昨日書いた太陽光発電の内外の価格差を説明してくれる記事がありました。
小寺信良氏が発電/蓄電/送電 の3つをテーマに次世代エネルギーについて語る新 連載。第2回は太陽電池の市場とその動向について紹介。
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下克上アリアリの業界ピラミッド構造
どの業界でも高コスト高品質なも のを頂点に、低コスト低品質なものへ向かってピラミッド構造を形成する。太陽電池業界もまたしかりで、大きく分ける と現時点では4段階のピラミッド構造になっている。
太陽電池産業のピラミッド構造
トップの階層は高効率だが値段が 高い単結晶シリコンで、業界では「太陽電池のスーパーカー」などと呼ばれており、三洋電機、シャープ、米サンパワー が製造している。第2層は多結晶シリコンの高効率のもので、シャー プ、京セラ、三菱電機などがここに入る。国内で多く導入されているのは、この階層のものだ。
第3層は多結晶の効率がそれほど高くないもので、ここは多くの中国メーカー、イン リーグリーンエナジー、JAソーラー、サンテックパワー、トリナソーラー などがひしめき合っており、最も価格競争が激しい部分だ。一番下は薄膜アモルファス系で、価格は安いものの変換効率 が低いため、広大な面積が用意できる発電産業用とされてきた。しかし最近は変換効率が10%を超え始めており、家庭用としても注目されている分野だ。
いま大きく注目されるのはこの第3層の部分で、価格で競争力があるため、知名度さえ上がれば一気に市場を席巻 (せっけん)する可能性を秘めている。国内メーカーは低価格競争に巻き込まれないよう、さらに高付加価値、高効率で 上の層に逃げていくしかないというのが実情だ。
価格競争という点では、前出の化 合物系も大きな広がりを見せている。ファーストソーラーだけでなく、日本では昭和シェルの子会社ソーラーフロンティ アが、銅、インジウム、セレンなどを使った「CIS薄膜系」のセルを製造、今年(2011年)春には宮崎県国富町に1000億円を投じた超巨大工場が稼働した。生産能力としては、単一工場として世界一の規模だそうであ る。…以下略
成る程品質の差ということですか。これなら価格差に納得が行くものがあります。しかしながら、高効率は単に設 置面積に影響するだけで同じワット数なら発電量は同じなのですからその価格差を素直には受け取れません。耐用年数が 違うのであれば納得するところもありますが、ただ単に効率の差では余程屋根の面積が小さい設置者にしかメリットは無 いのじゃないでしょうか。
ある程度の設置面積があるのならコストはできるだけ安価である方が受け入れられるはずです。何時までも高品質で 上の層に逃げていくなんて方法をとっていては市場を奪われてしまうのは火を見るより明らかでしょう。ここは日本の メーカーの踏ん張りどころじゃないでしょうか。何とか価格競争に勝ち残ってもらいたいものです。
頑張れ日本!