昨日のインドに続いて、7日、第6518回の「ベ ネズエ ラに続いてパキスタンのデフォルトが近い」でも取り上げたパキスタンについて、宮崎さんが詳しく書いてくれています。
一帯一路の前途は多難のようです。習さん大丈夫ですか。もう諦めて手を上げた方が良いのじゃないでしょうか。とは言いながらも、ここまで来たらもう止める訳ににも行かないのでしょう。何とも、お気の毒ですが、延命させたい勢力が応援してくれるので生き残る可能性もあるのでしょうか。
宮崎正弘の国際ニュー ス・ 早読みより 平成29年(2017)8月3日(木曜日) 通算第5381号
パキスタンに裨益しないCPEC(中国パキスタン経済回廊)
IMFも「一方的な中国の利益」とプロジェクトに懐疑的な報告
「ちっともパキスタン経済に裨益していないじゃないか」とパキスタン経済界から不満の声があがっている。
中国から安い物資がどんどんパキスタン市場に流れ込み、パキスタン製品が駆逐され、そのうえグアダール港工事のための建機、セメントなど全部が中国からの輸入となって、貿易赤字が拡大、外貨準備は底をついている。
「なにが双方の利益だ」と嘆きの声は日々大きくなる一方だ。
一帯一路の目玉プロジェクトは中国が500億ドルを投じ、イランよりのグアダール港から新彊ウィグル自治区のカシュガルまで鉄道、ハイウェイ、パイプライン、光ファイバー敷設という四つの工事である。これがCPEC(中国パキスタン経済回廊)だ。すでに工事は佳境に入っている。
ところがグアダール港の位置は「パロチスタン藩国」の領地で、英国が勝手に地図をひいてパキスタンに編入した経緯があり(ちなみに国王(藩主)は英国に亡命中)、バローチ人はまったく歓迎していない。
そのため中国人へのテロ、誘拐事件が繰り返され、その工事現場の警備をパキスタン軍がおこなうという皮肉。
もっと具体的に言えば、プロジェクトの資金は中国が寄付するのではなく、中国がパキスタンに貸与するのであり、担保は将来の「通過料」「道路使用量」「鉄道運賃」などである。当初の計画ではパキスタンは、2024年には35億ドルから45億ドルの「収入」が見込めるという青写真になっていた。
IMFの報告は「輸出力向上が見られず(そもそもパキスタンからの輸出品は殆どない)、予測される利益はなく、パキスタンの赤字拡大の怖れがある」と警告している。
大型のプロジェクトはいまも不足している電力を必要とするが、そのためにはダムがもっと必要になる。中国からの代金決済は人民元ではなくドル決済のため、ますますパキスタンの外貨準備が激減している。
あまつさえ隣国インドが中国主導の一帯一路そのものに反対しており、しかもパキスタンとインドが抱える領土係争地を、このプロジェクトが通過する。
スリランカ、インドネシアほかで、中国の提案を再検討する動きがあったように「パキスタンはプロジェクトそのものを再検証しなければならないだろう」とパキスタンの識者は口を揃えている(アジアタイムズ、7月31日)。
いやはや前途多難というより真っ暗、そのうえパキスタン政変はシャリフ政権を崩壊に追い込み、北の隣国アフガニスタンへはIS兵士が帰還し始めて大がかりなテロが予測され、西の隣国イラン国境も剣呑な情勢である。
一難去って、また一難。
それにしても、インドネシアを筆頭として、騙されるのが分かっているはずなのに、それでも金が欲しい国が多いですね。と言うか、その金を懐に入れることが目的で国のことなんか考えてない輩が政治を牛耳っていると言うことかも知れません。
日本も、スケールは小さいと雖も、同じ様な輩が蔓延っているので、世界を笑えません。情け無いですね。
それにしても、もし、中国が崩壊しなかったら世界は無茶苦茶になるでしょう。それでも、延命させたい金の亡者達が蠢いているのですから、もう世界は終わりかも知れないですね。
今や、この流れを止めることが出来そうなのはトランプさんだけのようですが、そのトランプさんが怪しい雰囲気ですから恐ろしい限りです。
トランプさん頼みますよ!
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