第4307回で自転車のマナーを取り上げましたが、自転車だけに責任を負いか ぶせるのには納得できないと思っていたら面白い記事がありました。
ロサンゼルス市議会は7月20日、自転車に乗る人(サイクリスト)を、自動 車を運転する人(ドライバー)のハラスメントから保護する、画期的な新法を可決した。ロサンゼルス・タイムズによる と、新法は、ドライバーがサイクリストに対して、言葉および身体的な脅威を与えると犯罪とみなし、被害者は市による 刑事罰を待たずに裁判所に提訴できるというものだ。
08年の国勢調査のデータによれば、ロサンゼルス在住者で通勤に自転車を利用してい る人は、約1万3000人で、過去8年間で48%も増加した。
こうしたサイクリストの増加に伴い、自転車と車との衝突事故が増えている。ドライバーは、サイクリストが交通規 則を無視していると非難する。一方、サイクリストは、ドライバーが自転車を一段低く見ている、と抗議する。
新法では、サイクリストは、民事 裁判でドライバーを訴え、被害額の最高3倍の賠償金と弁護士費用を請求することが可能 になる。新法の策定を支援したロス・ヒルシュ弁護士は、賠償金が高額になる可能性があるため、引き受ける弁護士は多 いだろうと見積もる。
ロサンゼルスは過去2年間で、サイクリストを保護する法律を次々と可決し、全米の注目を集めている。 たとえば、ロサンゼルス市警は、今年、自転車タスクフォースを結成し、サイクリストを保護する交通規制を警察官に周 知させるプログラムを立ち上げた。また、市は今年初め、新たな自転車専用道路を建設する計画を可決している。
カリフォルニア州議会も、車が自 転車を追い越す際、最低でも3フィート(91センチ)は間隔をあけることを義務付ける法律を検討している。この法案の共同提 案者は、ロサンゼルス市議会だ。
こういう発想は面白いですね。いくら自転車のマナーが悪いと言っても、強者であるクルマと喧嘩するには弱すぎ ます。ここはやはり強者であるクルマの方に罰則を強化するのは自然じゃないでしょうか。
こうした罰則の強化と自転車道の整備ができれば自転車による事故は大幅に減るはずです。その反対に歩行者に対す る強者である自転車への罰則も必要でしょう。強者が弱者をいたわる心があれば事故は自然に減るはずですが、それがで きないのであれば罰則も仕方ないでしょう。
いずれにしても、自転車への追い風も感じられるようになってきたのは良い事じゃないでしょうか。
自転車万歳!