英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
〒396-0023 長野県伊那市山寺305-16

塾歴社会の中で

2016年03月06日 | 指導現場にて
『ルポ 塾歴社会』を読了。
塾歴社会の王道として「サピックス → 一流中高一貫校 → 鉄緑会 → 東大合格」を挙げ、その功罪を詳細な取材で裏付けしています。

現在の都市部を中心とした塾の勢力図が分かり、小学生のほとんどが地元の公立中学に進学する長野県のような田舎に暮らす者にとって、中学進学後の6年後の大学受験で、このようなライバルと闘わなければならないと危機感を持たせてくれます。

ところで、私は常々、私自身の受験生時代にあったのに今の学生からは感じられないものがあると、指導現場に身を置きながらずっと感じていました。しかし、それが何なのか?そのモヤモヤ感が本著の140ページを読むことで、一掃されました。
昔は、どんな参考書や問題集を使って、どんな風に志望校対策をするのかを自分で考えたもの。どう段取りを組むのかというところまでを含めて受験勉強だった。結果的に総合的な人間力を試すことになっていた。(中略)入試の結果には、単なる知識量や学力だけでなく、作戦力や実行力、そして執念までもが反映されていた。しかし今、子供たちは大人に与えられたものをやるだけになっている。」
(『ルポ 塾歴社会』140ページより引用)

私自身が大学受験の時は、この“総合力をいかにして高めていくか”というプロセスを、多くの受験生が楽しんでいたように思います。第二次ベビーブームなんて何のその。第一志望の偏差値が高かろうが、倍率が何倍になろうがそんなことは無関係。第一志望に合格するために、己の信じ、出来る限りのことをする。

代ゼミ時代の私(向かって右)

最近の高校生はこの「総合力」を高めるパワーがないのです。少子化、そして全入時代の到来による時代の流れかも知れません。でも、その総合力は社会に出てから必ず生かされます。

大学受験を通じ、その後の人生を生き抜く基本的な術を身につけてもらいたいと、切に願います。


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