エチオピアと言えば日本ではアベベなどでアフリカではトップクラスに知られ、愛されていた国だったのじゃないでしょうか。
それをWHOのテドロスがChina肺炎問題でその評判を落としてしまって、今やエチオピアを愛する人は世界でも殆どいなくなったのじゃないでしょうか。
ところが、そのChinaの金にまみれたエチオピアをアーメド首相が見事に名誉挽回したようです。
何と、5Gの入札でChinaを弾き飛ばしたのだそうです。
宮崎さんが詳しく報告してくれています。これは快挙ですね。想像以上にChinaの金に汚染されていたエチオピアの名誉を一気に挽回したと言えるでしょう。
世界の国にこのアーメド首相を見習って欲しいものです。特に、日本の媚中派共にはその爪のアカを煎じて飲んで貰いたいものです。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和三年(2021)5月30日(日曜日) 弐 通巻第6929号
エチオピアの通信網入札で敗退した中国は「裏切り」と認識した
英米日連合が8億5000万ドルの5G通信網プロジェクトを獲得
ファーウェイとZTEをプロジェクトから排斥したエチオピア政府。率いるのはアビー・アーメド首相。この人、エリトリア、ジブチ、ソマリアに囲まれた内陸国家の内戦を停戦に導き、とくにエリトリアとの和平合意によって、2018年度の「ノーベル平和賞」を受賞した辣腕政治家である。
アーメド首相は軍人あがりのスポーツマンとして知られ、首相官邸に押しかけた反乱兵士に「腕立て伏せ」競争を提案して、殺伐とした雰囲気を和ませたという逸話もある。
さてエチオピアは国営通信が電話網を独占してきたが、経済のグローバル化にともない外国企業の参加を認めることとなって、次世代通信網建設を國際入札とした。
中国が間違いなく入札すると見られたうえ、価格も英米日コンソーシアムが提示した8・5億ドルより安い6億ドルだったという(サウスチャイナモーニングポスト、5月29日)。
あまつさえ過去の「実績」。
中国は首都アジスアベバから沿岸のジブチへの700キロの鉄道電化を請け負い、高速道路の70%も中国が建設。このほか発電所、空港などインフラ整備に138億ドル(2018年度までの累積)を投下してきた。そのためエチオピアは「アフリカの中国」とまで呼ばれた。AU(アフリカ連合)本部ビルも中国が建てて寄付した(2億ドル)。中国の狙いは国連のアフリカ票をまとめるためである。
「これは代理戦争ではない」とアーメド首相は言った。中国の意外な敗退を「裏切り」と認識した中国向けの発言である。
背景には米国がファーウェイとZTEをブラックリストに載せたことが最終決断に大きく作用した。
英米日連合は英国ファンドのCDCが英国ボーダフォン、ケニアのサファリコム、南アのボーダコム、日本の住友商事をまとめ、15年の貸し付けとする内容。エチオピアは人口大国(1億800万人)。市場は向こう十年に80億ドルのビジネスと想定している。
さてエチオピアといえば、ソロモン王末裔が紀元前に建国したという古い歴史の国であり、近隣諸国との戦争で、エリトリア、ジブチという海への出口を、それぞれの独立によってふさがれたため、海軍を廃止したほどの内陸国家。その上、ベタ・イスラエルと呼ばれたユダヤ教信者がおよそ13万人、イスラエルへ移住した。
民族構成はオモロ族が35%、アルハラ族27%、そのほか100以上の部族があり、宗教的分布はキリスト教(コプト)が63%、イスラムが33%。
アーメド首相もアベベ選手もオモロ族である。
1974年に軍部左派のクーデタが起こり、所謂「メンギスツ革命」で廃止されるまで帝政だった。
ハイレ・セラシア皇帝の時代、マラソンのアベベ選手が東京五輪で優勝した。
エチオピア航空は成田に乗り入れ、近年は日本人のツアーが人気を集めていた。
これで、テドロスも再選は難しくなったかも。それとも逆でしょうか。いずれにしても、アーメド首相が男を上げたことだけは確かでしょう。
この決断を出来る指導者がどれだけいるでしょうか。それがChinaの運命、延いては世界の運命をも決めるかも。