにそのまま進めてきたのでしょう。
ここまで来ると、結局は本当のコストは最後まで明らかにされずに有耶無耶になってしまうのでしょう。
きちんとしたコストで本当に安価で安全な原子力発電が実現されるのなら反対はしませんが、ここまで来るともう無 理でしょうね。
これから原子力を進めるために限界の見えない膨大な予算をつぎ込むより、その予算で自然エネルギーを促進する方 がどう考えても安全だし、先行きのコストダウンも見込めそうです。
ここらが転換期かも!